対馬北部の比田勝港で出国審査を終え、釜山行き高速船「KJ145コビー」に乗り込んだのは午後4時過ぎ。ほぼ満席だったが、この船の座椅子が大きく、高級感は疲れをとる安らぎの場だった。約50キロを1時間程度だから、平均時速50㎞となる計算だが、湾外は60㎞位で航行しているものと思われる。揺れはなく飛行機程度の振動で乗り心地が良いのに驚いた。
滑る様に釜山港に入港。視界いっぱいにコンテナヤードが並びコンテナ船が往来をしている。年間コンテナ取扱量は1400万TEUを超え、世界第5位の取扱高である。東京は420万TEUで世界第25位に甘んじている。実に東京3倍の取扱高である。しかし、ここに酒田港からも週3便、どのあたりの埠頭か分からないけれど、定期コンテナ船が入港してるんだと思うと妙に近親感を感じた。日本からは、57港週61便が定期コンテナ船として入港していると言う。
岸壁に近づくにつれ、釜山に所狭し並ぶ高層ビルが目に飛び込んできた。人口341万人、韓国第2の都市である。1時間前の対馬とは対照的な場面に遭遇した気がした。船内はほとんど韓国語で、船内アナウンスは韓国語と、下手な日本語の二か国語の案内であった。船窓からは全形が見えない程の大型フェリー船のそばを通り、高速船は釜山港に着いた。人垣で溢れる釜山港の活気を肌で感じつつ日韓の複雑な想いを自身で確かめてみたいと思った。明日は在釜山日本総領事松井貞夫氏を訪問の予定である。
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