なぜ僕は、4人以上の場になると会話が苦手になるのか
岩本武範
サンマーク出版
ハウツーとしてのこの本で大事なところは3点。
・席に座るときは●●●●●を選ぶ。
・トークが始まる前に●●●●●をする。
・何かを説明するときは●●●●●の順で。
以上である。
あえて付け足すならば
・相手に話しかけるときは●●●●●の距離から。
・服装は●●●●●。
が加わる具合か。
たぶんスクロールする必要もないくらいの画面1枚でおさまる。
それを引っ張りに引っ張って一冊の本にしたと言えなくもない。
しかし内容を書いてしまうと、営業妨害なのでこれ以上は書かない。
さて。
本書の面白い点があるとすれば、「4人」グループになったときのそれぞれのポジション分析と、「脳の働き」からのアプローチだろう。
「4人」グループのポジション分析というのは、よくしゃべる順に
「1番手」…しゃべりたがり。ボス肌。相手の話を理解するのは若干苦手。
「2番手」…いちばん話をふられる。メンバーから信頼されている。
「3番手」…実は「1番手」のポジションに愛憎半ば。
「4番手」…自分の意見が言えず、うなづいてばかり。いたのかどうか後で記憶に残られない。
というわけで、要は2番手を狙えという話であるが、「3番手」の考察が意地悪くて面白い。
また、「脳の働き」という点では、著者曰くコミュニケーションを円滑にするためには前頭葉を働かせなければならず、コミュニケーションの阻害(コミュ障にさせる機能)は、大脳辺縁系にあるとするもの。前頭葉は理性や論理を司る新しい脳、大脳辺縁系は動物的な古い脳である。
前頭葉の働きこそが、複数からインプットされる情報を高速並列に処理し、複数にアウトプットするのだそうだ。聖徳太子は前頭葉が優れていたのであろう。
ということは、「推古天皇」「蘇我馬子」「聖徳太子」の3人ならば
「1番手」…蘇我馬子
「2番手」…聖徳太子
「3番手」…推古天皇
となるのかな。「4番手」は歴史書からも消えたということで。