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総湯 忘れ去られたものたち展

2018年04月15日 | スタッフ独り言

「宇奈月温泉総湯」の1Fフリースペースでは、

「忘れ去られたものたち展」が行われています。

セレネが協力していて、企画展示をスタッフが行いました。

展示されているものは、「使い終わった切手やカレンダー」。

いったいそれは?どういう展示?

ちょっと興味を持った方は、ぜひ、総湯にいってみましょう。

 

 

 

使い終わった切手やカレンダー。

 

捨てようと、手に取って、

ふと、改めてみると。「なんだかいいなぁ」。

そう思って、切り抜いて、部屋に飾っておいたりしたことはありませんか?

 

物としての役目を終えた物は、

ただの使い道のない「もの」となってしまいますが、

そういうものには、なぜか、どこか「懐かしさ」など、

人の心を揺さぶる何かが残っていたりします。

 

このような廃品に眼をむけて、展示をしたり、作品や商品にしたりすることは、

現在では、よくみられることがあるかと思います。

もとをたどると、芸術運動からきていて、1960・70年代、イタリアの「アルテ・ポーヴェラ」などが有名です。

廃品などの工業製品を利用して作品制作を行ったのが、アルテ・ポーヴェラの作家たち。

その「アルテ・ポーヴェラ」も「もの派」から影響を受けています。

「もの派」は、日本の芸術運動です。そう、もとをたどると日本人の芸術家が立役者なんですね。

もの派の作家が作り出す作品は、シンプルですが、超かっこいい。

例えば、作品は、床に大きいぶあつい錆びた鉄板がおいてあり、

その上に大きな岩がおいてあるだけだったりするのですが、

みるものは、「もの」の重みや、緊張感、迫力にあっとうされます。

ものとものとの展示構成が、ものすごく匠。ちょっと、京都のお寺の庭などを連想しますね。

「もの派」といえば、関西の印象があります。

関西圏の美術館には、もの派やその影響をうけた作品がたくさんあったり、

公共の施設、街中にそっと、それらしい作品がみれたりします。

 

総湯での展示は、そんなものとものとの配置が巧みに構成されています。

ちょっとしたカレンダーのページにも、選択をして、よりよくみえるように配慮しました。

全体は、ボックスアートのように、なんだかほっこりするようなものになっています。

総湯には、ぴったりですね。

 

エッシャーのカレンダー?がキューブになっていて素敵です。

 

展示をみていると、「ジョセフ・コーネル」の作品をちょっと、思い出します。

ジョセフ・コーネルは、ボックスアートの立役者。

雑貨、ギャラリーにおいてある作家の作品など、

みなジョセフ・コーネルに影響を受けたといってもおかしくはないでしょう。

なぜなら、参考にしたのは、ジョセフ・コーネルの作品か、影響を受けた作家の作品がほとんどかと思います。

ボックスアートの作品は、コーネル以外の作家も作りましたが、

日常品を使い、しかも洗練された作品は、わかりやすく、また、

誰もが欲しがり、制作してもみたくなるものでありました。

当の本人は、学校で美術を学んだわけでもなく、独学。芸術運動とは無縁でした。

人ともあまり接することなく、仕事を終えると自宅にこもり、集めた古めかしい日常品を、

箱に美しく構成する作業を繰り返しました。

時々、好きな女性に作品を送り、嫌がられたり、逆に喜ばれたり。ちょっと、かわった人。。?

興味のある方は、検索してみて下さい。

作品は美しく、穏やかな気持ちになります。

 

 

黒部市宇奈月国際会館・セレネ美術館

富山県黒部市宇奈月温泉6-3

TEL0765-62-2000 セレネHP

セレネの前は、まだ桜が咲いています。昨年は、鳥の「ウソ」に食べられ、咲きませんでした。

「ウソ」は古語で、「口笛」を意味します。「ヒーホー」と口笛みたいになく鳥です。

今年は、「ウソ」もお腹がいっぱいだったのかな。

 

雨の日は、セレネに。カフェで休みませんか?

カフェの窓辺には、双眼鏡がおいてあり、山の景色や動物を眺めて楽しむこともできます。