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交流のピアノ

2018年03月12日 | オープンギャラリー

現在、2Fオープンギャラリーには、月光荘との「交流のピアノ」が置かれています。

「月光荘」が戦中から戦後にかけ、宇奈月温泉に疎開していた際に使われていたグランドピアノ。

創業100年、そして黒部川開発100年を記念し、昨年黒部市に寄贈されました。

 

 

「友を呼ぶホルン」のトレードマークでおなじみである「月光荘」。

月光荘は、「月光荘おじさん」と呼ばれていた、富山県上市町出身でもある、

「橋本兵藏」さんが、1917年東京・新宿に創業した老舗の画材店です。

歌人の与謝野鉄幹、晶子ご夫婦に可愛がられた橋本さん。

 

  大空の月の中より君来しや  ひるも光ぬ夜も光ぬ

 

と詠んで名付けたのが「月光荘」の名の由来だそうです。

店には、グランドピアノやアコーディオン、ギターなどもあり、

出入りする芸術家や文化人が演奏していったそうです。

橋本さんは戦時中、宇奈月温泉に絵の具や画材を製造する工場と自宅を構えていました。

宇奈月温泉を若い画家たちの理想郷にしようと、自宅に画家が滞在するための部屋を設け、

ピアノなどを移しました。

終戦の翌年、宇奈月温泉は大火に見舞われましたが、自宅などは焼失を免れました。

焼失してしまった内山小学校宇奈月分教場の子どもたちのために、

自宅を開放し、音楽を学ぶ場を作ったそうです。

授業では、このグランドピアノが使われました。

 

月光荘は、1948年銀座にて店を再開。その後、グランドピアノは30年ほど店舗におかれ、

橋本さんの自宅に移されました。

3代目店主、日比康造さんが昨年、宇奈月温泉に訪れ、黒部開発100年を記念し、

黒部市に寄贈することを申し出されました。

 

 

 

様々な歴史をたどってきた交流のピアノ。

今後も美しい音色を奏でていきます。

  

 白い鍵盤は、象牙が使われています。鍵盤をたたくと、「すぅー」と音が空間に広がります。

ピアノの傷には、歴史を感じます。

弾いたり、鑑賞したり。ピアノと接していると、

ピアノが奏でる穏やかな時間のことを考えたり、人のあたたかみなどをおぼえます。

 

 

黒部市宇奈月国際会館・セレネ美術館

富山県黒部市宇奈月温泉6-3

TEL0765-62-2000 セレネHP

雑貨コーナーには、写真でおみせした「月光荘」商品が置いてあります。

人気の8B鉛筆や、スケッチブックなどがあります。