*****ご注意!!!一部ネタバレの可能性があります!*****
帯に「人の不幸は蜜の味」
右肩に人面瘡が寄生しているという相続鑑定人三津木六兵が主人公
人面瘡のアドバイスを受けて事件を解決するなんてシリーズものになるとは思っていなかったので、本作が出たことが驚き
相続鑑定人が主人公なので相続が絡みの事件がないとストーリーにならない。
今回は離れ小島での島の有力者の相続案件
相続争い中に起こる連続殺人。
複雑な家族関係・閉鎖的な島民に加え、途中で天候悪化で物理的にも孤立してしまう
隠れキリシタンの歴史も絡めて閉鎖的な土地柄を強調していたが、事件の真相は動機が幼すぎた
相続で争う、警察の大規模介入ができ辛いなどの設定だとどうしても「人里離れた」場所にならざるを得ず、閉鎖的な集団のなかでの事件をどう作ってくるのか。
次シリーズがあるなら、その点が楽しみ。
2022年3月23日 初版第一刷発行
初出 きらら 2019年12月号~2020年9月号 に加筆
装幀 坂野公一
装画 佐久間真人