side by side:湘南夫婦のあしあと

二人が好きな地元湘南、スポーツ観戦、旅行、食べ歩き,音楽・美術鑑賞など、日々のあれこれを綴ります

背中の蜘蛛 誉田哲也

2020年10月08日 | 書籍・雑誌

*****ご注意 一部ネタバレを含む可能性があります ***** 


以前ストロベリーナイト他の姫川シリーズやジウ 等誉田作品を夢中になって読んだことがありましたが、久しぶりに手にした誉田作品

帯には、「今の日本の現実を正面から見つめる勇気はあるか?」とあります。

池袋署の本宮はFBI研修から帰国した後輩上山と久しぶりに飲んでいたところに殺人事件が発生する
その後捜査一課管理官に異動となった本宮は新木場で起きた爆殺傷事件を担当
いずれもタレコミによって捜査が一気に進んだことに、違和感を覚える

一方上山は組織上存在しない部門の係長となっていた。
口外できない捜査方法を使ってはいるものの、ネット、特にダークウェブ上の情報は現在の捜査手法では決して浮上しない容疑者への繋がりを炙り出す。

本宮はタレコミ元ではと疑った人物に後輩の上山が会っている現場に遭遇
違和感を明らかにしたいと上山に迫る
折しも、その捜査ツールシステムにバックドア仕掛けられていたことが判明。内部の者の犯行が濃厚と分かる。

記憶にあるグロい描写たっぷりの誉田作品とはちょっと違うが、犯罪に近い、犯罪に触れる人のメンタルをやりきれないほどのダークさで語っている。

巻末の参考文献にみる誉田氏のリサーチが凄い。
帯にあったように、本作品の一部でも現在の警察の現実なのだろうか。

初出「小説推理」2018年10月号~2019年8月号
2019年10月20日第一刷発行
装丁 bookwall
写真 gettyimages





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