西さんの本です。まず3月のページを開いてみます。
3月は雛祭り。菱餅の流れで菱形の小さめの笹かれい。オレンジ色の子が見えるように腹側の白い方を上にして盛り付けます。子宝に恵まれますように。 そして二枚貝のはまぐりはお椀に。良い伴侶に巡り合いますように。 二品見ただけでうるうるしてきます。そして画像のお造り。美味しそうに撮れてませんが鯛とサヨリです。みどりの粒々は菜の花で昆布ジメにしてばらして散らしています。添えてある塩昆布でいただくのは、小さな女の子がいることや、着物を着ていることへの気遣いです
。たった何ページのなかに色々な気持ちを感じます。先人たちの想いや願い、感謝やはかなさ、清らかさや見栄。足りないようにも見える一つの器の中には、こんなにも!の世界です。
舟形の器を使ったお造り。流し雛の風習にならった遊び心です。