土曜日は、私のライトノベル愛を語る日です。今回は、先週の土曜(R5.85)に続いて『悪役令嬢の中の人』について語ります。
小説などを原作にしてマンガ化する事を、通常、コミカライズと呼んでいます。ライトノベルは、このコミカライズが頻繁に行われているのですが、マンガの出来は玉石混淆です。どちらも面白い作品もあれば、ライトノベルの方が面白い作品もあり、時にはマンガの方が面白い作品もあります。
この『悪役令嬢の中の人』は、どちらも面白いという「玉」の作品です。
ただし、面白さの質が原作とマンガでは異なります。マンガの『悪役令嬢の中の人』の面白さは、原作のライトノベルでは描かれていない細部を、読者の期待する通りに描いてくれる…という面白さです。
例えば、原作では名前も登場しない魔族の商人ですが、マンガでは名前を与えられ、店構えや品揃えも分かりますし、具体的に行っている事も紹介されています。それを文章で描こうとすると描写がくどくなり、原作の面白さが失われてしまいますが、マンガだと簡単に描写する事ができます。店構えや品揃えはコマの背景として描けば問題ないですし、具体的に行っている事も、1コマか2コマ差し込むだけで伝える事ができるからです。
また、原作では文章だけなので、ある言葉を喋っている登場人物の表情はわかりません。もちろん、表情を描写する文が書かれれば分かりますが、これまた、その様な文が多くなるとくどくなります。それがマンガであれば、台詞と表情を同時に1コマで描く事が出来ますから、簡単に表情なども伝える事ができます。
そんな訳で、『悪役令嬢の中の人』はマンガも面白いです。ぜひぜひ読んでみてください。