さざなみいんこ どっとこむ

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サザナミについての考察 その6 と 豆ちゃん

2011-07-12 16:00:14 | サザナミインコ
「サザナミについての考察 その6」は豆ちゃんに関する遺伝因子についての研究なので、+豆ちゃんとなりました。
豆ちゃんは、その後、順調に成長して 今では、兄弟の中で一番体重が重い65gになりました。
以前の未熟児だった面影は全くありません。
しかし、他の仔と比べると、成長スピードは依然として遅い様に思います。


このカラーは、お顔はSL DF/SFグレイウイング グリーンの様に見えますが、体の羽を見るとオリーブに近い発色をしており、かなり黄色っぽく見えます。
遺伝的には、ダーク因子が1つ少ないので、オリーブやモーヴは出ないはずです。
そこで、豆ちゃんの兄弟を見てみましょう。


この仔はSL DF/SFグレイウイング ブルーです。
母親に似た発色になっています。
里親さまのご希望で、DNA性別鑑定検査を行う予定です。


この仔が、一番上の仔でSL DF/SFグレイウイング コバルトです。
お顔と頭・胸の部分はコバルトが薄っすらと出ておりますが、羽はグレイと白です。
コバルトとモーヴの中間的な色合いとなっています。
ブルー因子2とダーク因子1.5と言う感じです。

さて、それではこの仔達の親鳥を見てみましょう。

雄親は、当湘南ファーム産まれのDFミスティグリーンで雌親はSL SFグレイウイング ブルーです。
ミスティグリーンは、通常のグリーンやダークグリーンと異なり、からし色で黒の部分が退色して、薄くなっています。

今回の考察テーマは、このミスティグリーンがどうやらシナモン グリーンと呼ばれるシナモン因子を持ったサザナミと同一では無いかと言うことです。

サザナミインコのシナモン因子は、古くから知られておりましたが、実際にその因子を所有したサザナミはあまり知られておりません。唯一その変異が知られているのが、レースウィングでした。

この度、Mr.Jim Haywardの「MANUAL of COLOUR BREEDING:LINEOLATED PARRAKEET SUPPLEMENT」に掲載されておりますCinnamonが付いた品種は、全てシナモン因子を持ったものだと思われます。
これによると、クリームイノタイプのレースウィングをCinnamon Creamino、ルチノータイプのレースウィングをCinnamon Lutinoと記載致しております。

また、ミスティグリーンをCinnamon Green、ミスティブルーをCinnamon Marineと表記しております。
その他にもCinnamon Olive Green、Cinnamon Slate Marineなどが掲載されています。
何れも、ミスティの特徴である黒色が薄く退色することと、ベースカラーが15~20%薄く発色すると言う共通点があります。
従って、シナモン因子の影響で、全体的に色が薄く発色すると言うのは間違い無いものだと思われます。

シナモン因子は、性染色体劣勢遺伝(SLR)で伴性遺伝となります。
遺伝的には、イノ因子と同じ振る舞いとなります。
従って、雌(♀)の鳥にはスプリットが存在しません。
また、シナモン因子に対してイノ因子がスプリットすることもありませんが、シナモン因子とイノ因子との連鎖による遺伝子の組み換えが起こり、上記のレースウィングが発生します。

これらのことより、豆ちゃんとその兄弟もシナモン因子を保有している可能性があります。
豆ちゃんはもう少し大きくなって、羽が生え揃わないと何とも言えません。
兄弟のSL DF/SFグレイウイング コバルトはその発色から通常と異なるので、シナモン因子の影響かも知れません。
SL DF/SFグレイウイング ブルーは外見上は判りませんが、雄(♂)の場合はスプリットでシナモン因子を保有している可能性はあります。

これからも、豆ちゃんが成長して、どんな色になるかご期待下さい。

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コメント
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