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新型コロナウイルスの流行で病床がひっ迫する中、家での看取りを選択するがん患者らの家族が増えている。だが、家に帰ったはいいが、どうすれば患者が安らかに旅立てるのかの予備知識がなく、末期の患者を苦しめかねない多量の点滴を安易に求めてくる例が後を絶たないという。終末期医療に従事する在宅医は、いまだ続く無理解に警鐘を鳴らす。
* * *
「栄養をちゃんと取らせてあげないと母の身体が持ちません。点滴をもっとお願いできませんか」
今年2月、都内の訪問看護ステーションの女性看護師は、自宅でがん末期の母に付きそう50代の女性から、焦った様子でこう頼まれた。
女性も健康面で問題を抱えており、母を自宅で看取るという選択肢はもともとなかった。だが、コロナ禍で病院では面会が許されず、「ひとりぼっちの母がかわいそうだ」と、家で看取ろうと考えを変えた。
がん末期の患者への必要以上の点滴は、患者を苦しめてしまうことは、担当医師がすでに説明していた。母には1日、200ミリリットルの点滴が行われていたが、日に日に痩せていく姿に、慌ててしまったようだ。訪問看護師も改めてリスクを伝えたが、強く言い返された。
「そんな話は聞いていません、母がかわいそうじゃないですか」「あなたは自分の親に同じことをするんですか?」
暴言に近い言葉まで浴びながら、やりとりを繰り返したという。
最終的には女性は落ち着きを取り戻して点滴のリスクを理解し、翌月に母を看取った。最後の数日間は、医師のすすめもあり点滴を外した。
最初から在宅での看取りを決め、こうした知識を得たり心の準備をしてきたりした家族でも、弱っていく患者の変化に耐えきれず、点滴の増量や、どうにかして栄養をつけてあげてほしい、などと突然お願いしてくることは、よくあることだという。
「この女性は、そうした心の準備がなかったうえに、母を家に帰すということだけで精いっぱいになってしまっていました。医師が行った点滴のリスクなどの事前説明は、ほとんど頭に入っていなかったようでした」
訪問看護師は振り返る。
「がん患者などの終末期は、脱水状態にして身体をある意味『枯れさせる』ことが、患者さんをもっとも楽に過ごさせてあげる方法なのです。ところが、この『常識』が何年たっても、医療者や患者側に浸透せず、何かあるとすぐに点滴に頼ろうとする。かねて指摘されてきた問題ですが、コロナ禍の今、在宅医療の現場では一層、問題が深刻化しています」
そう危機感をあらわにするのは、兵庫県尼崎市で在宅医療を行い、多くの患者の旅立ちを看取ってきた長尾クリニック院長の長尾和宏医師だ。
すべての病気の終末期に当てはまるわけではないが、長尾医師によると、末期がん患者に多量の点滴をし続けた場合、肺や腹部に水分がたまったり、身体がむくんだりして患者を苦しませてしまう。また、高カロリーの点滴をすると、ブドウ糖が、がん細胞だけに栄養を送ってしまう形になり、死期を早めてしまう可能性がある。
「心不全と肺水腫で呼吸が苦しい状態が続き、もがき苦しみながら最期を迎える。まさに、ベッドの上で『溺死』してしまうのです」(長尾医師)
病院から在宅での看取りに切り替える患者家族が増える中、長尾医師のクリニックでも、新型コロナ流行以前より患者は3割増え、受け入れの限界に達した。
長尾医師は、
「病院から帰ってきた患者さんのご家族は、ほぼみなさん、何か不安を感じると『点滴を』とお願いしてきます。それはなぜなのか。入院していた病院の医師に、終末期は『枯らせた方がいい』という知識が欠落しているからに他なりません。終末期の人に安易に点滴をすることの害を知らないから、患者側もそれがいいことだと妄信してしまうのです。もはや、点滴はいかなる時も『善』であるという、不治の『点滴病』に冒されていると言っていい状況です。患者数が増えて負担が増す中、うちの医師たちは毎日、何組もの患者家族への点滴の説明に追われています」
として、こう続ける。
「ここ最近、『枯れることが緩和ケアである』という常識すら知らない『にわか在宅医』が散見されます。患者さん側が知識をつけなければ、本人と大切なご家族の心を苦しませてしまい、一生の悔いが残る看取りになりかねません」
筆者も昨年、自宅でがんだった妻を看取った。介護生活に入ってひと月ほどたったころから、食事の量が日に日に減っていき、ある日の朝を境に、スプーンで食べ物を運んでも、口をまったく開いてくれなくなった。
もともと家で看取ろうと決めていたため、事前にいろいろな情報に接し、点滴のリスクを知ってはいた。「いつかご飯を食べられなくなる。それはご飯を食べるのがつらくなったということ。その時は少量の点滴だけにして、少し枯らせてあげた方が、患者さんは身体が楽なんです」と在宅医からも説明は受けており、理解していたつもりではあった。
だが、食べることが大好きで、つい数カ月前まで焼き肉でもラーメンでもスイーツでもバクバク食べていたその当人が、毎日、寝たきりのままほんのわずかな量の点滴だけで過ごし、みるみる痩せていく。そうそう受け入れられる現実ではなかった。「本当は腹が減ってるのにうまく喋れないだけなんじゃないか」「栄養がなくてつらくないんだろうか」。さまざまな迷いが浮かんでは、かき消す日々。
厳しい現実でしかないが、プロである医師の言葉を信じ耐えるしかなかった。
不思議なことに、死を迎える前の一カ月ほどは状態が良くなった。目が覚めている時間はごくわずかだったが、表情が豊かになり、話しかけると反応できたり、自分から何か言葉を発する機会が増えた。好きな歌のワンフレーズを口ずさんだこともあった。「枯れた」から調子が良くなったという証明はできない。それでも、できることが増え、健康な人たちのそれとはもちろん質は異なるが、コミュニケーションが取れたのは事実だと感じている。
終末期に寄り添う家族は、様々な患者の変化に直面し、どうしようか思い悩む。どれだけ考え抜いたとしても、100パーセント正しいと思える選択などないのかもしれない。
ただ、家での看取りを選ぶ人が増えている今、点滴という、一見して害がなさそうな医療行為に大きなリスクが伴うという事実だけは、しっかりと知っておく必要がありそうだ(AERAdot.編集部・國府田英之)
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ある30代の女性の孤独死
わが国では、年間約3万人が孤独死している。そこで浮かび上がるのは、人生でつまずき、崩れ落ちてしまった人々の姿だ。男性に比べて数は少ないが、女性の孤独死はとくに痛ましいケースが多い。
若年層女性の孤独死現場の特徴について、特殊清掃業である武蔵シンクタンクの塩田氏はこう語る。
「孤独死した女性の部屋には、使わないままホコリがかぶっている化粧品があることが多いんです。何らかのつまずきをきっかけに、家に引きこもってしまい、人に会う機会がなくなり、人を家に招き入れないから部屋が汚くなる。ゴミをため込むので、片付ける気力や動機付けが、なくなってしまうんです。それでセルフネグレクトに陥ってしまう」
セルフネグレクトとは、自己放任という意味で、ゴミ屋敷や、医療の拒否、過度な不摂生など、自らを追い込むことから“緩やかな自殺”とも呼ばれている。
このセルフネグレクトが孤独死の8割を占めている。
ある30代の女性は、2LDKの分譲マンションの一室で孤独死。遺体が見つかったのは、死後3カ月だった。
塩田氏が、居間に入ると、棚の上に数多くの陸上競技大会でもらった、トロフィーや表彰状が飾られていた。かつて、女性は陸上競技の選手だったらしい。
リビングの棚には、大会で華々しくゴールした瞬間のゼッケンをつけた写真が飾ってあり、そこには爽やかな表情で汗を流す女性の姿があった。
女性は20代で職場結婚して一人娘を出産。しかし、その後アルコール依存症が原因で、離婚。娘の親権は夫に渡ってしまったらしい。離婚後は、貯金を切り崩しながら、家に引きこもるようになる。床にはウイスキーの空き瓶が無造作に投げ捨てられており、亡くなる寸前まで女性がお酒を手放さなかったということがうかがえた。
塩田氏が遺品整理をしていると、禁酒に関する本やカウンセリングの資料などが部屋の片隅でホコリをかぶっていた。女性はなんとか、アルコール依存症から立ち直ろうと1人で葛藤していたのだ。
女性が亡くなっていた場所は、トイレだった。便器と床のタイルには、大量吐血した生々しい痕跡があり、バケツをひっくり返したような、塩田氏も驚くほどの量だった。
その血痕は、トイレから冷蔵庫までつながっていて、苦しくてのたうち回り、玄関まで助けを求めようとしたのだろうと、塩田氏はすぐに察知した。
「ご遺族である弟さんにお話をお聞きすると、故人様は、離婚後、子供と離れ離れに暮らしていた寂しさから、さらにアルコールに溺れるようになったみたいなんです。弟さんも、故人様と喧嘩してからずっと疎遠になっていたようで、誰も頼る人はいなかったみたいです。
僕も一度、離婚しているので、子供となかなか会えない辛さは、人ごとではないんですよ。故人様の過去の切なさと寂しさを思うと、胸が締めつけられました。故人様のケースだと、もし家族が同居していたり、頻繁に訪ねてくる人がいれば、病院に搬送されて、一命を取り止められたかもしれないと思いますね」
部屋の机には、多くの薬が置かれてあり、診断書には、「肝硬変」と書かれてあった。
棚の片隅には、母の日に娘からもらったと思われる似顔絵や、遊園地で娘と2人で写っている写真が、飾られてあった。離れ離れになってしまった子供へ抱き続けていた女性の愛情を感じて、塩田氏は思わず涙してしまったのだという。
孤独死する人には、離婚後の男性が多い。しかし、女性も、離婚や恋愛などでダメージを受けて、ゴミ屋敷化したり不摂生になったり、セルフネグレクトへ陥ってしまうケースが後を絶たない。離婚後、誰も支える人がいなくなり、孤立を深めた女性の大きな精神的ダメージは計り知れず、なんとも切なくて胸が苦しくなる。
4割を占める現役世代の孤独死
この女性のような現役世代の孤独死は決して珍しいことではない。
日本少額短期保険協会・孤独死対策委員会は、今年の5月17日に最新の孤独死レポートを発表した。
それによると、孤独死者の平均年齢は61歳で、さらに高齢者に満たない年齢での孤独死の割合は、5割を超え、20~50代は4割弱を占める。孤独死は現役世代の問題だという重い事実を示すものだ。男女比は、8対2。つまり、男性のほうが、圧倒的に多い。
孤独死者の第一発見者は、最も多いのが不動産管理会社、オーナーである。家賃の支払いが滞ったり、郵便物が溜まっていることに気づき、孤独死の発見につながる。また、近隣住民からの異臭や郵便物の滞留により、発覚するケースもあるらしい。
また、このレポートが極めて深刻な現実を突きつけているのは、近親者が本人を心配して孤独死を発見しているのではなく、職業上の関係者をはじめとする近親者以外の者が発見していることが多数を占めると指摘していることだろう。
つまり、故人が生前から親族や他者とのつながりが希薄で孤立し、たとえ亡くなったとしても、その臭いでしか遺体が発見されないというなんとも痛ましい現実が浮き彫りになる。
現役世代が離婚やパワハラなどでつまずくと、誰にも気づかれずに、そして誰からも手を差し伸べられることなく孤立し、健康状態の悪化などによって、ひっそりと命を閉じていく。
その実感は、昨年の夏から、実際に私が特殊清掃の業者とともに、孤独死現場に入り取材を重ねた内容と一致する。ふとした人生でのつまずきが、一気に本人を孤立へと追い込み、社会から隔絶したまま、孤立、孤独死してしまう。それは、私自身も含めて、誰の身にも起こりうることだ。
さらにこのレポートでは、孤独死が増える季節を割り出している。
1月、7月、8月が最も多く孤独死が発生するのだという。孤独死は、暑さと相関関係がある。
事実、梅雨明けから9月まで、特殊清掃業者はひっきりなしに稼働している。朝から夜まで夜通しで、働き続ける。
孤独死を3日以内に発見するのは4割
セルフネグレクトに陥った人の家はゴミやモノ屋敷などが多く、夏場はゴミも凄まじい熱を持つ。さらにエアコンをつけていなかったり、そもそもエアコンがなかったりなどで、熱を持ったゴミの中で、若くして息絶えてしまう。夏場は遺体の腐敗の進行が速いので、周囲が異様な臭いを察知し、警察や管理会社に通報し、遺体が見つかるのだ。
注目すべきなのは、孤独死の発見までの日数が17日とあまりに長いということだ。なんと、3日以内の発見はわずか4割にとどまっている。これは故人が生前、親族や友人などとつながりがなかったということを示している。さらに30日以上経過して発見される割合は、全体で14.3%にも上る。
実は、半年以上も遺体が発見されないという孤独死は、珍しいものではない。
私の取材では、30代の男性の遺体が3年間放置されていたというケースがあった。現役世代のため、地域の見守りもなく、本人が周囲から完全に孤立。さらに賃貸住宅でご近所付き合いもなく、部屋は離れ小島と化しており、家賃は口座から自動引き落としだったため、誰も異常に気づく者はおらず、長年発見されることがなかった。
遺体の腐敗は、蛆→蠅→蛹というループを何度も繰り返す。しかし、さすがにここまで経過してしまうと、遺体はミイラ化し、臭いそのものも減少し、発見することがさらに困難になる。
ある特殊清掃業者はこの現状について、「孤独死した人の部屋は、ゴミ屋敷だったり、まるで、そのお部屋だけが世間と隔絶されたりしたかのように、別世界になっている。周囲では、日常生活が営まれているのに、その人だけ存在しないかのような扱い。
でも、本人も生前は精神的にも肉体的にもおそらく、苦しんでいたという痕跡が見てとれるケースがほとんど。孤独死現場に携わるたびに、胸が張り裂けそうになる。孤独死対策においては、高齢者ではなく、現役世代こそが、最も目を向けるべき層だ」とため息を吐いた。
『超孤独死社会 特殊清掃の現場をたどる』(毎日新聞出版)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします
私の調査によると、わが国では1000万人が孤立状態にあり、団塊ジュニア、ゆとり世代が、実は最も孤立しているという世代でもある。
今後孤独死は、東京・練馬で起こった元農林水産事務次官の父親による長男刺殺事件で、注目を集めることになった「8050問題」(中高年の引きこもりを高齢の親が養っている状態)や、孤独死予備軍ともいえるロスジェネ世代の孤立の問題とも深くリンクしてくるだろう。
いまだ手つかずのままになっている現役世代の孤独死――。国などの行政機関がその実態把握に乗り出すのはもちろんのこと、社会の構成員である私たち、1人ひとりが、もっと目を向けていくことを切に願う。
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すべてがうまくいっていない
眞子さま(29)と婚約が内定している小室圭さん(29)が、4月8日に出された母・佳代さんと元婚約者との間の金銭トラブルを説明する文書への批判の声は依然として強い。さらに悪いことに、その後に提案した解決金の支払い提案についても評判は芳しくない。そういった国民の声に、眞子さまはショックを受けられているという。
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「宮内庁の人間と話していて、『やることなすことすべてがうまくいっていない』とこぼしていました。この事態は予想できなかったのかと聞くと、『できなくはなかったんですが……』と微妙な言い方をしていましたね」
と、宮内庁担当記者。
「今回の件に関して、眞子さまがかなりコミットされているので、好ましくない展開になることが想定されたとしても、強くお引止めすることは難しかったということでした。『これを出します。こういう風に発表します』となると、かしこまりましたとお答えする他ないというわけです」
実際、文書発表翌日の4月9日、秋篠宮家を支える加地隆治皇嗣職大夫が会見を行った際に、金銭トラブル報道が出た時から「眞子さまが相談に乗ってきた」ことに言及している。
結婚を前提にした交際をされるお二方なのだから、相談に乗るのは当然なのかもしれないが、
「小室さんにある種のうさん臭さを感じている国民が少なくないですから、解決していない金銭トラブルに眞子さまが首を突っ込まれてきたとみなされてしまうかもしれず、宮内庁としても本当に悩ましい展開のようです」
私が選んだ人が綴った文章
会見ではさらに、小室文書には佳代さんと元婚約者との間で話し合いをせずに金銭を渡して解決する選択を取らない方針が明記されているが、この方針について、「眞子さまの意向が大きかったと聞いている」ことが明かされた。加えて、眞子さまによる「今回発表された文書を読まれて、いろいろな経緯があったことを理解してくださる方がいらっしゃればありがたい」とのコメントも伝えられたのだった。
眞子さまは小室さんや、今回の文書に対してどのようにお考えになっていたのだろうか。
「そうですねえ、眞子さまの小室さんへの愛が相当深いことは間違いありません。今回の文書についても完成するのを眞子さまは心待ちにされていたようなのです。そして出来上がったのをご覧になって、私が選んだ人が綴った文章だけあって素晴らしいといった感想をお持ちになられたということでした。世の中では小室文書などと言われていますが、眞子さまご本人の思い入れがかなり詰め込まれた、圭さんとの合作のような感じなのかもしれません」
それだけに、世の中の反応の多くが好意的でないことに戸惑われているのだという。
「その後の解決金支払い提案についても、これを評価する声がほとんど聞こえてこないという風に認識されていて、憔悴しきりだということでした」
別の宮内庁担当記者にも聞いてみた。
「そもそも佳代さんと元婚約者とのトラブルについての説明文書なのだから、眞子さまの関与を公にする必要はなかったのでは、と指摘する宮内庁の人間はいましたね。ただ、それも結果論でしょう。加地さんが会見で言及するまでに、眞子さまの関与について話すべきか否かは慎重に検討されているはずですしね」
ピュアな性格が
では、小室文書は、どういう形を取るべきだったのだろうか。
「すでに指摘されていることなんでしょうけれど、小細工はなしで行くべきだったという意見が多かった。つまり、小室さんの誠実さや愛情が感じ取れる中身であればよかったのかなと。自分は未熟で、未熟ゆえに元婚約者の方に不信感を抱かれるような振舞いをしてきたかもしれないが……というような前提があり、金銭トラブルについては当事者あるいは代理人間で誠意をもって解決したいというようなものでしょうか」
秋篠宮さま、宮内庁長官、そして天皇陛下から、国民が祝福してくれる環境作りを求められてきたわけだが、
「説明の文書はそれとは真逆で、一貫して元婚約者を論破するようなスタンスになっています。宮内庁には眞子さまファンが多く、彼らの多くは眞子さまのことを『とてもピュアだ』と評していました。今回、金銭トラブルが結婚の障害となっていて、小室さん側に何ら落ち度はないのだから、その正当性を主張するのは当然だという考えにこだわられたきらいが見て取れますが、その点はピュアな部分が悪い風に出てしまったのかなあ、と思ってしまうんですよね」
デイリー新潮取材班
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果物を食べると太る、血糖値が上がりやすいと思っている人が多いのではないか。ただ最近では生活習慣病の予防・改善に活用できるといった研究も出てきた。果物の働きを知り、食生活にうまく取り入れたい。
果物は各種ビタミン、ミネラル、食物繊維などを豊富に含んでいることが多い。2017年改訂の「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」は果物が心臓病や脳卒中のリスクを減らす可能性があると示唆。グレープフルーツ、キウイフルーツ、ベリー類などの適量摂取を勧めている。
心臓病や脳卒中を誘発するのが動脈硬化だ。悪玉と呼ばれる「LDLコレステロール」は増えすぎると血管の壁に付いて動脈硬化の原因になるとされる。中性脂肪を気にする人も多いだろう。国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)健診部の小久保喜弘特任部長は「果物に含まれる食物繊維は脂質の吸収を抑える働きがある。また腸内環境を改善し、免疫力を高めることにも役立つ」と話す。
動脈硬化とも関係する高血圧は「万病のもと」と言われる。原因のひとつとしてナトリウム(塩分)の取り過ぎが挙げられる。果物にはカリウムを含むものが多い。「カリウムはナトリウムの排出を促すので、果物を適量食べるのは高血圧予防につながる」と小久保特任部長。カリウムが豊富なのはバナナやキウイフルーツだ。
年齢を重ねるなど様々な理由で体内に増えすぎた活性酸素は細胞を酸化させてダメージを与え、生活習慣病につながるとされる。動脈硬化も血液中でのLDLコレステロールの酸化で促進されるという。そこで注目したいのが柿やキウイフルーツに多いビタミンCをはじめとするビタミン類の抗酸化作用だ。
女子栄養大学栄養学部の林芙美准教授は「ビタミンだけでなく、ファイトケミカルにも抗酸化作用がある」と話す。ファイトケミカルとは植物由来の化学成分だ。ブドウのアントシアニンなどのポリフェノール類、スイカのリコピンなどのカロテノイド類が知られている。
こうした点を踏まえ、国が推進する健康づくりの取り組み「健康日本21」は1日に200グラム以上の果物摂取を目標とした。大きさによるが、ミカン、バナナ、キウイフルーツなら2個程度、リンゴや梨なら1個程度が可食部200グラムの目安だ。しかし19年実施の国民健康・栄養調査によると、1人当たりの1日平均摂取量は96.4グラムにとどまる。
摂取量が少ない原因のひとつに「果物は甘くて太りやすい」という思い込みがある。林准教授は「多くの果物は大部分が水分。カロリーの高い脂質もそれほど含まない。重さからするとカロリーは比較的少なく、適量摂取は肥満につながらない」と説明する。
「果物は血糖値を上げやすい」ともいうが、実際は多くが血糖値を上げにくいとされる。含まれる食物繊維に消化管での糖質の吸収を遅らせ、血糖値の急上昇を抑える作用があることなどによる。ただ「ジュースにして大量にとると血糖値が上がりやすい。市販のジュースは濃縮還元の過程で栄養素がかなり失われている。できるだけ生の果物を丸ごと食べてほしい」と小久保特任部長は指摘する。
最近の研究から血糖コントロールが必要な糖尿病患者にも適量の果物摂取が推奨されるようになった。林准教授は「糖尿病患者はグラムでなくカロリーで量を調整してほしい。病態にもよるが、1日に約80キロカロリー分が望ましい。イチゴなどカロリーが低い果物を選ぶとよい」と助言する。
みずみずしい果物は夏バテしやすい季節の水分補給にもおすすめ。上手に食べて健康維持に役立てたい。
(ライター 松田亜希子)