テレビの画面を撮影
録画しておいた映画『ガンジー』を観た。3時間を超す大作で,弁護士として南アフリカにおけるインド人差別に抗した闘いから,1948年ヒンドゥー教原理主義者の凶弾に倒れるまでのガンジーの軌跡が描かれている。映画はイギリス・インド・アメリカの合作で1982年に公開され,アカデミー賞を総なめにした。主演のベン・キングスレーは余りにもガンジーに似ていためため,ガンジー崇拝者から額づかれたという逸話が残っている。
ガンジーは運動の原則としての非暴力・不服従を徹底して貫き,独立運動がこの原則から逸脱すると,断食によって自らの命を危険にさらして民衆に訴え,運動を軌道に戻した。南アフリカからインドに帰った時は,背広を脱いで労働者の服装で下船し,大衆の心をつかんだ。富も栄誉も求めず,糸車で紡ぐ姿が象徴するように,常に民衆の中に身を置き,その圧倒的な支持を受け,植民地政府も度重なる投獄によってもガンジーを抑えきれなかった。映画ではそうした独立運動の過程が分かりやすく,リアルに描かれている。
1919年に,集会に集まった人々に軍隊が銃火を浴びせ,1500名以上の死者を出したアムリットサル事件のシーンでは,銃口の前で丸腰で軍政に抗議するミャンマーの人々がわたしの中で二重写しになった。
植民地政府の塩専売に抗議するために,民衆とともに海岸での製塩に赴くガンジー。テレビの画面より。