*****ご注意!一部ネタバレの可能性があります!*****
2023年下半期の直木賞候補にノミネートされた作品
舞台はソ連から独立前のエストニア。
プログラミングに魅せられた少年ラウリがライバル、ロシア人のイヴァンと出会い進学先ではカーテャにも出会い、プログラミング技術を高め、友人関係も充実した学生生活を送っていた。
ラウリの将来はモスクワの大学に進みプログラミング技術を極めること。
しかしソ連からの独立へと進む時代の流れに3人の人生も違う方向へと進んでしまう。
プログラミングで繋がった3人の青春の一コマが瑞々しく描かれているし、その後の時代に翻弄される様は「小説あるある」だけど、結末への導き方と描き方が秀逸で清々しい読後感
コンピューター数が限られた時代から独立後に幼児教育にプログラミング授業を取り入れたり、有事に備えてIt国家を作っていくエストニアの国としての背景も語られている。
物理的に領土は奪われても、国民の情報があれば「国家は失われない」という考えはウクライナ戦争があったこともあり、大国に接したり領土問題を抱える国の切迫感を感じるし、日本も他山の石とするべきだと思った