サードウェイ(第三の道) ~白井信雄のサスティナブル・スタイル

地域の足もとから、持続可能な自立共生社会を目指して

太陽光発電の設置による学習効果

2010年08月01日 | 気候変動緩和・低炭素社会
 昨年秋に実施した飯田市民アンケートでは、予想以上の回収率となり、ついついと予定外の分析を試みた。

 その1つとして、太陽光発電の設置者の回答が50サンプルを越えたので、設置者と非設置者の違いを分析してみた。

 まず、設置者においては、非設置者と比較として、日常生活の環境配慮は高いが、買物での環境配慮度や環境関連の地域活動への参加度は高くない。

 具体的には、設置者は、節電や節水。ごみ減量化等の項目で実施度が高いが、それ以外の項目では実施度が高いとはいえない。つまり、節約型の行動の実施度が高いことが特徴である。

 地球温暖化に関する認知では、設置者は、非設置者と比較して、問題への対処有効性や地球温暖化防止行動による安全・健康面の自己メリットに肯定的である。

 他の認知・評価項目では非設置者との違いは見られない。地球温暖化問題の解決意図や防止行動の実施意図は、非設置者よりも低い。


 これに対して、太陽光発電の評価では設置者と非設置者の違いが顕著である。太陽光発電を設置した世帯の構成員は、当然ではあるが、太陽光発電を肯定的に評価している。

 以上のように、太陽光発電の設置による学習効果が期待されるところであるが、地球温暖化防止意識が高いわけではなく、また環境配慮度も節約型の行動の実施度が高いものの、買物での環境配慮度や地域活動参加度は高くない。

 つまり、太陽光発電の設置による学習効果は限定的であり、さらに視野を広げた学習を促すような施策が必要だともいえる。今後、太陽光発電の設置者が増えることが期待されるため、今後の施策課題として重要である。

 このようなデータを、信州大学の講義で紹介したら、生協に勤める学生さんが、自分の家にも太陽光発電を設置したと教えてくれた。

 「なによりも太陽光発電の設置を優先して家を設計したから、それだけ思いいれもある。そうして発電した電気だから、電気の節約に家族が気をつけている。」と。

  
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