農政の大転換を受けて、14年産米の作付座談会が各集落で一斉に始まった。18年度までの経過措置はとるものの、それ以降は農業、特に水田稲作の自立が求められている。土地利用型の稲作は、国土に与える影響が大きく、その方向によっては日本の根幹が崩れる危険性もはらんでいる。
農水省が今年示した4つの改革がある。個別にみると先ず、飼料用米400万トンを主食用米と置き換えるとしている。根拠は飼料用輸入穀物は1000万トン。その450万トンはトウモロコシと置き換えられると見ている。家畜の餌は、当然肉質に大きな影響を与える。飼料用米をどの時期に、どの程度与えるかは畜産農家のマル秘に近い技術である。農水省の荒い議論は机上プランの粋を出ていない。
水田フル活用交付金として、飼料用米作付に特化している。インセンテブを働かせるため、収量に応じた交付金の配分は、標準反収を基準に10a当たり8万円とし、増減収によって1キロ167円を変動させ、最低5万5千円から最高10万5千円としている。ただし、需要があっての計算である。
飼料用米を400万トン生産するには70万haが必要になる。仮に10a当たり8万円の交付金が支払われると、5千6百億円の財源が必要で、継続性と農業他部門へのしわ寄せが疑問となる。主食用米の半分が飼料用米に変わる計算にもなり、産地形成も大きく変わる事になる。
米以外の作物への誘導策や成功例推奨は相変わらずである。やっと出来た産地形成が、供給過剰で値崩れし、崩壊する愚策は厳禁である。農政の取るべき道は、海外も含めた市場開拓が必須で、需要さえ増えれば里山農業は守れる。日本の隅々まで血流が届く農村を期待したい。
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