第三場。
此処は小料理「美代松」。
時江の養女美千代が営む店であった。
美千代の亡き母美代松は時江とは同じ芸者として実の姉妹の様な中であった。
その縁で美千代も老松の芸者としてお座敷に出ていたが、実母の死後「美代松」を受け継いだのであった。
美千代のその気さくな人柄で「美代松」は橋南地区青年部のたまり場となっていた。
今日は市議会でこの橋南地区が観光特区に指定される事が決まったという。
青年部が集まる事になっており、その仕込みに忙しく立ち働いていた。
店の開店と共に取材を終えた遼子が何時もの様にやってくる。
遼子を切っ掛けの様に次から次と来客である。
まず美千代の先輩格の元芸者綾乃が自分の務め前に手伝いに来た。
それを合図のように橋南青年部が集ってくる。
彼らは自分の住む地区が観光特区になる事に誇りを持ち燃えていた。
みんな自分たちの手でこの寂れた地区の再生させようと燃えていた。
青年部の執行部として燃えている柳田金治と梅山良平はこの地区の再生の決め手があるとみんなに宣言する。
さて、その決め手とは?
続く。
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