さて、あぶり餅の次にむかいましたのは承天閣(じょうてんかく)美術館。
目的は、開催中の「岩澤重夫展」です。
この美術館は相国寺(しょうこくじ)が運営しておりまして、金閣や銀閣もこのお寺さんが管理されています。
なので、金閣に描かれた伊藤若冲(じゃくちゅう)の障壁画が展示されていたりと、見ごたえがあります。
岩澤重夫展も素晴らしい内容でした。
堂本印象に師事した日本画家で、大分県の出身です。
その作風は千変万化。
現代アートばりばりの作品や、たおやかな花の絵、抽象的なデザインのような絵、
細密で写実的な絵などなど、見ていて飽きません。
特に印象深かったのは、「天水悠々」という2003年の作品。
(「岩澤重夫展」の文字をクリック。リンク先のチラシ裏、右下にある絵ですね)
繊細な色彩と豪快な筆致があいまって、清冽で空気の引き締まるような作品でした。
まさに名品。
ところでみなさん、分かりました?
これ、富山県の立山にある「称名滝」を描いているのです!
ついうれしくて、美術館の売店の人や、タクシーの運転手に自慢するわれわれ。
宇奈月温泉の宣伝もしつつ、閉館の音楽がながれる美術館を後にしたのでした。
境内には梅が美しく咲いておりました。
そういえば出発前は天気を心配していたのですが、快晴ではないものの雨や雪も降らず、
それほど寒くもなく、なかなか恵まれた日程でした。
ここでいったんホテルにチェックインすることに。
タクシーにのってホテルへむかう車中で、運転手さんにおすすめのラーメン屋さんをきく人が。
ホテルは京都駅の南だったので、その近くにある、2軒並んだラーメン屋さんを教えてくれました。
2軒並んだ?・・・どっかで聞いたような。そう、あぶり餅のお店もそうでしたね。(正しくは向かい合わせですが)
ふむ、2軒が競いあうのは相乗効果を生み出して繁盛すのかもしれません。
タクシーでそのラーメン屋さんの前を通過したところ10人くらい並んでいました。
なお、むかって左のお店は深夜2時まで営業して、朝5時からオープンとのこと。(このとき、必ず行こうと決意した
人がいることをわれわれは知る由もなかった・・・なんてことはないのですが)
さて、ホテルに荷物を置いてタクシーで祇園に。
夕食会場は「豆寅」(まめとら)さんです。
さすが祇園。いい雰囲気です。
それぞれのお店には、共通の赤くて丸い提灯がともっていて、いい感じ。
これも宇奈月で真似できるのではないかしらん。
では、いよいよ、おまちかね。
一日おつかれさまでした。かんぱ~い。
白味噌仕立ての椀。あまくておいしいです。
海老のねりものを湯葉で包んで揚げたもの。お塩でいただきます。これもおいしいよ~。
ちょーかわいい、ちいさなお寿司。ちょーおいしいです。
左下の黒いのは昆布です。ちなみに右上は茗荷(みょうが)、貝ではありませんよ。
ぷりぷりのわらびもち。黒文字で切れないほどの弾力。すごく、おいしいです。
(お品はこれが全部ではありません。念のため申し添えます)
(あ、ついでに申し上げますが、交通費や宿泊費や食費など、旅の費用は全部自腹ですよ!)
なんだかんだいっても、やっぱり人はおいしい食べ物にひきつけられ、
記憶にものこるものですね~。
おいしいものを食べてご機嫌のわれわれは腹ごなしに夜の京都を散策することに。
白川(しらかわ)にかかる巽橋(たつみばし)をめざします。(ドラマ?で有名だそうです)
おしゃれで落ち着いたお店を川向こうに見つつ、ほろほろと歩くわれわれ。
宇奈月温泉もこんな風にお店とかあったら素敵なのにね~などと話しつつ、
やや迷いながらも数分で到着しました。
隣には小さな辰巳大明神のお社があって、きれいな路地がいくつもつながっており、
昔ながらの情緒あふれるしっとりとした場所です。
名残惜しいですが、京の街の夜の風情を味わいつつ、宿にもどることといたしました。
清水へ祇園をよぎる櫻月夜こよひ逢ふ人みなうつくしき 与謝野晶子