群馬の酒「淡雪草」と書いて「うすゆきそう」と読ませる
侘輔 今日のメインは群馬の酒ですよ。群馬と言えば今まで楽しんだお酒は永井酒造の「水芭蕉」が印象にあるよね。
呑助 そうですね。「谷川岳」が最初でしたかね。
侘助 そう、その後、名の知れた銘柄の「水芭蕉」でしたね。
呑助 今日のお酒の銘柄は何ですか。
侘助 群馬県太田にある島岡酒造さんのお酒なんだ。
呑助 銘柄は何と言うお酒なんですか。
侘助 「淡雪草」と書いて「うすゆきそう」と読ませる銘柄のお酒なんだ。
呑助 造りは何ですか。
侘助 純米吟醸酒と言えるかな。精米歩合が五〇%だから、蔵によっては大吟醸酒と謳っているぐらいだからね。
呑助 そう言えば、「獺祭」の大吟醸酒は精米歩合が五〇%でしたね。
侘助 そうだから今日楽しむお酒は純米吟醸酒といえると思う。ラベルには純米酒とあるがね。
呑助 良心的というか、謙虚というか、そんな酒蔵なんでしようかね。
侘助 飲んで分かってもらえる人に分かってもらえたらそれでいいという考えなんじゃないかな。
呑助 そういう蔵の酒は自信があるんでしょうね。
侘助 うん。そうなんだろうと思うね。
呑助 火入れはしているでしようか。
侘助 生酒のようだよ。
呑助 一切火入れをしていない生酒なんですか。
侘助 そうそう、まだ酵母が生きているお酒のようだよ。
呑助 アルコール度数が一四~一五度のようですから、加水はしているんでしようね。
侘助 加水して味の調整はしているんじゃないかと思う。
呑助 水は硬水ですか、軟水ですか。
侘助 硬水のようだよ。
呑助 じぁー、ミネラル成分が多いから発酵を促進しているんですね。
侘助 だからどちらかというと辛口の酒なのかな。
呑助 よく日本酒度というのがラベルに書いてありますよね、あれは何なんですか。
侘助 日本酒度というのは発酵の進みぐわいを表しているんだ。だから糖の分解が進み、アルコール度が高まれば高まるほど+、辛口になるんだ。だからいつ絞るか、その時期をいつにするかということが杜氏さんの腕にかかっているんだ。辛口の酒にするか、それとも甘口の酒にするのか、その蔵の酒の特徴を形作る重要な工程なんだ。
呑助 あー、そうなんだ。プラスの酒は辛口、マイナスの酒は甘口ということなんですか。でもマイナスということは何がマイナスなんですか。
侘助 それは比重のことなんだ。酒の糖分が多ければ水より重くなるので比重計を酒の中に入れると沈んでしまう。どれだけ沈んだか、それがマイナスだ。比重計が水に浮き、どのくらい浮き上がるかがプラスということになるんだ。
呑助 甘口の酒は水より重い酒なんですね。
侘助 そうなんだ。だから水より軽い酒は糖分が少ないから辛口ということになるのかな。
呑助 今日楽しむ群馬泉の「淡雪草」の日本酒度はいくらなんですか。
侘助 日本酒度は+3。だから辛口、酸度は1.6最も理想的な甘辛度になっているようだよ。