こじらせ女子ですが、何か?

心臓外科医との婚約を解消して以後、恋愛に臆病になっていた理穂。そんな彼女の前に今度は耳鼻科医の先生が現れて!?

ウエストワールド。~シーズン3~

2022年02月28日 | 日記

(※海ドラ『ウエストワールド』に関してネタばれ☆があります。一応ご注意くださいませm(_ _)m)

 

『ウエストワールド』、シーズン3まで見終わったのみならず、好きが高じて1973年のマイケル・クライトン版の映画まで見てしまいました(すごく面白かったです)。

 

 あ、もちろんわかってはいるのです。一般的にドラマ版の『ウエストワールド』は「シーズン1→最高!!」、「シーズン2→シーズン1ほどではない。というか、ストーリーにあちこちアラが出てきとるやろがい!!」、「シーズン3→ここまで見させてきて、これかーい!!」となるという、感想をちらほら見ると、そうした意見も結構あるみたいだな~っていうのは

 

 でも、わたし的には面白かったですし、シーズン2以降の作品のアラについても、その指摘についてはよく理解できます。そしてシーズン3の最終回……「なんじゃこりゃ?」となる方がいても、まったく無理もなければ不思議もない――そうなのです。一応わたしだってわかっちゃいるのです(笑)。

 

 そんで、シーズン3見終わってからわたしがしたのが、「これ、ぜってー4とかあんだろ?」と思い、そこらを知りたいと思って軽くググってみたところ……ありますね、シーズン4(笑)。ドロレスがああなってからどうなるのだろう――といった問題については、たぶん何か復活する方法がスタッフさま方にはあるということなのだと思う

 

 なんでそう思うかというと、ドロレス・アバナシーがあのビジュアルで出てきて格闘&銃撃シーンを演じてくれないと、『ウエストワールド』は面白くもなんともない作品だからです(断言!!笑)。

 

 わたしが『ウエストワールド』をシーズン3まで見たのは、とにかくエヴァン・レイチェル・ウッドさん演じるドロレスが美人で可愛くて繊細で優しくて凶暴()だったからです(「このアンドロイド、凶暴につき」という言葉は、彼女のためにあるようなもの。間違いない・笑)。

 

 あと、彼女は『ウエストワールド』脱出後、すごく孤独でもあるんですよねあのまま『ウエストワールド』がアンドロイドの反乱にあうでもなく存続していたとしたら……ホストと呼ばれるアンドロイドは一方的にリアル人間に撃たれて殺されることを繰り返すだけであり、女性の場合は何度となくレイプされたり犯されたりといったことを繰り返され、体を洗浄→記憶を消されて再び同じ悪夢が起きる――といったことを何十回、何百回となく繰り返さなければならない。

 

 そんな状態を終わらせるべく、自我に目覚めたドロレスはアンドロイドたちのリーダーとなり、ついには『ウエストワールド』を脱出した……というのがシーズン2と思うわけです。ドロレスと同じように、自我に目覚めたのが早く、一番最初に『ウエストワールド』を脱出するように見えたメイヴは、記憶の<礎>として与えられた娘を救うため、脱出直前までいっていながら、『ウエストワールド』のほうへ戻ってきてしまう。

 

「あ~、あのまま外へ脱出してれば良かったのに」と感じるシーンが1でも2でもあった気がしますが、「まあ、それだと話続かないしな」というのが、わたし個人の見解です。。。

 

 また、2以降「このエピソードいるか?」というか、『ショーグンワールド』のエピソードなどは、わたし自身すごく面白く見ていましたし、真田広之氏や菊池凛子さんといった日本を代表する俳優さんたちが出てくるのも大きな見どころではありました。でも、面白いとは思うけれど、別の意味では「このためにメイヴは戻されたのか」と感じる部分でもあり――わたしはすごく面白いと思ってじっと見てたとはいえ、メイヴの「他のアンドロイドを操れる」という能力の進化については、「これ、話の収集つくのかな……」と不安になる展開でもあり……その能力をコピーしてクレメンタインに与えていることからみても、2の評価が低いのは大体このあたりの整合性だと思います。まるで、『進撃の巨人』の他の巨人を操れる的能力に似てるなあ……みたいに思ったのは、わたしだけではないはず(あと、日本の漫画やアニメの影響が感じられるあたり、やっぱり日本のアニメや漫画って最強なんだなと再確認。&ゲームもかな・笑)。

 

 そんで、ようやく3の内容のほうに入りますが、シーズン1のサブタイみたいのが『ザ・メイズ(迷路)』で、シーズン2が『ザ・ドア(扉)』、シーズン3が『ザ・ニュー・ワールド(新世界)』なんですよね(なんかちょっとだけジョジョのスタンド名っぽい^^;)。

 

『ウエストワールド』という名の、アンドロイドにとっては悪夢の繰り返される迷路から抜け出す別のドアを見つけ、それぞれ生き残ったホストたちは別れることに。『ウエストワールド』とはまた別の楽園(らしい)プログラムの世界へ入ることの出来たアンドロイドたちは、それはそれで良かったと思うんですよね。けれど、ドロレスはリアル・ワールド、彼女たちにとってのニュー・ワールドを目指し、こちら側の世界で孤軍奮闘する。

 

 まず、2でリアル人間及び彼らを滅ぼすのに、ドロレスが「武器が必要」とテディに語っているのは「流石!」と思います。そのためにドロレスは自分のコピーをデロスの重役、シャーロット・ヘイルとして潜りこませ、自分はインサイトという会社を探る。というのも、このインサイトにはレハブアム(なんとも縁起の悪い名前・笑)という世界で一番情報処理能力が高いらしい、いってみればエシュロンみたいなAIがあるからなんですよね。

 

 このレハブアムを生みだしたアンゲロン・セラックという超頭いい嫌な感じの奴(笑)がいて、新世界におけるドロレスの敵はもっぱらコイツということになります。そしてこのセラック、『ウエストワールド』に残ったメイヴと接触して、娘のことをだしに彼女を利用することに成功。ドロレスとメイヴのこの、「同じアンドロイドで目的も一緒なはずなのに、わかりあえない感」というのは――まあ、見ている側としては「強い女アンドロイドふたりのアクションシーンを撮って盛り上げたいってことだよね、たぶん」といったようにわたし的には理解しております(笑)。

 

 見ていて歯痒いというのとは違って、ドロレスの考えにはバーナード・ロウ含め他のアンドロイドがついていけないのは……それだけ彼女が「孤独だ」という意味で、すごく悲しいことなんですよね(テディですら、ついて来れなかった)。もともとの彼女というのは繊細なので、人殺しなんて、そうプログラムされているからというより、性格的に優しくて出来ないという感じなのに――自我に目覚めて以降は、「ノンストップ!殺戮アンドロイド」状態で。。。

 

 でも、それもまた「自分ひとりのため」ではなく、他のアンドロイド全体のためにも、「それが絶対に必要なことだと思うから」なんですよね。このあたり、メイヴはリアル人間の世界を手に入れるのに彼らの世界を壊したり、人間を思うだけ殺してアンドロイドの世界にする……というのは、「そんなことは出来ない、無理なこと」という理解なのだと思います。そして、ドロレスのほうでも、リアルワールドのほうへやって来る前までは、人間を滅ぼしてそこをアンドロイドの真の楽園にしようという考えがあったのだと思う。でも「現実」にはそこには、ウエストワールドなどとは比較にならないほどの広さの世界と、想像していた以上に数多い、人間たちが住んでいた。もちろん、彼らから住む場所を奪い、人類を絶滅させるということは理論上不可能ではない。けれど、ドロレスは「その選択はリアル人間に任せる」ということにしたという、シーズン3のあの結末というのは、そうしたことだったのではないでしょうか。。。

 

 まあ、シーズン3の評価がシーズン2より厳しいのは(いえ、わたしは超面白く見てましたけども・笑)、レハブアムが集めたそれぞれの個人情報に基づいて人々の未来を確定し、外れ価(ね)に当たる人々を外していったわけですけど、このくらいの将来を告げられたからって未来を悲観したり、自殺したりするっていうのは――わたし自身はありえないことのような気がしました(^^;)たとえば、「十二年後に腎臓を患って死亡」とか、「七~八年後に鬱病になって自殺する」なんて書いてあるメールが送られてきても、「そうなる可能性もある」くらいなもので、占いと一緒で「ちょっと注意しよう」くらいなものなのでは……と思うわけです。もしかしたらこのあたり、もっと詳細なデータが各個人に「それがあなたに将来、もっとも起きる可能性の高いことです」として送付したにしても――あそこまで混乱したりはしない気がするんですよね

 

 そんで、そんなもん送られてきたら当然、インサイト社に抗議したり、暴動が起きたりするのは当然のこととは思うものの……ケイレブ・ニコルスが人類の救世主とかいうのも――あ、もしかしたらこのあたり、4で詳しく描かれるのかもしれませんが、「ええっと、そりゃまあ意味はわかるけど、結局ドロレスの自己犠牲がレハブアムを滅ぼしたのでは?」とわたし自身は思いましたし、アーロン・ポールさんは素晴らしい役者さんと思うものの、ケイレブって、なんかビミョ~☆な役柄かなあ、なんて。

 

 そして、アンゲロン・セラックも、ずっと自分の考えが正しいとして行動してる人物のように見えて、レハブアムの声に聞き従っていたに過ぎないという……「うん、陳腐なのはわかってるよ」という、制作スタッフさまの声が聞こえてきそうなあの展開。。。

 

 にも関わらず、わたし自身は『ウエストワールド』というドラマ作品を非常に高く評価しています。というのも、元ネタは1973年のマイケル・クライトンの『ウエストワールド』かもしれませんが(ターミネーターの原型はどうも、この映画のユル・ブリンナー演じるガン・スリンガーぽい気が^^;)、作品の舞台が2030年代に置かれているように――いずれこれに近いことというのは起きてくるだろう……と、その部分について先取りして描かれた映像作品と思うからです。

 

 3Dプリンターによって人間の臓器をプリントできる技術だって、そう遠くない将来実現するかもしれませんし、あとは、そのように3Dプリンターによって造られた人間にAIを搭載し、ある程度性格設定するなどして擬似的な人格を与えれば……とりあえず、心を持った人間のように見えるかもしれません。また、シーズン2では人間の心の複写について触れられていたと思うんですけど、これも今の時点で実現可能みたいに言われてますよね。生前のその人の行動や考え方のクセなどを細かく設定し、アンドロイドの中に<心>(『ウエストワールド』の世界ではパールと呼ばれるアレ☆)として埋め込めば――まあ、なんか生前のその人っぽい行動を取るようになるという例のあの話。これは脳の中の情報をデータ化してバックアップしておき、自分そっくりのクローンに再びこれをダウンロードすれば……ある意味、その人はずっと生き続けられるという設定がSF小説にあったと思うんですけど、『ウエストワールド』では、心の複写を行なうことによって<永遠に生きる>実験みたいのを行っている。

 

 でも、うまく心が定着しなかったというか、ジェームズ・デロスさんの実験というのはそういうことでなかったかと思ったり(=現実の世界でこれと同じことを行えたとしても、結果はこんなものですよという、警鐘なんじゃないでしょうか^^;)。また、ケイレブは死んだ友人のフランシスさんという方から、彼の死後何度も電話がかかって来て、カウンセラーになってもらっている。これはたぶん、生前のフランシスさんのデータが保存されていて、「こう言われたら、彼ならこう返答するだろう」みたいなプログラムがケイレブの相手をしてるということだと思うんですよね。=自分の家族や友人、恋人のデータをバックアップしておけば、自分の近しい人の死後、グリーフワークとして役立てられるということなのでしょうが、「そんなことが出来たからといって、倫理的にどうなんだ」という問題がある一方、ニーズがあればビジネスとして成立するってことですよね

 

 あと、シーズン2、シーズン3を通して、黒服の男ウィリアムさんの扱いというのが……「この男のエピソード、もういらんだろ」と感じる方のほうが多いんじゃないかなと、自分的には思ってて。ええと、わたしも一応、彼には何か重要な意味があって生かされてるのかなって思ってました。でもどうも、シーズン3のラストを見ると、結局のところあまりエピソードとして上手く料理できなかったのかな、なんて。。。

 

 でも、わたし的にはウィリアムさんがシーズン3までずっと出てきてくれて、すごく良かったと思っています。何故かというと、このウィリアムさんみたいな人って現実にもいますし、世間では善人として通っていながら、奥さんと娘さんには彼の本性が見えている……とか、自分的にすごく共感できるエピソードでした(というか、このタイプの人を父親として持ったり、関わったことある人にとっては「あ~、わかるわかる」という話^^;)。

 

 それで、彼にしても最初は善人なんですよね。その上、『ウエストワールド』へやって来た最初の頃、ドロレスとも心から愛しあうような関係になってもいるその後、「彼女は所詮ホストのアンドロイド」と悟り、アンドロイドたちは本物の人間とは違うから、銃で撃とうがナイフで刺し殺そうがどうということもない……みたいになって、『ウエストワールド』を十分堪能するコツがわかってからは、ウィリアムはどんどん怪物化していく。

 

 このあたり、見た目が綺麗な女性でも子供でも――相手は結局プログラムの集積に過ぎないということがわかってくると、相手を銃で殺そうがナイフで刺そうが、単にプログラムを破壊しているだけ……ということでもある。とはいえ、奥さんの自殺の原因になっていたり、娘のケイティに「あんたは本質そのものが嘘なのよ」と言われていたり、現実側のウィリアムは最後、「自分だけが自分をマトモと思っているクレイジーな人」のようになっていきます。

 

 ウィリアム氏については、一般的なドラマの見方としては「途中まで味のある面白い奴だったのに、名優の無駄遣いだな」と感じられる方のほうが多いかもしれません。でも、自分的に……『ウエストワールド』のようなものが現実にあって、そこでアンドロイドを殺し放題、女性は犯し放題となったら――現実のほうがおかしくならない人っていないと思うわけです。だから、これからリアル・ワールドの人たちって、仮想現実の世界のほうにいる時間のほうが長くなるだろう……みたいに言われてるわけですけど(また、このあたりのことを扱った漫画や小説やアニメは大人気です)、『ウエストワールド』にいる時だけ、俺は本当のオレになれる的生活をずっと送っていた場合――やっぱり、本人の気づかない間にウィリアムみたいになっていくんだろうなって思います。「俺は現実との違いをわかってる」と言っていたり、ウィリアムさんの行動というのは、「自分をそこらの凡人と一緒にするな」と言いたげなものだったわけですけど、あれはもう仮想現実ジャンキーの末期症状の出ている姿だった……そういうことなんでしょうね(^^;)

 

 わたし、『レディ・プレイヤー1』のラストを見た時、「嗚呼、スピルバーグも老いたな」と思ったんですけど、確か週二回、火曜と木曜だかに、仮想現実の世界はお休みにしよう的な……いえ、わたし自身はあそこまで技術が進んだら、もうそれは絶対無理と思うんですよねそれで、だんだん仮想現実の世界にいる時間が長くなっても、それが健全じゃないとか言われても――この流れ自体は止められないものだと思う、というか。ただ、「それは正しくない」みたいな声というのは頭のどっかに人間誰しもあって、実際のところ、ヴァーチャル・リアリティの世界に対して警鐘を鳴らすタイプの作品というのは、「そこにあるのは理想郷じゃない。理想郷のなりそこないだ」みたいに描かれて終わる場合が多いそうです。

 

 でも、ドロレスが最後、「世界は醜くて残酷だけれども、美しい」という「美しい世界」を信じることにしたというのは……彼女がアンドロイドであっても、多くの人間がするだろう選択を選んだというのは、それだけドロレスが人間に近かった、いや、人間そのものとさえ言えたという証拠のようなものだったのではないでしょうか。

 

 なんにしても、今後ともこの種のことを描いた映像作品というのは絶対必要と思うし、もしかしたら『ウエストワールド』はドラマシリーズとして失敗していると一般に思われてるかもしれませんが(笑)、そのあたりの非常に重要なことを伝えてくれる作品だと思う(いえ、制作者スタッフさんだって「このあたりは陳腐だった」とか、ちゃんとわかってると思いますよ^^;)。なので、シーズン4でさらに面白さの質が落ちてようとも、わたし自身はとにかく最後まで絶対に見る予定でいます!!!

 

 それではまた~!!

 

 

 


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