(※『Lの世界』に関してネタばれ☆があります。一応念のため、ご注意くださいませm(_ _)m)
NYガールズ・ダイアリーの第1回目を見ていた時から……あんまり色々混ざってる気がする+主人公3人のうち、1人がレズビアンになることから……「もしかして『Lの世界』も混ざってたりして」とは直感的に思ってました(^^;)
そんでわたし、『Lの世界』って、今の今まで存在は知ってたものの、一度も見たことなかったんですよ。強いていえば、デスノのLの映画が、タイトル『L change the WorLd』だったことから、その関連で相当昔に「ちらっと見てみようかな~♪」と思ったことがあったくらいで(笑)。
でも、レズビアンの女性たちのお話ってことくらいは知ってたので、まあ綺麗な女性たちが7~8人出てきて、それぞれ相手を取っ替え引っ替えしながら続いていくドラマなのかな~と漠然と思ってたわけです。。。
それで、SATC同様、シーズン4で1回だけ『Lの世界』への言及があったので――「あ、これはSATCと同じく、こちらもパクリ疑惑がありそう」と思い、見てみることにしました(一体どういう視聴動機・笑)。
そ、そしたら……これはやっちゃってますね。ということがわかったわけですというか、わたしの場合SATC見たのが相当前ってこともあって、細かいとことか思い出せないというか、覚えてないんですよ。でも、『Lの世界』を『NYガールズ・ダイアリー』(以下、面倒なのでNYGD☆)に続けて見たら――どっちかっていうと、わたしがNYGDの感想(?)のところで、<社会派>みたいに書いたことのパクリ元は、『Lの世界』のほうじゃないかなって思ったというか(^^;)
あ、パクリ☆なんて言っても、ストーリーの内容などを本格的にパクってるとかではないんです。ただ、設定やシーンを見ていてデジャヴ☆が起こる箇所が、シーズン1見ただけでも数箇所ありました。また、わたしがこう書いてるのは『NYGD』に対する非難ではなく、その後シーズン5のファイナルまで見ましたが、あの最終回を見てジーンとするためだけでも……十分そこまで見た価値はあると思ってて
ただ、そのあとちょっと気になって見た『Lの世界』の圧倒的なドラマ力が凄すぎて素晴らしすぎて――「作品のオリジナリティとは、まさしくこのことだ」というのを、まだシーズン1しか見終わってないにも関わらず、まざまざと思い知らされたわけです(^^;)
どうしよう。書きたいこといっぱいありすぎるのですが、先に『NYGD』のパクリ疑惑について、軽く片付けておきたいと思います。まず、主人公の筆頭角に当たるジェニファー・ビールスさん演じるベットが、黒人と白人のハーフなんですよね。ここが『NYGD』のキャットと同じ……なんて書くと、黒人と白人のハーフがいたらすべてパクリかなんていう話になってしまう。でも、他にパクってる設定というか、シーンがあったりというのがあると、ベットが色々複雑さを経験して育ったというのを正反対にして、キャットは「大して悩みもなくお気楽ポジティヴ畑で育った」みたいな設定は、それを反対にしたものじゃないかな……なんて、つい勘繰ってしまうわけです(ついでに、ベットの半分血の繋がったお姉さんはキットと言います・笑)ww
あ、ちなみにわたし、パクリにはあんまりうるさくないというか、寛容なタイプと思いますまた、『NYGD』にしても、本格的にパクってるとかではなくて――良い言い方をすればインスパイアであるとか、軽いオマージュといった程度のことではあるんですよね。ただ、最初に見た時から「色々混ざっとんな、ヲイ!」というのがあって、「『Lの世界』もかww」みたいのは多少あるなと思ってて(^^;)
その、この件に関しては色々書きたいものの、まあ抑え目にして、簡単にいえば、『SATC』、『アグリー・ベティ』、『プラダを着た悪魔』その他、色々混ざってるのをどう考えるかってことだったりします。正直、今こんだけの海ドラ戦国時代(?)ですし、ドラマが一発当たっただけでもデカイのだとすれば、戦略的にあるかなしかで言ったら、自分的には『NYGD』は十分アリな作品とは思うわけです
それで、もしいい風に言うとしたらば……脚本書いた方ってたぶん、『SATC』や『Lの世界』が大好きで、何度も見てるとか、そういう感じなんじゃないかと思う。だから、ストーリーそのものをパクッたりとかじゃないんだけれど、『SATC』や『Lの世界』のドラマ世界に関して、あちこち掠ってるように感じるのは実は――好きすぎるがゆえの、あくまでも悪意のないオマージュなんだろうなと思うんですよ、自分的に。ただ、こういうボーダーラインギリギリセーフ的なパクリ方をいくつもされると、ちょっとイラっとする……っていう製作スタッフさんやファンの方は絶対いるんじゃないかと思ってて(^^;)
音楽で言ったら、曲の一部サンプリング的なこととも似て、今これだけのドラマが製作されてヒットしてることを思うと――今後も、『NYGD』的手法によって成功する作品が現れても全然おかしくないんじゃないかと思ったりするんですよね。まあ、わたし的なジャッジとしては、『NYGD』という作品自体は好きであるとはいえ、「ここのこのシーンは△□のパクリじゃね?」ってことでネットで盛り上がり、それで見る人が増えた……といった炎上商法的なことがあったのかどうかだけ、ちょっとだけ気になるところです。。。
ええと、くだらない話が長くなりましたが(いつものこと!)、『Lの世界』、結構久しぶりに食らったドラマのような気がします。レズビアン同士の性が描かれてて刺激的だからとか、そういうところではなく(あ、でも毎回可愛いorキレイなお姉さんたちがおっぱい見せてくれるのは嬉しい・笑)、どっちかっていうと問題は同性愛というより、レズビアンでもホモセクシュアルでも、ゲイでもヘテロでも――問題なのは、人間同士としてどうかという、一番大切な部分がきちっと描かれていることだと思いました。
前置きが長くなったので、残りシーズン1のみ見た感想をなるべく手短にと思うのですが、自分的に一番くらったのが、13話あるうちの第10話です。あ、その前に主人公の筆頭角であるベットが黒人と白人のハーフで、お話の中で人種差別とか、そうしたことが割と出てくると思うんですよね。これは、『NYGD』でもティアが言ってましたが、「黒人ってだけでもハンデなのに、その上レズビアン」というのがどういうことか……みたいなことです。それで、ベットって黒人と白人のハーフなので、見た目、あんまり黒人っぽく見えず、どっちかっていうと白人っぽく見えるんですよね。そしてそこを、黒人のレズビアンの女性に攻撃されるシーンっていうのがあって。「その容姿でどれだけ得をしてきたの!?」、「自分が黒人としてどんなに苦労してきたか」、「あなたはアフリカ系の黒人であることをもっとアピールすべきよ」、「そこを誤魔化して得しようとするんじゃなく」……といったことだったと思うのですが、「そんなん、余計なお世話じゃ☆」というのが、聞いてる誰もが思うことかもしれない。でも、「これが人種問題っていうことなんだ」、「黒人の女性はそれだけ抑圧されてるってことなんだな……」みたいなことも、同時に物凄く伝わってきます。
それで、例のわたしが食らった第10話。先に背景を軽く説明すると、ベットはティナという白人女性と結婚してて、彼女はこの少し前に精子をもらって妊娠した子を流産しています。そして、ベットは美術館でディレクターの仕事をしてるのですが、彼女が指揮してる<挑発>というタイトルの展覧会は、まあ、かなりのとこ猥褻といった意味で、タブーを犯している作品がいくつも並ぶ予定なんですよね。その部分で物議を醸し、キリスト教系の宗教団体らしき場所から攻撃を受けるようになります。何度も美術館に電話をしてくる&美術館前での抗議活動といったことがあるのみならず、ベット&ティナの自宅までそうした人たちが押しかけてきたくらいですから、身の危険を感じるくらい大きな問題になりつつあったわけです。そこで、ベットはテレビで相手方のトップに当たる女性と一騎打ちのような形で討論することになるわけですが――実はベットはティナの手助けもあって、その前に相手のフェイ・バックリーという女性の弱味を掴んでいました。実は彼女、美術館の展覧会が猥褻だなんだと抗議していたというのに、『教えて!校長先生』なるアダルトビデオに出演したことがあったという。いざとなったらその弱味をつけばいい……のかもしれないけれど、ベットはそこまでするのは気が進まない様子。ところが、フェイの言い分に押されつつあったベットは――この切り札を使わざるをえないところまで追いこまれるわけです。フェイは崩壊した家庭で育ち、そのアダルトビデオに出たのも、ただお金が必要だったからという切羽詰っての事情があってのことでした。けれど、フェイはフェイで、自分の過去の一番痛い黒歴史を暴かれたことで……「聖書は同性愛を禁じている。だからあなたの愛人の子は流れたの。祝福すべきことよ。その子は神に召された。あなたの不潔な世界に生まれ出て、魂を汚さずに済んだんだから」と、胸の痛むところをグサッと突かれてやり返され、ベットは不本意ながらも涙を流すことに(ベットはフェイに対して「モンスター!」と二度も言ってたと思うのですが、わたし的にシーズン1の中で一番くらったシーンでした)。
いえ、ここまで同性愛や宗教問題、人種問題に切り込んだドラマって、わたしが知らないだけにしても、ちょっとないんじゃないかなって思ったというか。レズビアンではなく、ホモセクシュアルの側のゲイ男性のドラマや映画には、優れたものってあると思うんですけど……レズビアンって、一般的にホモセクシュアルよりも軽く見られがちですよね、たぶん。テニスのプロ選手のデイナが、両親にレズビアンであることをカミングアウトして、その両親が激怒してたのとは違って――「わたし、男の人じゃなくて女が好きなの」って言っても、なんというかこう……「3~4年か5~6年もすれば、女性を卒業して男とつきあってるんじゃないか」くらいの受け止めで、そう深刻な喧嘩にまではならない気がするというか(^^;)
そのあたりの女性同士が愛しあうことや、ようするに男のモノがないよりあったほうがいいだろう……的な一般的誤解(?)っていうんでしょうか。そうしたことについてもかなり踏み込んだ描写があって、素晴らしいと思いましたまた、最初はヘテロで、もうすぐ結婚する予定の男性もいるというのに、女性同士のセックスに目覚めてしまったジェニーっていう女性がいるわけですけど、彼女は今後もバイなのかどうか、気になるところです(最初のほうでは割と「なんて可愛い子なの!」という感じで、途中ボロボロになるところでは強く同情するにも関わらず、最後のほうでは自分的に「清楚系のヤリマンって最悪だな」みたいにちょっと思わなくもない・笑)。
とにかく、大体メインに当たる女性が7人くらいいるわけですけど、ベットとティナの関係は永遠……みたいに思われてたのに、ベットの浮気でそこが最後のほうで覆ってたりとか、浮気したベットが悪いはずなのに、ちょっと同情しちゃったりもするんですよね。妻の妊娠中に夫が浮気とか、世間ではよく聞くわけですけど、ベットの場合はティナの流産後ですから、これが男性なら間違いなくフルボッコ☆です。でも、男だからとか女だからとか関係なく、ベットはベットで妊娠中ティナのことをすごく気遣ってたし、これからは仕事を辞めたティナと生まれてくる赤ん坊の分まで稼がなきゃ……といった経済上のプレッシャーもあり……そしてティナはティナで、経済的な部分を請け負ってるベットに対して、自分を押し殺して沈黙してしまうことがあると、セラピーで告白していたり。。。
本当に、男とか女とか関係ないんだなって、見ててそう思いました。あと、ジェニーに女性とセックスすることの良さを教えたマリーナっていうすごく魅力的な女性がいるんですけど……彼女は彼女で、別れることになっても、ジェニーのことが本当はすごく好きなんですよね。でも、マリーナにはフランチェスカという年上の恋人がいて、彼女は映画や舞台などの衣装を担当している、結構お金を持ってる女性らしい。マリーナはプラネットというカフェを経営してるわけですけど、どうやらフランチェスカが結構お金を出資したらしく……別れればお金を返しなさいとなるとわかってるマリーナは、ジェニーが好きでもフランチェスカとは別れられなかったという
このフランチェスカっていう女性にしても、どこか男性的なんですよね。つまり、男の人でも「オレが金だしてやった」ということで、高圧的な態度の人っていそうですけど、そうすることで年下の美人の恋人を縛ってるわけですからこのあたりも、男だからとか女だからとか関係なく、経済的なカードを握ってるほうがどうしても家庭では上に立つことになる……かといって、ダブルインカムで家事はきっちり平等に分担すればうまくいくかと言えば、必ずしもそうとは限らず……難しい問題だなと思います。。。
それで、他に本当はゲイというか、男同士のそうしたことが好きそうな警官が出てくる回があって、トイレでゲイの男性にしゃぶらせておきながら、逮捕してブタ箱にぶちこんだということなんだと思うんですけど――この警官が、ジェニーの元彼のティムにこう言うシーンがあるんですよね。恋人が女同士で愛し合ってる現場を目撃したのに、そんな女と結婚しちゃって、混乱してスピード出しすぎた……みたいに言ったら、この警官、「よくポルノ映画にこういうのがあるよな?裸の女がふたりでヤッてるところに男がひとりやってきて、ふたりともモノにする。だが、彼女たちは本当は男なんか必要ねえのさ。ゲイってのは男は男同士、女は女同士、同じ道具を持ってる。だから一番危険なんだ。だって、どうするのが一番気持ちいいのかわかってる者同士なんだからな(意訳☆笑)」とか言って、ティムのスピード違反を見逃してくれるわけです(いえ、ほんとはゲイなんだろうけれど、この警官の指に結婚指輪が光ってるところがほんとリアルです)。
他にも、描写的に、「本当にこのとおりのことがあったかのように、ドキュメンタリータッチで撮ってる」ように見えるところが、すごくリアリティがあって素晴らしいと思いましたシーズン2以降も続けて見ようとは思ってますが、でももしかしたら「レズビアンのカップルが色々入れ替わって大体似たようなことが繰り返される」とかだったら、どこかの時点で見なくなる……可能性もちょっとだけなくもないかもしれません(だって、すごく面白いけど全70話もあるから!笑)。
なんにしても、久しぶりにドラマで食らうことが出来て、大変幸せでした……という話です(何ヲ?笑)。
それではまた~!!