on Bass+

~ す き こ そ も の の あ は れ な り け り ~

僕らが作ったギターの名器 / 椎野秀聰

2010年09月25日 17時55分12秒 | BOOKS
出張前の本屋、ビジネス書を探しに行った新書判のコーナーで見つけたこの本。
読んでる最中にあまりに面白かったのでtwitterでかなりつぶやきましたが、

すげーーーーーーーーーーーっ面白いです!

ヤマハの社員を経て現Vestax社長となっているサウンドデザイナー椎野秀聰氏が、
今まで係わって来た80にも及ぶブランドの楽器についての製作秘話や裏話。
プリンスが映画パープルレインで使っていた、
H.S.アンダーソンのテレキャス「マッドキャッツ」(表紙のヤツね)
を生み出した人と言えば解り易いでしょうか。

70年代のGreco、ESPの立ち上げ、ChandlerのOEM、
今なおファンの多いVestaxのギター、ベース(今のVestaxはDJ機器のメーカーとして有名)
ジャズギターの老舗ブランドD'Angelicoに至るまで、
様々な名器を生み出しまた係わって来た楽器に対する造詣、拘りがメチャクチャ詰まった一冊!
ギター好き、楽器マニアと言うより、若いミュージシャンにこそ読んでもらいたい。
楽器の基本的な構造が解りやすく書かれているし、本物のギターがどんな物なのか、
職人の経験値を無視して、コストパフォーマンス優先で量産された、
そんじょそこらの楽器屋に吊るされているギターが如何にダメなのかがよく分かる。
ギターを演奏する人間ならコレを読んでおくだけでも、
自分のギターに対する認識が変わると思う。

印象に残ったエピソードをいくつか紹介すると。
70年代日本にまだ納得のできるギター弦が無く、
でも日本で生まれたギターに外国の弦を張るのが嫌で、
スウェーデン鋼の買い付けにニューヨークまで行った話とか、

日本製ピックアップがどうしていい音を出さないのか...を突き詰めて行ったら、
コイルを巻く日本の技術の高さ精度の良さが裏目に出ていた。
海外製の適度にいい加減な巻きの粗さが生み出す程良い歪みが味になる...って話とか。

ギターはたとえ入門者用の低価格品であっても、
弾き易くバランスを考えて作られ、キチンと調整されてさえいれば、
Fのコードが押さえられないなんて事は無い...て話とか。

ギブソンやフェンダーの精度検査を日本でやっていた話とか。

僕も昔から感じていた、ノイズも音のうちで余分を排し過ぎた
キレイ過ぎる音は深みが無くなり詰まらない...とか。。。

もう、目からウロコ! 個人的にモヤモヤしていた事が、
この本にしっかり書かれていて、共感出来る事ばかり!
読みながら思わず「やっぱり!」とか「でしょー!」とか声を上げてしまいました。

最近ギタービルダーとして名の知れている百瀬氏や杉本氏の名前も出て来る。...
そう言えばムネやんが前に使ってたAKAIのギター1997も出てた。
(ムネやんもう売っちゃった?)


この本! 是非! 是非! 是非!!!!!! 

読んで下さい!!!!!




※ちなみに最近....Vestaxのベースを1本。。入手しました。♪
コメント (17)
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芸術集会 第16弾 完遂

2010年09月25日 00時22分53秒 | 鍵猫
「・・・・・・・・・・・・・・・・」

、もう言葉になりません。

僕は鍵猫の1ステージだけしか参加していないのに。
今日、もの凄い疲労感と充実感。
17:00 Theユートピアから 22:30 創作ダンスまで、
長時間でありながら息つく暇も無い程の濃密なイベントでした。
特に海堀賢太郎の叩き語りとmement森のステージは、
少しでも感受性のある人だったら、みんな泣いたんじゃないかな。
nabeさんとか号泣状態だったし。
僕もビンビンと来る物があって目を反らす事が出来なかった。
全部のレポ書いてると終わりそうに無いので特に心に残ったところだけ。。

で、コンセプト。
全員白塗り... ゲスト多数。。。
ステージいっぱいの大所帯になってるのに正規のドラムが不在という。。。
どうなる事かと思ったんですが、
フタを空けてみればコンセプト楽団って感じで非常に面白いステージ!
特異的個性を放つワキイチさんとカズちゃんに目が行きがちなんですが、
2人+多くのゲスト陣が自由に暴れられる土台をしっかり支えていたドアノブさんの
堅実かつクリエイティブなベースラインが光ってました。
あのベースは簡単なようで実はなかなか難しい。。。
この形態のコンセプトをまたみたい。。。

賢太郎の叩き語りは照明無しの暗闇で行なわれる。
詳しく書かないけど、正直で真っ直ぐな彼の言葉は心をグイグイ抉りに来る。
カッコいい! カッコ良過ぎ! それに会場のアチコチですすり泣く声。。。

aori君のステージには後半エミリーと賢太郎が乱入。
彼の気持のいいバックトラックに2人が即興詩を重ねて行く。
あり得ない贅沢なコラボレーション!
サンプラーのフロッピー60枚持って来てたのに、
2枚しか使わなかったって後で言ってたけど。
勿体ない! コラボも良かったけど気持のいいサウンドをもっと聴いてみたい。

トリ前「mement森」のステージは正に圧巻!
溢れる様に打ち出される言葉の洪水と、
それをしっかりと受け止めるバックの演奏の確かさ。やられました。

ネタバレでかも知れないけど彼らのリハーサルはもの凄く細かい。
鍵猫なんかザッと曲を通してやって自分の立ち位置でそう違和感無かったら、
ま。こんなもんでしょ。ってくらいでスグOK出すんですけど。彼らは違う。
入念にセッティングする事はもちろん。
演奏が始まったとたん4小節も進まないうちに
Vo.宮地君が次々とP.A.に注文を出し始める。
それに続いて「ギターです!ドラムの音を少し上げて、自分の音を少し下げてください!」
「ベースです!ボーカルとギターの音を上げて、アコギを下げてください!」
「ドラムです!ギターを下げてベースとパーカッションをください!」
等々...メンバー全員から矢継ぎ早に次々と要望が飛び交う。
曲が進むたび、曲が変わる度にそんな事が何度も繰り返され...P.A.のもーりーは大変だったと思う。
思うに彼らの頭の中には出したい音のイメージが明確にあって。
最高の演奏をする為に妥協せず時間の許す限り準備をし本番に万全を期しているのだろう。
その姿勢は多いに見習うベキ。
正直言って頭が下がる思いでした。

僕ら鍵猫のステージはと言えば、
終わってお客さんの評判はすこぶる良かったんだけど、
僕はその前の賢太郎の叩き語りに影響されて力入り過ぎ。。。
最後までギクシャクして正直言って、納得行く演奏ではなかったかな。。。
勢いダケじゃ駄目ですね。緊張しつつリラックスしないと。
ギターのムネやんがその分調子よくて助かった~

エミリは最後の創作ダンス以外に妖艶ショーやプリキュアコスプレショー。
それにaori君のステージ参加を出過ぎなくらい出てましたが、
やっぱり最後の「創作ダンス」が圧巻!
30分にも及ぶ曲に乗った無言のステージは観る物の創造力を掻き立て、
意識をステージの渦に巻き込んで行く。
タライに頭を突っ込まれビショビショになってたエミリーにサヤちゃん。
manahちゃんは最後、壁に磷付にされる始末。。。
観てる人に確実にトラウマ埋め込んだ事と思います。
サエちゃんと、manahちゃんの男なのにエロい2人とのコラボレーションは
毎回非常に面白いし芸集だけとか言わずに定期的にやればいいのに。。。

会場は大打鼓盤関連のドラマーの皆さんをはじめ、
来場者も70名を超えて大盛況。
遅くまで大勢の人が残ってくれて、
最後の創作ダンスが終わった後もみんな放心状態。
思い思いに周りの人達と話をして帰りたく無い様子。

みんな色んな感想をtwitterやmixi、ブログとかに書いてくれてるけど、
ホントに心に爪痕を残す特異なイベントでした。
またやらねば。

※画像は最後の「創作ダンス」


コメント (6)
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