明るい陽の下では、決して様子のいいせせらぎとはいえません
ほとんどの人は、ただの用水路と気にも留める事もありません。
が、水は田圃から流れてきています。奥には湧き水もあります。
よく探せば蛙や田螺、沢蟹も見つける事ができます。
さらに梅雨に入れば、自然のホタルも 少なからず見る事が出来ます。宵いに誘われ店を出れば、昼間の側溝も夜目には沢をホタルがふわふわと飛び交う様に見えるのは酔いのせいでしょうか。
物おもへば 沢の蛍も我が身より あくがれいづる 魂かとぞみる和泉式部
しかし、蛍の光る時期はとても短く、その光にも似て、はかなく静かに終わります。
やがて静けさは蛙の声かまびすしい夜と移り、季節は本格的な夏へと向かいます。