月・火曜は、学校教育について書きます。今回は、最近、学校現場で強まっている「統一しましょう圧力」の話です。
「統一しましょう圧力」と言う用語はありません。これは私の造語です。具体的には、それぞれの教師が指導する内容を学校全体として揃えていきましょう…と言う動き全般を指しています。
例えば、ある年度の学校評価(年度末反省)では次の様な意見がありました(長いので、まとめてあります)。
①授業の進め方の内、「課題の文言」「課題解決の見通しのもたせ方」「子供の活動の見取り方」などの基本的な部分は、研究部が主導して全校で揃えた方が、子供たちが学習に取り組みやすい。
②教師によって子供たちが学び方を変えるのは、子供たちにとって負担となる。どの先生になっても学び方は変わらない事が、子供たちにとっては気持ちの安定になる。
③学級毎にルールが違うと、学級が新しくなる度、子供たちは新しいルールを覚えなくてはならない。全校で同じルールが徹底される事で、新年度のスムーズな学級開きにつながる。
この様な意見は近年強まっており、実際に、次の様な事を学校ルールとして統一している学校もあります(例なので、完全に同じルールがあるとは限りません)。
a.授業の最初には、黒板の左上に「本時の学習の課題」を書く。その際、必ず青色のチョークで四角く囲む。
b.授業の最後には、黒板の右下に「本時の学習のまとめ」を書く。その際、必ず赤色のチョークで四角く囲む。
c.黄色いチョークは重要な点を強調する事にのみ使う。緑色のチョークは児童が疑問に思った点にのみ使う。橙色のチョークは児童から出た興味深い内容を示すのにのみ使う。
ここで重要なポイントは、「全校で方法(ルール)を揃える事で、子供たちが精神的に安定しやすくなり、学級も安定化しやすくなる」という考え方です。最近は、この考え方を推し進め、各学級で方法やルールが違っている事に対し、「各学級毎のマイルールのある事が、子供たちが落ち着かない原因の一つとなっている」と言い出す方もいます。
私は、この様な考え方を全否定はしません…が、この様な考え方は学校の良さを失わせるのではないかと思っています。
う~ん、長くなりました。続きは、また次回とさせていただきます。
…と言う事で、この最終段落まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。今日または明日、皆様が良い一日を過ごせるよう願ってます。