詩絵里(★シェリー★)の星の囁き達

尾崎詩絵里(★シェリー★)の自作恋愛小説及びポエム、写真専用部屋です。掲載文の引用、転載は固くお断りいたします。

恋愛小説「途中下車」NO.107

2012年01月05日 | 恋愛小説「途中下車」
恋愛小説「途中下車」は、作者が初めて掲載する、大人の恋愛を描いた小説であり、
文中に一部今までの小説とは違った、男女の恋愛描写が描かれている部分がございますので、ご了承の上お読みください。
また、この物語に関しては、長編小説初挑戦で現在作成途中のため、不定期に掲載される場合があります。
当小説は、作者のオリジナルフィクション物語であり、登場する人物、団体名は実在するものとは全く関係ありません。

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第四部第二十八章「事実」NO.107

「松井は、処女だ。」
あまりにも唐突な発言に、俺は一瞬あっけにとられた。
「だって・・・お前・・・あの時・・・」
「あぁ。俺は、あの時はその気だった。
お前が、気づいて部屋に入ってきたとき、どうしてもその・・・・
眠っていた松井の中には、はいれなかったので、そのフリをした。
悪い・・・・・こんな個別具体的な話はしたくないが・・・・
入れたのは指だけだ・・・
というか、どうやっても最後まで、入らなかった・・・・」

「嘘!!だって、高井君とそうなった朝、シーツに血が・・・・」
百合菜も信じられないように、俺を見つめる。

「あぁ・・・・百合菜、その後、生理始まらなかったか?たぶん、高井が言うには
予定日だったのか、ショックからかはわからないが、たぶん生理が始まったのだろうと・・・・」
百合菜は混乱の中で思案顔になる・・・・
そして
「あ・・・そういえば・・・」
百合菜も思い当たる節があったらしい。

高井の顔が思い出される。
「眠っていたから、とか、処女だったからとか・・・・
理由はわからないけど、松井の体は、かたくなにおれを拒んだ。
でも事実はどうでもよかった。あの時は、松井に俺達が、特別な関係になったと思い込ませれば・・・・」

「よ・・・よかった・・・」
百合菜が、俺の隣で、小さく嗚咽をもらした。

「もっと早く言いたかったんだが、なかなか松岡と二人で話しする機会もなかったし、
これから新婚旅行とかにいって、そういう雰囲気になったとき、松井がいやな思いをするのは忍びないからな・・・・本当にすまない。」
といって高井は、ふかぶかと俺に向かって頭を下げた。
俺は、百合菜がひとしきり泣くのを肩に手をおいたまま見守っていた。
「大丈夫?」
「うん・・・・おねえちゃんとの約束・・・守れた。」
というと百合菜は、宝石のような微笑みを浮かべたあと、

「最初が・・・裕樹でよかった。」
と俺の胸の中でつぶやいた。

そして
どちらかともなく俺達二人はくちびるを合わせた。


**第四部第二十九章「エピローグ」NO.108へつづく**
次回、最終回となります!

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恋愛ポエム~過去の恋~

2012年01月05日 | 恋愛ポエム
「過去の恋」
~オリジナルポエム~

頬を伝う冷たき物に気がついて
ふと我に返る私

曇天の空より舞い散る
白い純粋無垢な天使達

瞳を開いて空を見れば
ひらひら風に舞うように



私の心を凍てつかせる
時には悪魔に変わる天使達

あの人に逢いたい

心から熱き想いが
あふれでる


捨てられた空き缶が
迷子の犬のように
さまよう街角

肩にふと白い妖精が
舞い降りる哀しき世界

いつか一緒になろうねと
言った言葉も気持ちも溶け出して
今は冷たき水の中

いくら涙を流しても
過ぎ去りし日々は
もう戻らぬ

人はみな
失ったときには気づかずに
たくさんの
大切な落し物を
してきている

帰ろうかあなたのところへ
きっと何も言わずに
抱きしめてくれる

帰ろうかあなたのところへ
過去の傷もいやしてくれる
私の頬を包んでくれる


でも
時計の針は戻らない
二人別の道を歩き出したあのときから
二人の間に
振り出した吹雪のごとき
白き雪は


もう二度と
二人の心に熱き火を
灯すことを許さぬのだから・・





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