(ももとせ おいじたい)
われはいとはじ 恋は益すとも
(ま)
/大伴家持
―訳―
たとえあなたが百歳のおばあ
ちゃんになって
歯が抜けて舌を出すように
なっても
よぼよぼに腰が曲がって
しまっても
僕はあなたを嫌ったりしない
どんどん好きになることは
あっても
◇生涯で好きになるヒトは一人
いちずに・・・・。
今日は、バレンタインデーだ。
僕が、初めて「デート」らしき
ものを体験したのは、高校一年
生のときのこと。日曜日の午前
十一時に待ち合わせて、映画を
見て、ちょっと遅めのランチを
食べて、公園を散歩して、お茶
を飲んで、夕方六時ごろ「今日
はとても楽しかった。どうもあ
りがとう」—という、まことに
ありふれた展開だった。
けれど、どんなにありふれてい
ようと、本人にとっては生まれ
て初めてのこと。すべてドキド
キしていた。そしてそのとき、
僕がもっとも恐れていたのは
「沈黙」だった。
学校でみんないるときは、い
くらでもバカな話ができるのに、
いざ二人きりになってしまう
と、何を話したらいいのか、わ
からないっ!どうしよう!つま
らない人だって思われているか
も。どうしよう」と、一人で
パニックになってしまうのだ
った。沈黙の初心者、である。
年齢と経験を重ねてくると、さ
すがにそういうパニックにはな
らない。そしてだんだん「沈黙
」にもいろいろある、といこと
がわかるようになった。単純に、
しゃべることがなくて退屈な沈
黙もあれば、言葉などなくても
わかりあえる、という自信に満
ちた沈黙もあるだろう。
二人のあいだで、話が弾んでい
るときは、誰だって楽しい。が、
「しーん」としたときに、どん
な種類の沈黙が訪れるか。それ
によって、二人の関係の深さ浅
さが測られる。この歌は、最上
の沈黙を歌ったものでありたい。
「形なきもの」とはなんだろう。
心、時間、記憶、思い・・・・
そういう目に見えないものを信
じ、それを分かち合うところか
ら、愛ははじまる。
二人でいることそのものが、充
実した沈黙を生み出している。
そしてさらに、「育てゆくべし」
という言葉は、現状維持ではな
く、より豊かにしていくという
ことだ。
そこには、今の充実に満足して
しまうのではなく、より深く結
ばれようという、愛への決意だ。
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