それはどちらが小さくて
どちらがどちらだか見間違う
ほど
どちらかが輝いているわけ
でもなく
どちらが重たいわけでもなく
それはごくあるふれた
けしの実のような小さな種
じつはふたつは同じもの
花が咲かなくては何の花だか
わからない
きっとそんなようなもの
どちらがどちらだか見間違う
ほど
どちらかが輝いているわけ
でもなく
どちらが重たいわけでもなく
それはごくあるふれた
けしの実のような小さな種
じつはふたつは同じもの
花が咲かなくては何の花だか
わからない
きっとそんなようなもの
二人の関係の進み具合(?)を
訪ねるとき、とりあえず「もう、
手ぐらい握ったの?」と言い方が
よくされる。つまり「手を握る」
は、異性として相手に惹かれて
いることを示すはじめの第一歩
なのだ。
もちろん、何が第一歩かは、時
代や文化によってさまざま。
「顔を見せる」や「名前を教え
る」が、第一歩どころか最終
段階に近い国や時代もあるし、
「キスをする」でさえ、ただの
挨拶の場合もある。が、おお
むね近・現代の日本では「手を
握る」だろう。
はじめて、異性として意識した
行動をとるには、やはりそれな
りの勇気がいる。たいてい男性
がリードすることになるわけだ
が、「えっ、私はそんなつもりじ
ゃありません」と拒絶される恐
れもある。彼女が本当にイヤな
場合もあるだろうが(その時は、
あきらめるしかない)恥ずかし
さや照れくささから、そういう
言葉を口にしてしまうこともあ
るだろう。
だから、はじめの第一歩のタイ
ミングは大切だ。さりげない感
じ「ふっと」そうなれたら、い
い。つまり、「段取り」ではなく
て、自然にお互いの気持ちが寄
り添って、そうなれたら、すごく
いい。
指先だけでなくて、彼女の心ま
でが温められるような、そんな
感じが上の句だ。そして、それ
以降、二人は折りにふれ、指と
指を絡ませることができるよう
になった。もちろん「冷たくな
い?」なんて口実は抜きにして。