御手紙拝見いたしました。
先ず端的に申し上げますが、宗教は学問ではありません。といって、
あなたのおっしゃるような情ばかり、こころばかりの弱々しいもの
でもありません。
宗教とは、本来、人の心をゆたかにし、生き生きとさせるもの
であります。
それは深い本来心をかかえ込んで生き生きとさせてゆくのです。宗教
という言葉を抜いていいますと、真実にやさしさを発揮する人を
育ててゆくのです。なぜなら、それが人間の真性だからです。この
やさしさを発揮させるために指導者は、そして宗教によってくる人々は、
ありのままの自分を、そのままに投げ出す時に味わう平和を、
祈りのなかに見出すのです。
決してたなからボタもちではないのです。
人々の愛をよりつよくたくましくするために、神様はあらゆる手段を
お使いになるのです。そして、このきたえは、人間の真性が光だ
ということをよく御存知の神様だからこそおできになるのです。
私どもは、この神様の前にいのちを投げ出していのちをやさしく
やわらかにしてゆくのであります。
昌 久