序破急

片足棺桶に突っ込みながら劇団芝居屋を主宰している爺です。
主に芝居、時々暮らしの中の出来事を書きます。

3月に入りました

2014-03-01 07:57:03 | 演劇

三月に入りました。

第二十七回目の公演の稽古が始まります。

劇団員にとっては本年の正月を迎えたわけです。

そこで年の始まりに一言。

「稽古に入る前に」

劇団芝居屋の芝居創りの基本は、俳優が自分に与えられた役に自分なりの命を吹き込むという事から始まります。

つまりオリジナルな自分だけの役を創り上げる事が基本です。

俳優が役を手に入れ役者として立つには、俳優が自分の役を理解し創り上げる事が必要です。

つまり役者として立つ為に初めにしなければならない事は、台本に書かれてある全体を読み取り、自分の役に関る全ての文言探し出し、その文言の中から具体的な人物像を組み立てていく事です。
その文言だけで足りない場合は、その文言を元に想像力をたくましくして組み立てることです。

ここで注意しなければならない事は決して台詞の言い回しなどにかまけてはなりません。

台詞の言い方吐き方を考える事はもっとも役者的芝居的な事で、役を作っているつもりになれるものです。

そして大方の人がここに陥ります。

ですがこのやり方の行く先は誰でもがするであろう、一般的な類型の演技です。

役者の劇団芝居屋に於ける第一義は台詞の肉声化です。

誰でもないその人の言葉の発し方を発明することです。その為には具体的な人間像を構築していくことが必要なのです。

その人は何が好きで何が嫌いで、それはどの様な生い立ちから生まれたのか。

今の状況、そこの人間関係、一つ一つを具体的にしていくのです。

それが出来ていけば言葉はそうとしか言えないものとして自然に口を衝いて出てくるでしょう。

ちょっとの辛抱なのです。

                             劇団芝居屋 増田再起


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