新江古田駅から地上に上がると目白通り・江原2丁目の交差点。
もう少し西に向かうと環七とぶつかる豊玉陸橋だ。
角にはサンクスとマルエツがある東京のベッドタウン。
そこから一車線ずつの道が南の江古田の森公園方面に向かっている。
途中から緩やかな下りに足早になる。
そのまま信号を過ぎる。 バスが走ってくる、ここはバス通りだったんだ。
坂道が終わり、平坦な道をもう少し進むと左側に小洒落たお店がぽつりとある。
昭和であろうアパートの1階を使った「江古田珈琲焙煎所」だ。
店内では静かで落ち着いた時間がはっきりと流れている。
格子模様になった窓枠に交互にはめ込まれた板が程よい目隠しと影を作っている。
完全禁煙なのが喫煙しない私にとっては有難いお店。
席数は決して多くはないが、一人二人で休むには丁度よい。
しばらく歩くとうっすら汗ばむ陽気であったため
オーダーしたのはスパークリングアップルと揚げないドーナツ。
店内にある本棚から好きな本を幾つかセレクトして特におしゃべるすることもなく過ぎる時間を楽しむ。
ドリンクは青森県産の果汁100%とあり、確かに爽やかなりんごの味でありコドモダマシの甘さではない。
ドーナツもレーズンが入っているサックリしたホットケーキに近い舌触りが懐かしい。
私たちは店内の左側の窓側のベンチに陣取って小さな花瓶を見つめながら次に何の本を選ぶかを楽しんでいる。
しりあがり寿さんの「方舟」などもいいかな?
会計時に珈琲豆販売カウンターの上にちょこんと乗っていた麸ラスクが気になり友人へのおもたせに買い求める。
晴天の日に訪れるもよし、そぼそぼ降る雨の日にも入りたくなるスペースを見つけたのは、この日の幸せ。