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詩絵里(★シェリー★)の星の囁き達

尾崎詩絵里(★シェリー★)の自作恋愛小説及びポエム、写真専用部屋です。掲載文の引用、転載は固くお断りいたします。

「悪魔に魂を売った女 沙羅」NO.7~「潮騒」続編

2010年12月15日 | 小説「悪魔に魂を売った女 沙羅」
この小説は、オリジナルストーリーで完全なフィクションです。
WEB公開するのを直前までためらった
通常の作者とはかなり異なるタッチの小説になっております。

ご了承の上、お読みください。

前作のシナリオ風小説「潮騒」の続編になります。
「潮騒」をお読みになっていらっしゃらない方は下記からお願いいたします。

http://blog.goo.ne.jp/sherry0324/e/f03e0f2b4a27e49ae5f0485daa09d4a0


「悪魔に魂を売った女 沙羅」第一回目は下記からお願いいたします。

http://blog.goo.ne.jp/sherry0324/e/2894361143b5bb47631d6480c47ce838


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第十章 レッド

その頃小百合達の住んでいるマンションでは・・・・

ガチャリという音がしたので、小百合は、駿がかえってきたのだと思い、玄関に飛び出していった。

そこには駿ではなく、髪の毛を赤色や金色に染めた、柄の悪い連中が3人程立っていた。

「へぇ~思ったよりかわいいじゃん」「結構抱き心地よさそ~」「ひゅー!!」

「なんですか?あなた達は・・・・」

「お姉ちゃんをもて遊んでくれって君の彼氏から頼まれたわけ・・・このごろぜんぜんできてなくて彼女が欲求不満だからってね」というなり、靴をぬぎすて男3人は部屋のずんずん中に入ってきた。

確かにあんな写真が掲載されてから、小百合と駿はまた、いつカメラに狙われるかわからないので、お風呂は近くのスパを利用し、そして抱き合うこともなくなった。

「さてといきますか」「やりますか」
男達はニヤニヤと口元に卑猥な微笑みを浮かべ、そう言うがはやいか小百合を部屋の真中に押し倒してめいめいが小百合の洋服を破り始めた。

「やめて!!!!!駿!!助けて!!!」

三人の男の中でもリーダー格の真っ赤のシャツを着たの男が、小百合の口を抑え、ハンカチで簡易な猿轡をつくりふさいだ・・・・・・小百合はあっという間にあられもない格好にされていた。
小百合はやれるだけの抵抗をしようとしたが、大の男三人の前では無駄な抵抗だった。
二人の男に体中を触られ、順番に暴行され、もう一人の男がビデオと写真をとりまくっていた。
「今、この映像、生放送でインターネットに配信されてるんだぜ・・・うれしいだろう・・・もっともっと感じろよ!もっともっと嫌がれよ!!」というと近くに置いてあるパソコンの画面をうれしそうに指差した。

小百合は、その場で舌を噛んで死にたかったが、猿轡をはめられていたためそれもできなかった。

3人にめいめい乱暴をされ・・・・事がすむと男達は立ち上がった。

「こんな気持ちいいことさせてくれたお前の彼氏に感謝だな!合鍵は俺達が彼氏にちゃんと返しておいてやるよ」と言い、満足そうな顔をして出て行った。

小百合は、自分の体を抱きしめてさめざめと泣くしかなかった。
何故、男達が合鍵を持っていたのかわからなかったが、駿がこんなひどいことを依頼するはずと小百合は信じていた。

(どうして私がこんな目にあわなきゃならないの・・・・?それより駿がこのことを知ったら)

そう思うと小百合は、まずシャワーを浴びて身だしなみを整えた、何度か小百合が反抗をしたために何箇所か殴られてできたあざについては、ファンデーションで隠した。


しばらくすると駿が真っ青な顔で帰ってきた。

「沙羅ともう一度やり直したかったら、まず小百合を片付けなくては・・・・・大丈夫もう手はうってある
くくくく・・・・・」


駿の心の中ではあのからすのように真っ黒な不気味な男の声がこだましていた。

(小百合ごめん。俺にはもうこんな生活耐えられないし、沙羅が生きていたのだから、一生をかけて沙羅にしてしまった罪の償いを・・・・・いや・・・・・沙羅を俺はまだ愛しているんだ・・・・きっと)

「お・・・・・おかえりなさい。」と小百合はひきつってはいたが、今できる最大の努力したお笑顔で駿を向かいいれた。

ぱさ・・・・・駿は、茶色の封筒を床に落とした。

そこには、たくさんの写真が・・・そう、さっき、小百合があの3人にそれぞれ陵辱されている写真が、いろいろな角度から20枚ほど撮ってあった。

「これはなんだ・・・」駿は硬い表情のまま小百合に訊いた。

角度によっては、小百合が嫌がっているのではなくむしろ喜び、感じているように思える写真もあった。

頭の中が真っ白になった。あの人たちもう写真を・・・

一枚の紙がはいっていた。

「ブログにアップするから楽しみにしていてね・・・・すごくよかったよ。めちゃくちゃ感じてくれて俺達もうれしかったけど・・・・・ね・・・結構淫乱な小百合ちゃん・・・」

小百合は、泣き崩れた・・・・・・本当は抱きしめてあげたかったが、駿は沙羅のことを考えぐっと我慢をしたてこらえた。

「もう無理だ。別れよう・・・・・このままじゃ・・・・俺達おかしくなっちゃうよ・・・二人とも」

「いや!!!こんな私を今一人にしないで!!!!!」

「それなら・・・・・」といい、駿はごくりとつばを飲み込んだ

しばらく互いに無言のまま見つめあった。

「一緒に死のう・・・・小百合だってこんな風にされた体で生きていけないだろう・・・・・
鍵を変えても、すぐにはいられる。またいつ男達にもてあそばれるかわからない。
ましてや、こんな写真がブログに掲載されたのを君のご両親が知ったら・・・・」

「・・・・・・・・」

しばらく小百合はほうけた顔をしていた。駿の言っていることがうまく頭の中で理解できなかった。

「駿も一緒に死んでくれるの?」

「もちろん。小百合を一人にはできないだろう・・・・寂しがりやなんだから・・・・」

(沙羅もさみしがりやだった。どんなに俺が沙羅にさよならをした後、心細かったんだろうか・・・・自分で自分の命を落とそうとするほどに・・・)

「情は持つな・・・・・情に流されるな・・・・おまえも十分あの女にはひどい目に合わされたんだぞ・・・恨むんだ・・・・憎いと思え・・・・・後はおれがうまくやってやるから・・・」

小百合の心細そうな顔を見て一瞬決意がひるんだ駿の頭の中にあの男と包帯でぐるぐる巻きになれたか細い沙羅の姿が浮かんだ。

「ありがとう・・・・駿・・・・でもどうやって?」

駿は粉薬を二袋ポケットから取り出した。

「これで苦しまずに死ねる。薬学部の親友にわけてもらったんだ・・・・・」

というと、二つのグラスに赤ワインを入れて粉薬を溶かした。

「一緒に飲み干そう・・・・・」

「でももしどっちかが生き延びたら・・・・?」

「小百合は俺のことが信じられないのか?」

というち駿はいきなり赤ワインを飲み干した。


バタン・・・と駿は倒れた。それをみて慌てて・・・・小百合もワインを飲み干した

体中が暑く苦しく・・・吐き気がした・・・・天井が回り、方向感覚がなくなってき。・やがて体中から力が抜けていくようになり・・・・
唇から・・・・・・・真紅の血が流れ出した・・・・・

「駿・・・・駿・・・・さようなら」

小さな二人が暮らしていた部屋に小百合と駿が重なり合うように倒れていた。

****つづく****

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「悪魔に魂を売った女 沙羅」NO.6~「潮騒」続編

2010年12月13日 | 小説「悪魔に魂を売った女 沙羅」
この小説は、オリジナルストーリーで完全なフィクションです。
WEB公開するのを直前までためらった
通常の作者とはかなり異なるタッチの小説になっております。

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前作のシナリオ風小説「潮騒」の続編になります。
「潮騒」をお読みになっていらっしゃらない方は下記からお願いいたします。

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「悪魔に魂を売った女 沙羅」第一回目は下記からお願いいたします。

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 第九章 シルバー

駿は、約束の時間よりも5分ほど早く、駅前の公園の噴水の前に来ていた。

時間ぴったりにシルバー色の車がハザードをつけ、駿の目の前で停まった。

車から全身を真っ黒に包んだやせこけた、からすのような男が出てきた。

「怖くないのか???」

「貴様が、俺達をこんな目に合わせたのか!!!」

「そんな口をきいていいのか?沙羅に会いたくないのか・・・・」

「沙羅は死んだんだ・・・・」

「遺体は見ていないだろう」

「・・・・・・・」

「今から沙羅に逢わせてやろう・・・・・でも小百合には内緒だ・・・・いいか?」

「嘘だ!!!沙羅が生きているなんて・・・・もうこれ以上俺達を苦しめないでくれ・・・」

「電話で言ったはずだ。信じるも信じないも君次第だと・・・・・・」

「・・・・・・・・逢いたい・・・・・逢って詫びたい」

「じゃあ・・・・このアイマスクをつけるんだ・・・・場所を知られたくないからな」

(もし、この男の言うことが、嘘で殺されてもいい・・・・もう疲れた・・・・でも俺が死んだら小百合は・・・・・・
もう俺には小百合を守る気力すら残っていないのかもしれない)

「わかった」
駿は男のいうとおり、素直にアイマスクをつけた」
車は1時間ほど走っていった。途中高速道路にのり、山道を走っているようだった。

男は、急に車をとめると

「ここで降りろ」

と指示をした。駿は、目隠しをされたまま、大きな館のようなところに連れて行かれた。

螺旋階段をあがって行き、二階の扉の前で「コンコン」とその男はドアをたたいた。

「はい・・・・・」とか細い女性の声が聞こえた。

駿には、その声に聞き覚えがあるような感じがした。

部屋に入ると目隠しをはずされた。暗めの部屋だったので、目が慣れるのに時間がかかった。

目が慣れてくると真っ白なシーツのしかれたベッドの上に一人の女性が、体中包帯でまかれた格好で横になっていた。

「デモン・・・デモンなの?」

「沙羅!!!本当に沙羅なのか?」

「その声は・・・・・・・・駿????」

「沙羅・・・沙羅、ごめん、ごめん・・・・・お・・俺が・・・・・ごめん」

駿はベッドに近寄ると包帯だらけの沙羅の体を抱きしめて泣き出した。

「沙羅、本当に俺・・すまない。でも一日も沙羅のことを忘れた日はなかったんだ・・・・信じてくれ・・・・もちろん許してほしいなんていわない。でも謝りたかった。沙羅、沙羅・・・・・愛している。」

駿は自分でもびっくりするほど自然に「愛している」いうことばが口をついてでた・・・・

「もういいよ駿・・・大丈夫よ・・・・・あなたを恨んでないわ・・・」

「沙羅・・・・ちょっと駿と話をしてくるから待っていてくれ・・・・また戻ってくるからな・・・・いい子に待っていてくれ」

というと駿とデモンは部屋を出て行った。部屋を出ると男は駿の方をまっすぐに見た。
その眼光は厳しくもあり、そして冷ややかであった。

「で・・・どうする・・・・このまま小百合と暮らすかそれとも俺との取引に応じるか・・・・・?この悪魔におまえの魂を売れるか・・・・・」

「さ・・・沙羅ともう一度一緒にいられるなら・・・・もう一度やり直せるのなら、なんでもやります。悪魔にでも地獄の鬼でもこんな俺の魂でよければくれてやります!!」

「わかった・・・」

というと男は駿に細かな指示を与え始めた

****つづく****

つづきはこちらから
http://blog.goo.ne.jp/sherry0324/e/37a29a1d91c684c0d8e4dfb3e3aeb40c

「悪魔に魂を売った女 沙羅」NO.5~「潮騒」続編

2010年12月12日 | 小説「悪魔に魂を売った女 沙羅」
この小説は、オリジナルストーリーで完全なフィクションです。
WEB公開するのを直前までためらった
通常の作者とはかなり異なるタッチの小説になっております。

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前作のシナリオ風小説「潮騒」の続編になります。
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「悪魔に魂を売った女 沙羅」第一回目は下記からお願いいたします。

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第八章 オレンジ



駿は夢をみていた。そう、一番最初に沙羅と一緒に部室に行ったときの夢を・・・・

駿と沙羅は予備校が一緒だった。大学のキャンパスで沙羅に再会した駿は、お互いにポエムを書くのが趣味だとわかったため、駿の入っていた「夢追い人」というサークルに沙羅を誘った。それは、ポエム、小説、それに対する写真、イラストで同人誌をつくっているサークルだった。
沙羅と駿は、部長である岡田先輩から頼まれた、それぞれの詩を持ち寄ってサークルの部室にやってきた。
そこで岡田先輩から他のメンバーを紹介してもらった。

岡田先輩「こちらが副部長の、佐々木エリカさん 僕と同じく大学4年生文学部 おもに小説が中心だよ。こちらが、イラスト担当の、後藤良哉君 経済学部の3年生だ。
そしてこちらが、写真担当の、上杉信也君 法律学部の3年生
そしてこちらの女性3人組が、小説やポエムを書いている」

春美「うち春野春美よ。よろしく・・・今年は新入部員がはいってくるかどうか心配やったからめっちゃうれしいわ・・私たち3人組は、全員文学部のフランス文学専攻」

夏美「私が夏野夏美・・・・どちらかというと過激なポエムが多いんだけどね(笑)」

冬美「私が冬野冬美・・・・これでも推理小説を書いているのよ・・・」

春美「これで秋野秋美がいれば春夏秋冬だったのにね(笑)」

駿・沙羅「よろしくお願いします。」



(あのときの沙羅の笑顔、沙羅の髪、沙羅の香り・・・・・すべてを思い出し、駿は胸を苦しめられた。
悪魔になっていてもいい・・・・もう一度、沙羅がもし生きているなら会って、詫びたい。
俺は、俺は卑怯な男だ・・・・こんな状態になっても小百合ではなく沙羅のことを考えているなんて・・・

違うずっと卑怯だったんだ・・・・小百合が何度も自殺未遂をして、小百合の両親とうちの両親に攻め立てられて・・・・・そして情にほだされ小百合を選んだんだ・・・

あの時俺は、小百合が好きだと思ったけれどそれは情だったんだ・・・・

沙羅・・・沙羅・・・・生きているなら会いたい・・・・
あってもう一度抱きしめたい)

二人で見た、海に沈む夕日、すべてがオレンジ色に染められて
そしてはじめてのキス・・・・・


「駿・・・・駿」寝ているとふいに小百合に起こされた。「どうした小百合」

「なんか寝言といって苦しそうだったから・・・・それに沙羅・・・沙羅・・・・って」

小百合は、怒るわけでもなく泣くわけでもなくさみしそうな顔でいった。

「馬鹿だな・・・・・死んでしまった人間にまでやきもちやくな・・・」といいながら小百合のおでこをこづいたが内心では(小百合さえいなければ沙羅は死ななかった。今俺の隣で眠っているのは、沙羅だったんだ・・・・・)とだんだん駿の心の中にどす黒いものが膨らんでいった。


ちょうどそんなときだったプルルル 新しい電話に変えたばかりの駿の携帯電話が鳴った。
着信は公衆電話からだった。

どうだい・・・・・小百合君との生活は幸せかい・・・・?もし沙羅が生きていたとしたらどうするかい?
会いたいかい・・・・?それとも会いたくないかい?
まあ・・・・ここでは、答えにくいだろうから、明日の18:00駅前の噴水で会おう・・・・・まあ・・・君さえよければだが・・・私の言葉を信じるか信じないかは君次第だよ・・・・私は、君の顔を知っているからこちらから声をかけよう・・・・ガチャリ」


男の声は、ハンカチで送話口をふさいでいるようなくぐもった声だった。
駿は少しの間、今電話をかけてきた男性の言っていたことを考え迷っていた。
(沙羅が生きているかもしれない????まさか????だめだ!だまされちゃ・・・でももし万が一でも生きているなら会いたい・・・・)

「どうしたの駿?」「いや間違い電話だ・・・・」
というと「ちょっと外の空気を吸ってくる」と言って外に駿はでていった。

駿は、近くの自動販売機でここ数年やめていたタバコを買い、胸の奥まで煙を吸い込んだ。

一人になりたかった。ともかく。学校に行っても、家に帰ってきてもずっと小百合の事で悩まされていた。もうこんな生活うんざりだった。誰かが嫌がらせをしているのだが、その正体がわからなければ反撃にさえ出られない。不気味な男としかわからないのでは、嫌がらせをとめることもできなかった。

(もし、沙羅が生きていたら沙羅に詫びて・・・・小百合と別れられるのか・・・・でももういやだ・・・
こんな生活も、小百合とのぎすぎすした関係も・・・・すべて投げ出して人生をやり直したい)

・・・・そう悪魔は、人間の一番心が弱っている時に、そっとそっと背後から近づき、人間の心の隙間に忍び込み、魂ごと人間悪魔に変えてしまうのであった。


*****つづく*****



「悪魔に魂を売った女 沙羅」NO.4~「潮騒」続編

2010年12月11日 | 小説「悪魔に魂を売った女 沙羅」
この小説は、オリジナルストーリーで完全なフィクションです。
WEB公開するのを直前までためらった
通常の作者とはかなり異なるタッチの小説になっております。

ご了承の上、お読みください。

前作のシナリオ風小説「潮騒」の続編になります。
「潮騒」をお読みになっていらっしゃらない方は下記からお願いいたします。

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「悪魔に魂を売った女 沙羅」第一回目は下記からお願いいたします。

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第七章 ホワイト

沙羅は、目をさますと自分が病院のベッドの上に寝かされていることに気がついた。

天井の白さが目についた。

「ここはどこ?」がばっと起きようとすると全身真っ黒の洋服を着て、青ざめた頬のこけた男がベッドに押し戻した。

「君は、海で自殺をしようとして、流されてきて、もうまる三日も寝ていたんだよ」
とその男はゆっくりと言った。

沙羅は、自分の腕を見ると、点滴と輸血をしていることに気が付いた。
そしてその青白い顔をした男の左腕には、痛々しいばんそうこうの後があった。

「この血はもしかしてあなたが輸血してくれたのですか? 私は・・・・」

「松岡沙羅さんだね。恋人にふられて、自殺をしようとしていたんだね。」

そういわれて沙羅は、駿と小百合の自分へのひどい仕打ちについて思い出した。
駿と沙羅はつきあっていたのに、幼馴染の小百合が、うつ病になり、同情した駿が、沙羅を捨て、小百合に走ったのであった。

「失礼ですが、あなたのお名前は」

「デモン。デーモンでもいい。漢字では、出るに門と書く。悪魔に魂を売った男だ。そして君にも僕の血が流れている。君も悪魔に心を売ったことになる」

と不気味な微笑をうかべながら、デモンは、沙羅に話し掛けた。

「わ・・私は、悪魔になんて魂は売りません」

「沙羅・・・目を閉じて・・・・私の声をよく聞くんだ・・・・おまえは本当は、駿と幸せになれるはずだった。それを山口小百合が邪魔をした。今あの二人は仲良く付き合っている。悔しくないか?恨みはないのか?心の奥深くの自分に聞いてみるんだ。恨め、恨んであいつらを苦しめるんだ。沙羅・・・・おまえが苦しんだように・・・・」と言うとデモンは沙羅に、小百合と駿が愛し合っている写真をPCで見せた。

「あいつらはこうやって自分達の熱愛ぶりをブログでみんなに公開までしているんだぞ。」

沙羅はその写真にショックをうけ気絶をし、倒れこんだ。

デモンは、沙羅をもう一度ベッドに戻すと言った。

「沙羅・・・・沙羅・・・・俺がおまえの代わりにあいつらに天罰を与えてやるからな・・

かわいそうに・・・・・」


ジェラシー(オリジナルポエム)By 沙羅

あの日の「愛している」の言葉は偽りだったの?
あの夜の甘い口付けは幻だったの?
あんなに愛し合っていたのに
あなたは、私の前から忽然と消えた

私にさよならの一言だけで

今あなたの隣で微笑んでいるのは
私とは似ていない
あなた好みの女性なの?

どうして
どうして

私じゃだめなの?

私の心は嫉妬の炎で燃え上がり
地獄の業火に焼かれるよう

ああ・・・あなたの愛をもう一度
取り戻せるなら

ああ・・・あなたと愛し合ったあの夜が
再びよみがえるなら・・・・・

私の魂を

悪魔に売りましょう・・・・


****つづく****




「悪魔に魂を売った女 沙羅」NO.3~「潮騒」続編

2010年12月10日 | 小説「悪魔に魂を売った女 沙羅」
この小説は、オリジナルストーリーで完全なフィクションです。
WEB公開するのを直前までためらった
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前作のシナリオ風小説「潮騒」の続編になります。
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第五章 イエロー


朝起きて、いつものように玄関をでると玄関のところに大きな文字で「人殺し」「このマンションから出ていけ」と書かれていた。

前回の猫の死体事件があってから駿が朝刊をとりに行くようにしていた。

そのまま、エレベータに乗り込むと

「1005号室の、秋吉さんと山口さんは結婚もしていないのに一緒に住んでいて、二人でいたいけな何の罪もない少女を殺した人殺しです。」

とエレベータの中の黄色いカレンダーに悪意のあるに黒い文字で書かれていた。


郵便受けはもっとひどいことになっていた。赤、青、黄色、緑のペンキで、それも様々な人間の筆跡で「人殺し」「出て行け」などど書かれてあった。

郵便受けを開けると、一枚の黄色い用紙にブログのURLが書いてあった。

急いで部屋に戻ってアクセスしてみると

「山口小百合の人殺しルーム」という題名のブログが掲載してあり、駿と沙羅がつきあっていたのに、小百合が、狂人のふりをして、沙羅から駿を取り戻し、ナイフで沙羅を脅しつけて、自殺に追い込んだというような内容がぎっしりと詳細に書かれていた。

小百合が、ガラスの破片を持っている鬼のような形相。沙羅のほうには、顔がわからないように目のところは黒くマスキングされていた。「スプラッターが好きな人、マーダー小百合に殺人依頼をどうぞ」と書いてあり、この間新しくしたばかりの小百合の携帯電話番号が記載されていた・・・・・

彼女さえいなければ彼女さえいなければおまえはこんな目にあわずにすんだんだ・・・・

あわててそのブログを削除しようとしてもパスワードもIDもわからないのでだめだった。
「くそ!!」駿は自分の力のなさを嘆き・・・・小百合は自失呆然としていた。



第六章 グレイ

その事件が会った後、小百合と駿はだんだん相手のことが信じられなくなりつつあった。

先日のブログは、管理元のプロバイダーに連絡をし、削除してもらったが、削除しても次々に違うプロバイダーでブログはアップされ、完全ないたちごっこだった。

俊と小百合の喧嘩も絶えず、小百合のブログの内容はどんどんエスカレートし、掲示板、コメント欄には人殺し、人でなしとの書き込みがたくさんあった。

どこで聞きつけたのか、アクセス数はうなぎのぼりでブログのランキング上位に名前があがり、また知らない人達がたくさんアクセスをしてくるという悪循環になっていた。

「小百合・・・このままじゃ俺達二人ともだめになってしまう。少し離れて暮らさないか?」

「駿・・・・駿は、私がこんな状況なのに見捨てて一人で逃げるの?」小百合は、駿の口からでた言葉が信じられなかった。

「でも、ブログの内容はどんどんエスカレートしているし、友人の話だとそれ以外にもあと10くらい小百合になりすましてのブログがあるらしい。ほとんどが、恋人(セフレ)募集と裸の写真。それと人殺しの依頼受けますという内容らしい。それに2chでは、小百合専門のスレまでできているとか・・この頃では、まあ・・・学校でも俺に話かけてくれる奴いなくなったから詳しいことはわからないけど・・・」

「私だって、全員から無視されているわよ・・・・先生にまで・・・・」

というと小百合は、両目からポロポロと涙を流した。

ピンポーン 1階の総合入り口のインターホンがなった。

「はい」と駿がでると

「宅急便です」といわれたので、とりあえず開錠した。

お届けものです。といわれて届いたのは、真っ黒なバラの花束だった。

グレイのメッセージカードには、真っ赤な文字で

一日早い誕生日に。 地獄の使者より

と書いてあった。

「これを依頼した人は誰ですか?」駿は口早に聞いたが、「電話での予約だったので。え・・・・と名前は、松岡沙羅さんって言っていたけど、くぐもったへんな男の人の声でしたよ・・・」

ガシャーン 小百合は、洗っていたお皿を床に落として割ってしまった。

「きゃあぁぁぁぁぁ!!やっぱり生きているのよ!あの女・・・あの女が・・・私を殺しにくるんだわ・・・
いや・・・・いや・・・・!!!!」

小百合は発狂したようになり、自分の髪の毛をかきむしり始めた。その姿はまるで幽霊を見た狂人のようだった。

「あの・・・・僕は帰っていいでしょうか」「あ・・・・すみません。ご苦労様でした」

宅急便屋を帰すと、割れたお皿の破片で血だらけになっている小百合の元に駿は向かった。

その瞬間駿は、昨年のあの血塗られたクリスマスの悪夢を思い出していた


クリスマスイブ・・・そして沙羅の誕生日。
彼女が、手料理を駿に作ってくれる約束だった。それなのに、チャイムがなって出るとそこには小百合が立っていて、無理やり部屋に入ってきた。
そしておもむろに洋服を脱ぎだし、「ここでいますぐ私を松岡さんにしたように抱いて!!」と叫んだ時、駿の部屋のチャイムがなった。

泣き顔で下着姿の小百合が静止する駿を押し切り、玄関にでていった。

沙羅は、驚きを隠せずに、その場で、ケーキ、料理の材料、プレゼントを落としてしまい、呆然と立ち尽くしていた。

小百合「帰って!!今日は、駿は、あなたじゃなく私と、私と・・・・」

駿「沙羅・・・・ごめん。ちょっと取り込んでいて・・・・・」

沙羅「ど・・・・・どういうこと」

ガシャン!!!!

小百合が、駿の携帯電話を窓に投げつけた。

小百合は、ガラスの破片をもつと手首に当てて、こういった。

小百合「駿・・・・今すぐここで私を抱いて・・・・じゃなければ、沙羅さんをこのガラスの破片でさして、私も死ぬわ・・・・・・・・」

駿「ごめん・・・・沙羅・・・・今日は帰ってくれ・・・・小百合は病気なんだ・・・お願いだ」

というと、駿は呆然とした沙羅の前で、ドアをバタンとしめた・・・・・・


小百合は真っ青な顔をしてがたがたと震えていた、しゃがみこみ自分で自分の肩をだき、目は血走り髪はかきむしったせいでボサボサだった。

「小百合・・・・・ごめん。やはりそばにいるよ。こうなったのも全部俺のせいだ・・・・
俺が、沙羅に対して思いやりがなかったから・・・・・だから沙羅は・・・沙羅は・・・・

まさか・・・沙羅は生きているのか?そんな馬鹿な・・・・」

「生きているのよ。松岡さんは、そして私に復讐をしているのよ」



「彼女さえいなければ彼女さえいなければ彼は・・彼は・・・・・・・」
そしてもうひとつの部屋の窓辺でほの白い姿が揺れていた。


****つづく****





「悪魔に魂を売った女 沙羅」NO.2~「潮騒」続編

2010年12月09日 | 小説「悪魔に魂を売った女 沙羅」
この小説は、オリジナルストーリーで完全なフィクションです。
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前作のシナリオ風小説「潮騒」の続編になります。
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「悪魔に魂を売った女 沙羅~潮騒続編~」第二回


第三章 BLUE

コンコン 「はい」ノックをして小百合は、英語の武田先生のところへ行った。
「学校にホームページがあるのは知っているわよね。」
「はい」
「普通そこの掲示板には、学校からの周知事項とか休講情報を載せる場所よ。
一般的に学生が書き込んでいいことではないはずよ。にもかかわらずなに?この書き込みは!!」

明らかに英語の武田先生は怒っていた。
武田先生に指差された学校の掲示板を見て小百合は真っ青になった。
「誰か私と遊ばない??セフレ募集中!!携帯の電話番号は・・・080-****-****」
と書いてあるところに小百合の顔写真が載っているのだった。

「わ・・・わたし知りません。だってこの掲示板に書き込むにはパスワードが必要だって・・・」
武田先生はわなわなと震え、顔を真っ赤にして怒鳴った。
「そのパスワードを推測してこんなみだらなことを!!!!まだ、学生オンリーが中心にみるところだからよかったけれども・・・・入学案内のところにこんなことをかかれた日には!!すぐに削除しなさい!!」

「せ・・先生・・・私じゃありません。だからパスワードもわからないし・・・」
小百合はぽろぽろと両目から涙を流した。

「このごろの女子学生は、泣けば何でも済むと思って・・今回だけは私が削除しておくけれど、すぐにここからでていって!!こんなふしだらなことを・・・我が校の恥よ!!」

小百合は泣きながら英語の研究室を飛び出した。そこで、ちょうど駿とぶつかった。
「小百合・・・・実は、俺も話を聞いて・・・・心配になってきてみたんだ・・・」

「駿・・・駿・・・駿・・・」小百合は小さな肩を震わせながら駿の胸のなかでむせび泣いた。


第四章 GREEN

「嫉妬・嫉妬・・・そう・・・私は、松岡さんに嫉妬をしていた。だから・・・駿をとられたくなかった。
で考えているうちに心がぼろぼろになって・・・・でも松岡さんにそんなひどい仕打ちをするつもりはなかった。彼女美人だったし、彼女のひそかな隠れファンの人がこんなひどいことをしているのかしら・・・・?それとも死体が浮き上がってきてないんだから、本人がまだ生きていて、私に復讐を?」

そう・・・沙羅は、岩場から飛び込んだがそこは潮の流れが早く、結局沙羅の死体は沖に流されてしまったのだろうということで、途中で捜索は打ち切られ、棺箱には、靴と遺書だけが入れられてお葬式はしめやかに行われたのであった。

「小百合!!沙羅はそんな女じゃない!!死んだ人の悪口を言うのははやめろ!!」
さすがの駿も昔、愛していた女性沙羅の悪口が小百合の口からでるのにはたえられなかった

「ごめんなさい。駿・・・でも、あまりにもショックで・・・・」

二人は、ちょうど中庭にでてきたところだった。

プルルルル・・・プルルルル・・・
ゼミの先輩からの着信だった。

「あ・・・小百合ちゃん?高橋だけど・・・秋吉君と別れたの?あの掲示板見て、是非、小百合ちゃんとお付き合いしたいって俺の友達が言っててさ・・・・電話してくれってうるさいんだよ」

「あ・・・高橋先輩・・・・すみません。あれは何かの間違いで・・・」

「え~そうなの・・・もう5人ぐらいから頼まれているのに・・・とりあえず、今日駅前のファミリーレストランのズーニーズにきてよ。5人紹介するから、好みの人は小百合ちゃんが選んでくれればいいから」

「だから・・・ごめんなさい。あれは誰かのいたずらで・・・私はまだ、秋吉君とつきあっています。」

「え・・・だったら、あんなブログやばくない???小百合ちゃんの結構すごい格好の写真たくさん載せているでしょ・・・・」

「ブログってなんのことですか?」

「まあ・・・いいや・・・・知りたかったらとりあえず、ズーニーズに17:00ね。秋吉君連れてきちゃだめだからね」と一方的に言うと高橋先輩は電話を切った。

小百合はもう何がなんだかわからずに頭がパニックになっていた。

小百合の話を聞くと、駿が一緒に行くといってきかなかったが、とりあえず、目の前の喫茶店で待っているということで落ち着いた。

17:00ジャストにズーニーズに入っていくと高橋先輩も含めて6人の男性が座っていた。
「小百合ちゃん!!こっち、こっち」
小百合は高橋に促されるまま真中の席に座った

6人はニヤニヤとしながら小百合の全身を見回した。
「写真よりかわいいじゃん」
「でも写真よりちょっと小柄ジャン」

小百合は自分の体を品定めするようにじろじろと見られ、腹がたちながらも、高橋先輩の方をまっすぐに見て聞いた。

「で・・・ブログってなんですか?」

「これこれ・・・赤いシャツを着て、にやけている茶パツ男性が、PCを立ち上げて小百合のブログと称するページを画面に映し出した。

「さゆりの覗き部屋・・・みんな遊びに来てね・・・実際に小百合と遊んでね」

プロフィール:山口小百合 英美大学2年生

スリーサイズ:85:60:89

好きなこと:男の人とするH

携帯電話番号:080-****-****

現在フリーで体が寂しいの・・・どんどん電話して小百合をもてあそんじゃってね・・・

という文書と同時に小百合の写真が何枚かはりつけてあるのと・・・、
小百合のバスシーンの隠し撮り、着替えシーンの隠し撮りのヌードの写真があった。
それ以外にも、明らかに合成と思われるAV女優のみだらな格好に小百合の顔写真だけはりつけたのがあった。

そして・・・・・・・一番ショックだったのが・・・・なんと駿と愛し合っている時の写真が何枚も隠し撮り(たぶんカメラは天井に設置されていたのであろう)が掲載されているのであった。

「ねぇねぇ・・・いいでしょ・・・この写真なんてたまらなくセクシー・・・で5人が候補者なんで順番に・・・どう?」

ガタン

小百合は、椅子を床に倒したまま店を飛び出し、駿のいるところまで、走っていった。

事情を聞いた俊は真っ青になり、小百合と一緒に自分のマンションを確認すると、お風呂場、リビング、ベッドルームにそれぞれ、小型のカメラが設置されていた。

「何でこんなものが・・・・早速大家さんに頼んで鍵を変えてもらおう!!」

「く・・く・・・く・・く・・・無駄なことをもっともっと苦しめ苦しめ・・・・」暗闇の中で青ざめたやせ細った男が、俊達の部屋にセットした盗聴器で二人の会話を聞いていた。


********つづく*******

NO.3へ

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「悪魔に魂を売った女 沙羅」NO.1~「潮騒」続編~

2010年12月08日 | 小説「悪魔に魂を売った女 沙羅」
この小説は、オリジナルストーリーで完全なフィクションです。
WEB公開するのを直前までためらった
通常の作者とはかなり異なるタッチの小説になっております。
ご了承の上、お読みください。


前作のシナリオ風小説「潮騒」の続編になります。
「潮騒」をお読みになっていらっしゃらない方は下記からお願いいたします。

http://blog.goo.ne.jp/sherry0324/e/f03e0f2b4a27e49ae5f0485daa09d4a0



オリジナル小説 「悪魔に魂を売った女 沙羅」



第一章 BLACK

「きゃあ!!!何これ!!」山口小百合は、マンションの新聞受けに新聞を取りに行こうとしたところ、玄関の前に無残に切り刻まれた、黒猫の死骸がおいてあった。
「どうした」小百合の甲高い叫び声にびっくりして、秋吉駿が玄関を飛び出してきた。

小百合の早朝の叫び声に、マンションの住民は何人か好奇心旺盛に覗きに出てきたが、猫の死骸だとわかるとめいめい自分の部屋に戻った。

「大丈夫か?」と駿が小百合をだきしめながら聞いた。
「うん。ちょっとびっくりしただけ・・・新聞取ってくるね」
というと小百合は10階から1階の郵便受けまで朝刊を取りにいった。

(誰がこんなことを・・・・)駿はおびえる小百合をみて苦しい思い出を思い出していた。

駿は、予備校時代からあこがれていた、松岡沙羅という美少女にずっと恋をしていた。
大学にはいり、同じ、経済の授業をとっていることを知って、彼女を半ば強引に自分のはいっているサークルに一緒にいれた。


「駿・・・・これ」小百合は真っ青な顔をして、駿に一通の手紙を差し出した。
真っ黒な封筒に差出人不明。

二人してドキドキしながら、封書をあけてみると、黒い便箋に一言「真紅の血」で「怨」とだけかかれていた。

プルルルルプルルル  ふいに小百合の携帯電話がなった。
「もしもし・・・?」ガチャリ

プルルルルプルルル もう一度小百合がでてだまっていると
ガチャリときられた。

プルルルプルルル 「今度は俺が出るよ。」といって駿が、小百合の電話機を受け取った。
「もしもし、太刀の悪いいたずらはやめてくれ!!おまえは誰だ・・・」
「くくくく・・・・・地獄の業火に焼かれるがいい がちゃり」
送話機にハンカチをつけたくぐもった男の声が聞こえた・・・

「どうしたの?駿」心配そうに小百合が駿の顔を覗き込んだ、
「太刀の悪い悪戯だよ・・・・気にするな。とりあえず携帯の非通知からの着信は拒否をしておいたほうがいいな・・・・・」
「うん。」と小百合がいうと駿は小百合と駿の両方の携帯電話の非通知からの着信を拒否にした。


駿と小百合は、幼馴染だった。
幼稚園の時の、「ずっと小百合ちゃんを守ってあげる」という駿の言葉を信じて小百合はずっと駿のことが好きだった。
でも、駿は、いつのまにか同じサークルの松岡沙羅に惹かれて、告白をし、そしてひとつに結ばれ、つきあうようになった。
それがきっかけで、小百合はうつ病になり、何度も何度も自殺未遂を繰り返した。
そんな小百合のけなげさと情にほだされ、駿は結局沙羅と別れ、小百合を選んだのだった。


プルルルプルルル ガチャリ
プルルルプルルル ガチャリ

今度は、自宅の電話に2回コールをしては切れた。

「松岡さんよ!!きっとあの人が私たちに復讐をしているんだわ!!」
真っ青な顔をして、震える小百合を抱きしめながら駿は小百合に言った。

「沙羅は死んだんだ・・・・」

そう松岡沙羅は、駿と別れたあと、絶望の淵にたたされ、二人の思い出の海に行って、
靴と遺書だけを残して海に身をなげたのであった。


駿は後悔をした。死ぬほど・・・・「俺のせいで、沙羅という大切な女性の命を絶ってしまった」ことを・・・

「小百合だって、一緒に沙羅のお葬式にいっただろう」
「うん・・・・あのときの松岡さんのお母さんのこと見ていたら、すごく、すごくつらかった」


「人殺し!!沙羅を返して!!」沙羅のお通夜にいった二人をみるやいなや、沙羅の母親は、二人に向かって叫んだのであった。そのまま、駿につかみかかってきたのである。
駿と、小百合は、土下座として詫びたが、沙羅の母親は、「人でなし、人殺し、悪魔!!」
とすべてのこの世の中にあるすべてののしりの言葉をそんな二人に浴びせた。

沙羅の父親と叔父に押さえつけられて、ようやくおとなしくなった沙羅の母親だったが、
最後に沙羅の父親から「もう二度とこのうちの敷居をまたがないでくれ」といわれた


(沙羅は一人で内面に秘めてしまう子だった。
もし、沙羅が小百合のように、俺のことを責めていたら、同じ用に病気になってしまっていたら、俺は最終的にどっちを選んだのだろうか・・・・)

「とりあえず学校にいく時間だから、小百合、支度しろよ。俺も支度するから。」

現在、駿と小百合は両方の親の承諾を得て今二人でマンションに一緒に住んでいるのであった。

「うん」小百合は真っ青な顔をしながらもゆっくりと学校に行く用意をしはじめた。




第二章 PINK

小百合と駿は学校につくとそれぞれの教室にむかった。
やけに今日は、小百合はみんなに注目をされているような気がした。

「よくやるわよね・・・あの子でしょ」
「私だったら、絶対に恥ずかしくて」
「まさかあの山口さんがね・・・・」
ひそひそと話をしている声が小百合の耳元に聞こえてきた。

ちょうどそのとき、小百合の仲がいい磯島みどりがとおったので、小百合は話し掛けた。

「みどり・・・」

小百合に呼ばれるとみどりはギョっとした顔になり足早に走り去っていってしまった。
小百合は何がなんだかわからないまま、一時限目の「英語」の授業にでた。

いつもの席に座っていると、なぜかみんなが遠巻きに小百合をみていた。
英語やフランス語のような語学の授業は、経済とかの一般教養とは違い普通小教室で行われるのであった。

英語の先生、武田先生が、入ってくるなり、「ちょっと山口さんいい?」
と呼ばれた。
「どういうことなのか説明してほしいので、授業が終わったら私の研究室に来て」
といきなり言われた。

小百合は、授業の内容などまったく耳にはいることなく、武田先生から授業が終わった後にどんな話をされるのかとそればかりが気になっていた。

いつもなら積極的に話し掛けてくる磯島みどりも、今日は小百合の席から遠く離れたところに座っていた。
小百合にとって、長い、長い90分の授業が終了した。


~つづく~

第二回目へ
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失恋ポエム(マリンブルーの涙、さよなら)

2010年12月07日 | オリジナルポエム
ちょっと本日は小説はお休みをして失恋の詩(ポエム)を二つ掲載します。


マリンブルーの涙 (オリジナルポエム)


なんだい?君らしくないよ・・・言ってごらん

もう僕には わかっているよ

君のHeartがここにはないことを


君の瞳がマリンブルー

君の優しさ 涙になって伝ってくる。


泣いているんだね 僕のために あいつのために

涙で Heartが解けているよ


泣かないでくれ 泣きたいのは 僕のほうさ
 
僕のことは もう気にしなくていいよ

君の優しさ わかっているから 向こうであいつが呼んでるよ


黄昏前に別れよう 君の瞳が見えなくなるから

僕の心が 哀しくなるから・・・・・


君の涙に照らされて 想い出が走馬灯のようにかけめぐる

泣いているんだね 僕のために あいつのために


星降る前に帰りなよ 君のHeartに触れたくなるから

心の留め金 はずれちゃうから

君をこのまま返したくなくなるから


泣かないでくれ 誰のためにないているの?

君はちっとも悪くないさ 二人の歯車ずれただけ

時間~とき~がちょっぴりながれただけ


星降る前に帰りなよ 君をこのまま放さずに

時間~とき~の彼方へつれていってしまいたくなるから


今ならまだ・・・・・

僕の心が砕けるだけだから・・・・


さよなら(オリジナルポエム)

さよならの一言を書くために
何度も墨をすりなおし

思い出を書きつづり始めたら
涙で文字が滲みそうで

思い出をつなぎ合わせてもいつもたりないワンピース

お互いわかっているのに
言い出せず
気まずい思いの時が流れ

思い出の砂時計は
とどまるところを知らず
無情にもさらさら時を刻んでく
楽しかった思い出ばかり蘇り
つらかった日々は嘘のよう

なのに二人の心の秒針は
別れを告げよと背中を押す

あんなに愛し合っていたのに
あの愛はなんだったのか

その答えすらわからずに
別れをつげる恋人達

最後に一言だけ

さよなら

そして
今までありがとう





名探偵コナン劇場「クリスマスの奇跡」NO.6最終回

2010年12月06日 | 短編小説
名探偵コナン劇場「クリスマスの奇跡」を最初から読む場合は
こちらから



*********12月25日朝***********

蘭:「頭・・・いたい・・・・」「なんだ夢だったのか・・・・」
「こんな時間だ・・・朝ごはんつくらなきゃ・・・・・」
「いたい!!」

蘭は何かで指を刺した・・・・よくみると・・・・・

それは・・・ヒイラギのバッチだった・・・・・

やっぱり夢じゃなかったんだ・・・新一・・・・

二人で頭を痛がって、トロピカルランドの医務室で、新一が言ってくれた言葉

「蘭・・・いつも事件事件でなかなか連絡がとれなくてごめん。もしこれが夢だったとしても・・・・俺は・・・・
今日一日のことを忘れない・・・そして・・・」

というなり、心臓を抱えて・・・でていった新一

「そして・・・の続き何を言いたかったんだろう・・・いいや
逢えたんだから・・・」

というとヒイラギのバッチをエプロンにつけて朝ごはんの用意を始めた・・・・・


**********12月25日************

コナン「あれ・・・・なんだ・・・夢か・・・・随分リアルな夢だったな・・・蘭・・・ポケットに何かはいっているぞ・・・ヒイラギのバッチ・・・・そっか・・・あれは半分夢、半分現実か・・・・・・」

コナンは、蘭にみつからないようにバッチをそっと机の引き出しにしまった。

コナン「らんねぇちゃんおはよう・・・・鼻歌なんか歌ってご機嫌だね・・・?何かあったの?」


蘭「実はね・・・コナン君・・・ううんなんでもない・・」

あの思い出は私と新一のものだけにしておきたいから・・・


**********12月25日 朝***********

姉「園子・・・頭痛は大丈夫?」

園子「おねえちゃん・・・・私、頭痛で帰ってきたの?」

姉「そうよ・・・頭痛薬を飲むなり、そのままの格好でねちゃったでしょ・・・何?そのサンタクロースのバッチは?」

園子「内緒」
(最後・・・真さんと何を話したんだっけ・・・・・うう・・・よく思い出せないけど・・・確か来年のクリスマスの約束をしたような・・・
まぁ・・・いいか・・・逢えたんだから・・・・)



**********12月25日 朝************

哀「お姉ちゃん・・・お母さん・・・・・・・」
「何あせってるのよ・・・夢に決まっているじゃない・・・・・」

哀はゆっくりおきだして周りを見渡した。哀が寝ていたのは・・・博士の家ではなかった。

気がつくと枕元にクリスマスカードが二枚あった

「志保へ・・・なんでも無理をしすぎて本心を出さない子だけど・・・
マイペースで志保は志保らしく生きていけばいいから・・・お母さんはずっとあなたを見守っているわ・・・・ 母より」

「志保へ メリークリスマス!!よく寝ているようだから・・・起こさずに・・大君とのデートに行って来ます。志保も来年はデートできる彼氏ができるといいわね・・・体にきをつけてね・・・
キーはポストから落としておいてくれればいいわ・・・合鍵持っているから・・・・」

哀は指をみるときちんと指輪がしてあった。

哀「随分ご丁寧な夢だこと・・・次の日まであるなんて・・・」

とひとりごちながら・・・・いつのまにか笑顔になっていた。

言われたとおり、鍵を・・・・ポストに落とし、マンションをでて歩き始めて・・・・・ふっと後ろをむくと・・・・・・・

そこにはもう魔法で消えたようにそのマンションは無かった・・・・

やるわね・・・・あのカードに書いてあったとおりね・・・


**********12月25日 朝***********

シェリー「頭いたい・・・・豊・・豊・・・なんだ夢か」

枕元をみると昨日の豊のTシャツはきちんとたたんであり、ひらいてみると裏にメッセージが書いてあった

To:Shelly

今日はありがとう。
君達は、君達の夢を追い続けていれば
きっといつか夢はかなう・・・・
そして・・・俺の歌をずっとずっと
歌い続けて、歌いつなげてほしい・・・・

全ての曲に全ての歌詞に
俺は生き続けている・・・・

またいつか
逢おう・・・・・・・

See You Ageain

Yutaka Ozaki 12.24 2010


豊・・・豊・・・・

私はそのTシャツをにぎりしめながらむせび泣いた・・・・

豊は復活した昨日・・・・間違いなく・・・・・

あの手紙に書いてあったように・・・・・・



*****************************


夢を忘れた現代人へ

君達の夢をクリスマスの奇跡で一日だけかなえてあげよう・・・

信じるも信じないも

君達の自由だ・・・・・

この錠剤を呑むことにより君達の夢が叶う

でも、私を信じられないなら今すぐ捨ててもらってもかまわない。

Your dreams come true。


****************************


おしまい・・・



***************************


みなさんにサンタさんから同じ手紙がきたらどうしますか?

みなさんが

素敵なクリスマスが迎えられますように

Merry Christmas!!

*************************

次回は
前作「潮騒」の続編「悪魔に魂をうった女 沙羅」です。
お楽しみに!!

名探偵コナン劇場「クリスマスの奇跡」NO.5

2010年12月05日 | 短編小説
********12月24日 ***********


シェリー「ここは・・・・・」

シェリーは代々木オリンピックプールの入り口の前に立っていた。

手には「Seacret Tour」のチケットが・・・・やはり封筒に入っていたのだ・・・・

老若男女・・・あらゆる世代の人が浮き浮きしながら会場に入っていった。

シェリー「誰のコンサートなんだろう・・・?」

場所は、1階アリーナの最前列の真ん中・・・

シェリー「まぁ・・いいか・・・・折角のイブ独りですごすんだから、コンサートでも楽しみますか・・・」

といって会場にシェリーは会場にはいっていた・・・・・・


ふと気がつくともうアンコールになっていた

アンコールの鳴り止まぬ手拍子・・・・・・

真っ暗なステージに、スポットライトがあたり・・・

さっきまでの赤い派手なシャツをぬぎ、真白いTシャツとGパンの彼が、12弦ギターを持ってステージ中央に立っていた・・・・・

彼は、ゆっくりと歌いだした

「I'm dreaming of a white Christmas・・・・・・・・

シェリー俺は転がり続けて・・・・・」

ホワイトクリスマスに続いて「シェリー」を歌い始めた

「シェリーいつになればおれは這い上がれるだろう・・・・」

私は、涙で前が見えなかった・・・・でも何度も何度も涙をぬぐい
彼の姿を眼に焼き付けようと必死だった

ステージの中央に立ってアンコールの「シェリーを歌っている」

・・・・・・45歳の尾崎豊を・・・・・・・・・

やがてシェリーはおわり、割れんばかりの拍手が会場にとどろいた

豊「俺もいつのまにか、45歳。まぁいわゆる中年だな。近頃ではアラフォーっていうのか?」

会場がドットわいた

豊「ロックンロールは好きかい??」

みんな「イェーイ!豊!!!尾崎!!!」

それぞれのリアクションで答えた

豊「俺は、ずっとずっとこの魂の叫び、ロックンロールを歌ってきた。
そしてこれからも俺のロックンロールそして多くの歌をたくさんの人に聞き続けてほしい。歌いついでほしい・・・・」

みんな「豊!!!!尾崎!!!!!!」
みんな泣きながらステージ中央の豊に積年の思いをぶつけていた

私も涙で豊の姿が半分みられないまま、豊!!!!(愛している)と叫んでいた・・・・・18年前に彼にいえなかった言葉を・・・・

豊「みんな今日は本当にどうもありがとう・・・また会おうっていってからずいぶん時間がたっちゃたけど・・また、ここ代々木オリンピックプールでみんなに再会できてよかった。

みんなは、この18年間 たくさんの人に出会い、感動をもらったり、時には傷ついて人を信じられなくなったときもあると思う。でもきっと、おれが前から話していた心の財産は・・・・みんなの心の中にきっと増えていると思う・・・・

今度みんなに出会えるのがいつかわからないけど・・・・

またきっと逢いましょう・・・・では最後に、俺からのみんなへのクリスマスプレゼント・・・・」

「世界中の恋人達に・・・世界中の家族のために・・・そして人類の平和のために・・・・この心さえあれば・・・ひとが人を傷つけることなんてなくなるだろう・・・・そんな思いをこめて歌います・・・・

みんなも一緒に歌ってください」

豊は、そっとギターをおろしアカペラで歌いだした

「I LOVE YOU・・・・今だけは悲しい歌 聴きたくないよ・・・

I LOVE YOU・・・・・会場全体の大合唱になった、オリンピックプール全体が震えていた・・・・・

今日復活した豊の魂の叫びのように・・・そして会場のファンの心の感動のようにずっとずっと震えていた・・・・・

シェリーはふと自分の着ているTシャツを見ると書いてあった。

1985 LAST TEENAGE APPEARANCE (YOYOGI OLINPIC POOL)
1991 THE DAY 約束の日 (YOYOGI OLINPIC POOL)
2010 復活の日 (YOYOGI OLINPIC POOL)

そして45歳の豊の姿が、影になってすりこまれているシャツ

周りを見渡すとみな同じシャツを着て・・・・泣きながら

I LOVE YOU を熱唱していた・・・・・・

豊「今日は・・・本当にどうもありがとう・・・またいつか会いましょう・・・」

豊は、そういうとステージの袖に消えていった・・・・

豊・・・・豊・・・・私の最愛なる人・・・・・

シェリーは会場をでて豊のツアーバスが出発するのをまっていた。

シェリー「いたい・・・いたい・・・頭が割れるように・・・いたい!!!」


~つづく~

つづきはこちらから

名探偵コナン劇場「クリスマスの奇跡」NO.4

2010年12月04日 | 短編小説
*********12月24日 某マンションにて********

哀:「ふぅ・・・もうこれでかくれんぼはおしまいね・・・・工藤君・・・さようなら」

カシャと例の封筒にはいっていた合鍵でドアをあけた・・・・

かすかにただよう香りは、家庭的な温かい夕食の香りだった・・・

「遅いわよ!!志保・・・・・もうお料理が冷めちゃうじゃない・・・」

志保:「お・・・・おねえちゃん???」

志保:「ベルモット・・・手の込んだ芝居はやめましょう・・・見たとおりこちらは何も武器はないわ・・・・」

「志保・・・・まぁ・・・・この子ったら見ないうちに立派な女性に成長して・・・・ほら座りなさい・・・・」

志保:「お母さん!!!!!!!!」

哀は頭が混乱してきた・・・これは夢・・・・おねえちゃんのことばかり考えていたから・・・・

明美「もう・・・志保ったら・・・早く座って・・・大君とのデートも明日に伸ばして・・・私が腕をふるって・・・作ったんだから」

テーブルの上には、クリスマスケーキ、ローストチキン、パエリア、サラダ、オードブルが並んでいた。

哀:「お母さん・・・本当にお母さん?」

母:「志保・・・会いたかったわよ」

鏡に映った自分の体は小学生の灰原哀ではなく、18歳の宮野志保だった。

(あの薬を飲んだせいで幻覚症状を起こしているか・・・死んで天国にいるとか?・・・・まさかね・・・私が天国にいけるわけないじゃない)

明美:「ほら・・・いっぱい食べて志保」

哀:(何をあの薬がたくらんでいるかわからないけど・・・今くらいは・・・・少し素直になってもいいかな・・・・工藤君がいたら言うわねきっと「本当に素直じゃねえな・・・お前ってだまされてるんだったらだまされとおしてみろよ・・・」ってね)

哀:「おねえちゃん、お母さん・・・すごくおいしそう。いただきます」

両手を合わせると涙がぽろぽろおちてきた・・・・

ずっとずっと独りで頑張ってきた心の涙のダムが崩壊したように・・・

哀:「おねえちゃん・・・とてもおいしいよ・・・大君って彼氏?」

明美:「みたいなものかな・・・今お姉ちゃんにとって家族の次に大切な人よ・・・・」

哀:「そっか・・・・(私は、家族の次に大事なのは・・・・・)
おいしいよ。とても、おねえちゃん料理の腕あげたんじゃないの?」

母:「そうね・・・・明美とてもおいしいし、このマンションもとても素敵だわ・・・お父さんも仕事じゃなくてこられればよかったのにね」

哀:「お父さんも生きているの?」

母:「何言っているの・・・へんな子ね志保は・・・・」

哀:(そっか・・・そっか・・・これは夢なんだ・・・だったらとことんたまには悪夢ではなくいい夢に・・・・)

母:「これはお母さんから、明美と志保へのプレゼント、左手の薬指は、大事な人のためにとっておいて・・・・右の薬指にこの指輪をして頂戴・・・・」

明美、志保「ありがとう」

母:「二人の誕生石が小さいけど、はめ込んであるから・・・きっと貴方達を守ってくれるわ・・・」

ドクン・・・ドクン・・・・

哀「頭が!!!!割れる程痛い!!!!!!!」

母、明美「志保・・・志保・・・大丈夫????」

******12月24日 池袋 芸術劇場にて******

園子:「大体・・・・なんでクリスマスイブに・・・・こんな場所のわけ・・・・それもおしゃれして来いだなんて・・・・寒くてしかたないわよ・・!!誰かのいたずらだったら絶対にゆるさないから」

園子はいつものへそだしのゴージャスな、ミニのドレスにかるく毛皮のコートを羽織っていた。

「キミキミ・・・どうしたの?もう1時間も待っていて・・・彼氏に振られたのかな?」

「こんなとこよりも、もっと楽しいところ行こうぜ・・・」

「すげぇ・・・ロレックスだ・・・お嬢様・・・僕達と遊びませんか」


見るからに不良と思われるグループに、引っ張られて、園子は、だんだん人気の少ないところに連れて行かれた・・・・


「ちょ・・ちょ・・・と何するのよ!!待ち合わせしているんだから・・・・・」

「だってもう1時間もほっぽりっぱなしじゃ・・・彼氏に逃げられたんじゃないの・・・?」

園子は時計をみるととまっていた。・・・・・

もう・・・・だから古い、蒔かなきゃならない時計はいやなんだよね

「ほらほら・・・いいことしようよ・・・」

園子「いや!!!!!!!」との時だった!

コナンファンなら誰でもよめる展開!!!!!!!

バキ!ボキ!

園子がおびえていると誰かが、疾風のごとくやってきて回りの不良をやっつけてくれた・・・・・

園子は、おびえてうずくまっていた。

「ですから・・・・おへそをだす、衣装は・・・・あなたににあっているとも思いませんし、世の男性方には刺激すぎます」

とごつい手が園子に差し出された・・・・

園子「真さん!!!!!!!!!!!絶対に助けに来てくれると
信じていたわ・・・・」

真「いえいえ・・・差出人が変な手紙が届いたので、また、園子さんのピンチかと思い、カナダから飛んでかえってきました」

園子は眼に涙をいっぱいためて真さんに抱きついた・・

園子:「ありがとう。いつもたすけてくれて・・・・イブにデートできるなんて夢みたい・・・」

真「今日は・・・・イブ???クリスマスイブですか??」

園子「・・・・・まぁ・・・いいか真さんらしくて・・・じゃ行きましょう」

京極真と園子は、例の封筒にはいっていた「クリスマスチャリティコンサート」の鑑賞のために芸術劇場の長いエスカレーターを上っていった。

チャリティボックスにお金をいれるとかわいらしいサンタとトナカイのバッチをくれた・・・・園子は照れる真にトナカイのバッチをつけ、自分は、サンタのバッチをつけた・・・・・

コンサートは無事に終わった。ウィーン少年合唱団の天使の歌声によるクリスマスソング、賛美歌・・・・ウィンナーワルツ

そしてお決まりの第九・・・・

夢心地で出口を出た瞬間


園子「いたい!!!頭が・・・・割れるほど・・・いたい・・・」

真「園子さん!!!救急車救急車!!!」

~つづく~

つづきはこちらから

名探偵コナン劇場「クリスマスの奇跡」NO.3

2010年12月03日 | 短編小説
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*****12月24日 トロピカルランドにて*******

新一「わかるか?コナンドイルはきっとこういいたかったんだ
ホームズってやつは・・・・」(俺・・・・何言っているんだ・・・?)

蘭:「もぅ!!!ホームズだの、コナン・ドイルだのっていいかげんにしてよ!!!」(え・・・・コナン・・・・)

新一:(だめだ!!コースターにのっちゃ・・・この後ろにジンとウォッカが・・・・・)
思い出したくない記憶が鮮明に脳裏に蘇り後ろを振り向いてみると楽しそうな家族連れが乗っていた。

新一:「蘭・・・・俺のほっぺをつねってくれるか・・・?」

ギュ・・・「いてぇな・・・もう少し優しくできねぇのかよ」

蘭「新一・・・・一つ聞いていい・・・」

というとジェットコースターは静かに動き出した・・・・・
もちろん殺人事件もなく無事に着いた。

新一「蘭・・・今日何日だ??」

蘭「クリスマスイブよ・・・新一が商店街の福引でクリスマスのトロピカルランドのチケット当てたから誘ってやろうかってえらそうに・・・
言って・・・どうせ誘う子もいなかったくせに・・・」
(え・・・・私何を言っているの?なぜ新一がいるの?夢???)

新一「いやあ・・・ファンレターが多くて選ぶの大変だったから、お前を誘ってやったんだ感謝しろよな・・・」
(俺、何言ってるんだ・・・こんなことよりももっと大切なことをいわなきゃ・・・)

蘭・・・俺は・・・・」


カシャカシャカシャ

「良いね・・・いいね・・・お二人さん・・・」

新一「げ・・・お前は、群馬県警のへっぽこ刑事・・・じゃなくて警部だったか」

山村「はぁ・・・何いっちゃているわけ???
私はこういう者です・・・」



蘭「月間 NanNan 記者??」

山村「そうそうあのゆ~めいな雑誌のね」

と胸を張る山村

山村「まぁ・・・ってわけで山さんと呼んでくれ給え・・・」

新一「でそのなんとかって雑誌と今の写真は??」
(まぁ夢ではありがちだなこういう奇想天外な展開・・・)

山村:「今、クリスマスイブのベストカップル10という特集をやちゃってりしてるわけよ・・・で君達もそれにノミネートされちゃったわけね・・」

新一:(やべ 顔写真なんか載って黒の組織のやつらに・・・・って俺夢の中でなにあせってるんだ・・・)

山村:「じゃこれね・・・もしベスト10に選ばれたら来月号にのっちゃったりするから、ちゃんと買ってよんでね・・・・コンビニでたちよみは駄目駄目だよ・・・・

じゃ、ベストカップル賞候補の印としてこのヒイラギバッチを胸につけておいてね・・・僕以外にも記者がいるから・・・」

といわれまわりを見回すと、同じように横溝刑事じゃなくて横溝記者が写真をとっていた・・・ それも兄弟揃って

新一:(おもしれぇじゃねえか、誰のしわざか解らないけど、こうなったら、とことんこの夢につきあってやるよ・・・)

蘭:「新一、次は、氷と霧のラビリンス行かない・・・」

新一:「いいな・・・いこうぜ・・・・」

自然に、新一は、蘭の手を握って引っ張っていた

新一:(夢でもいい・・どうせなら・・・すこしでもながく続いてくれれば・・・・)

そして二人は・・・・思い出の噴水の真ん中に立った

蘭・新一「3・2・1・・・・・・」

噴水は二人を囲むように噴出した。トロピカルランドの園内のクリスマスツリーのイルミネーションが反射してとても綺麗だった

蘭:「新一・・・・新一・・・夢じゃなくて帰ってきてくれたんだ・・・私もさっき、ほっぺつねったら痛かったから・・・あのクリスマスカードのおかげなんだよね・・・」

新一:「蘭のところにも来ていたのか・・・・あれが・・・
蘭俺は、俺は・・・・・・いや・・・」

ドクンドクン・・・・またあのいやな感じの頭痛と動悸がはじまった

新一:(蘭・・・おれは・・いつか必ずもどってくるからそれまで待っていてくれっていいたいのに・・・やべえ・・・ここでコナンにもどったら・・・・)「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

蘭:「頭が・・・頭が割れるようにいたい!!!」

新一:「蘭大丈夫か・・・・蘭・・・らーーーーーーーん!!!!!!」

~つづく~

過去のコナン劇場はこちらから

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名探偵コナン劇場「クリスマスの奇跡」NO.2

2010年12月02日 | 短編小説
第一回目はこちらから

******12月24日*******


【蘭・新一編】

蘭:「クリスマスイブにトロピカルランドか・・・・・っていうかまわりカップルばっかりじゃない??本当にここであっているのかな・・・
うぅ・・・・頭が・・・・
頭が割れるほど痛い!!!!
まさか・・・・あの封筒の中にはいっていた錠剤が・・・・ 」
コナン:「なんでトロピカルランドなんだ・・・黒の組織のやつら・・・もしかして・・・最初に薬を飲ませて・・・・・
気付いたのか・・・・?
時計方麻酔銃はOK・・・・いざとなったらこれで眠らせて・・・

うぅ・・・・なんだこの頭の痛さは・・・ドクンドクン・・・・
やべぇ・・・・心臓まで・・・・パイカル飲んでねぇのに・・・・
体が熱い!!!!畜生・・・このままじゃ・・・
畜生!!やっぱ灰原にあの錠剤の成分をきちんと調べてもらってから飲むべきだった・・・・・
俺としたことが・・・・黒の組織のことになると・・・なに焦っているんだか・・・・いてぇ・・・・・このまま・・・・・」


【哀ちゃん編】

哀:「ここね・・・住所も地図もあっているみたい・・・
部屋番号は203ね・・・鍵も入っているし・・・・
扉をあけたら・・・・
いきなりずどんだったりして・・・・

夕日が綺麗ね・・・・この夕日・・・明日も見ることが出来るのかしら?

(工藤君・・・・貴方のほうは大丈夫・・・・?)

馬鹿ね・・・自分が窮地に陥っているのに、まだあなたの事心配をしているなんて・・・・・」

うぅ・・・・・頭が頭が割れるほど痛い!!

ドクンドクン!!!・・・・どういうこと・・・・

(工藤君・・・・貴方は大丈夫)

あの錠剤・・・やはりベルモットからの毒薬・・・・

でもじゃあ、あの招待状の文章は・・・・

あぁああああああぁあああぁあぁああ!!!!!!!! 」


【園子編】

「ええ・・・・っとこの辺かな?約束の場所・・・てかカップルだらけジャン おしゃれしてこいっていうからしてきたけど・・・
なんのサプライズパーティなの
まぁ・・・どうせ家にいても・・・豪華な料理がでるホームパーティだし、姉貴たちがいちゃついているのをみるのもしゃくだしね・・・

これでいたずらだったら!!!!絶対許さないんだから・・・・

ってか寒い・・・

頭痛い・・・・やばい風邪ひいたかな・・・・・・

あの封筒に入っていた薬のんだからかな・・・

でも差出人が・・・・・


【シェリー編】

「ここって・・・・・・なんで・・・・・・」

どうして

涙が、涙が溢れてきた・・・・・

なぜなぜこの場所に・・・・・

頭が・・・・・・ぼーっとしてくる

涙で視界がぼやけてる

「誰か助けて・・・・・・・ 」


~つづく~

NO.3はこちら


名探偵コナン劇場「クリスマスの奇跡」NO.1

2010年12月01日 | 短編小説
今日から12月・・・・ということでちょっと今日からは少し趣向を変えて
「名探偵コナン劇場」を掲載いたします。
登場人物の口癖が違う・・・とかという苦情申し立てはお受けできませんので
ご了承くださいませ(笑)


少し早めのクリスマスプレゼントを詩絵里から皆様へ★

「クリスマスの奇跡」~名探偵コナン劇場~

※これは、完全なるシェリーのオリジナルストーリーであり、登場人物ならびにその作品とはいかなる関係もありません。100%フィクションです※


12月23日の朝 

*******************

阿笠博士の家にて


哀:「博士・・・ポストにクリスマスカードが入っていたんだけど、ちょっと不気味ね・・・」

コナン:「どうしたんだ・・・灰原・・・」

博士:「新一・・・ほら、メガネの修理終わったぞ・・・・・」

コナン「サンキュ・・・博士・・・」

哀「・・・・工藤君・・・あなたも家のポスト覗いてきたら・・・」

コナン「何もねぇよ・・この頃じゃ高校生探偵工藤新一宛のファンレターもなくなったしな・・・」

哀「いいから!!見てきてっていっているでしょ!!」

コナン「うわぁ怖えぇ・・・・」





********************

学校への登校途中

園子「おはよう蘭・・・・蘭、何か私にサプライズプレゼントしようとしている?」

蘭:「おはよう・・園子・・・・なんで?私のほうがまた、園子の気が利いたいたずらかと思っていたんだけど・・・・」

園子「え・・・・?じゃあ・・・・もしかして蘭のところにも 同じものが・・・」

蘭:「同じかどうか解らないけど・・・・ほら・・・・」

シェリー「おはよう、蘭、園子」

蘭、園子「おはようシェリー」

シェリー「蘭か園子、昨日私の家のポストになにかいれなかった?」

蘭・園子「え・・・・ってことはシェリーのとこも???」

シェリー「うん・・・・なんかちょっと不気味で・・・・」

蘭「いたずらにしては、手が込んでいるわね・・・・犯人をみつけたらわたしが空手で・・・・」

シェリー、園子「怖 !!」


*******************

コナン「灰原・・・・これはいったい・・・・」

哀「やっぱり工藤君のところにも来ていたのね・・・」

コナン「まさか・・・やつらに俺達のことがばれたんじゃ・・・」

哀:「あの人たちなら、こんなまどろっこしいことしないわ・・・・でもちょっと不気味ね」

コナン:「ああ・・・キッドからの予告状でもねぇしな・・・」

哀:「でもあて先が・・・・」

コナン:「工藤新一様・・・・」

哀:「宮野志保様・・・・」

コナン:「灰原の本名知っている奴なんて・・・黒の組織しかいねえからな・・・・」

哀:「ベルモット・・・・」

コナン:「ああ・・・俺も、あいつならやりかねねぇかと思ったが・・・これは、罠にひっかかったふりしてしかけてみるか・・・」

哀:「だめよ!!工藤君・・危なすぎるわ・・・・」

コナン:「っていいながら、おめぇは行くんだろ・・・ここに書いてある場所によ・・・・」

哀:「・・・・・・」


~つづきはこちらから~