*****ご注意! 一部ネタバレがあります! *****
少し前に樹木希林さんと黒木華さんの主演で映画になった 日日是好日の原作
日日是好日 「お茶」が教えてくれた15のしあわせ (新潮文庫) [ 森下典子 ]
筆者がお茶のお稽古に通う中で見つけた お茶(=茶道)の魅力、そしてその魅力に気づいた幸せ を 15章に亘って紹介する。
私もお茶のお教室に通っていたことがあり、当時の稽古風景を思い出しながら読み進めた
綺麗に掃除清められた茶室に漂う緊張感
仄かに感じる香
釜からの湯気の音
掛け軸の難しい文字
茶花の控え目な佇まい
菓子器の中の季節感
などなど
筆者同様、稽古を続けていくことである日ふと腑に落ちることがあった
毎回のお稽古は繰り返しで全く進歩していなかったようでも、季節が一巡すると知識も増え見る目も鍛えられた
そんな自分の立ち位置に気づいて楽しい日々でもあっったことが思い出された
またお茶会ではお道具を拝見し先生方のお話を聞き、多いに知識欲を刺激させられた風景も甦った
季節に合わせてお道具を準備し、そのおもてなし・心づくしを楽しむ、五感で季節を味わうという贅沢な時間・空間が本書でも何度も描かれている
柳家小三治師匠の解説がまた良い
この本は茶道についての本だが生きていく楽しみの本でもあるという
「忘れない程度に時々やってきたことが、二十何年かたって気づくと、実は心の支えになっていたことが分かる。」