島 唄
昨日のニュース番組で,日本の「島唄」がアルゼンチンのサッカーチームの応援歌になっていることが報じられていた。
この歌には思い出がある。
2001年にパラグアイにJICA専門家として赴任していた時のことだ。一人で車を運転していた時,カーラジオから聞き覚えのある歌が流れてきた。それは紛うことなく「島唄」だった。日本語で歌われていた。
どうして地球の裏側の歌が聞こえるのかと,不思議に思ってパラグアイの仲間に聞いてみたら,「多分アルゼンチンの放送を聞いたんだろう。その歌はアルゼンチンで大ヒットしている」と教えてくれた。
滞在していたエンカルナシオンという町は,パラナ川をはさんでアルゼンチンと接しているので,納得できる話だった。
「島唄」は宮沢和史さんの作詞・作曲で,山梨県生まれの宮沢さんは,沖縄出身でない自分が沖縄調の歌を発表することに若干臆したという話を聞いたことがある。しかし,それは杞憂で,「島唄」はミリオンセラーとなり,沖縄出身の歌手がカバーしている。
首里城。1996年撮影。
「島唄」がアルゼンチンサッカーチームの応援歌になったいきさつに興味があったので,ネットで調べてみた。
2001年に,アルゼンチンのマルチタレント,アルフレッド・カセーロさんが,寿司バーでこの歌を聴いてほれ込み,自分でカバーしたところ,それがヒットチャート№1の大ヒットとなった。そして,2002年の日韓共同のFIFAワールドカップに出場したアルゼンチンチームの応援歌になったという。
ブエノスアイレスの街角で。2002年撮影
宮沢さんがアルゼンチンを訪れた時,カセーロさんは無断で「島唄」をカバーしたことを宮沢さんに詫び,売上金を全額受け取って欲しいと申し出た。宮沢さんはそれを辞退し,アルゼンチンに自分の歌を紹介してくれたことに感謝したという。いい話だ。
昨夜のNHKテレビ『アナザーストーリー』の後半部分を見たが,六・八・九トリオによる「上を向いて歩こう(SUKIYAKI)」が世界中で歌われ,人々を力づけたことが紹介されていた。
歌というのは不思議な力を持っているものだ。
島 唄 宮沢和史作詞・作曲
でいごの花が咲き 風を呼び 嵐が来た
でいごが咲き乱れ 風を呼び 嵐が来た
くり返す悲しみは 島渡る波のよう
ウージの森であなたと出会い
ウージの下で千代にさよなら
島唄よ 風に乗り 鳥とともに 海を渡れ
島唄よ 風に乗り 届けておくれ 私の涙
STOP WAR!
作曲された「島唄」がアルゼンチンサッカーチムの応援歌である事は全く知りませんでした。驚きました。
三線をバックにに歌われる「島唄」には心打たれます。「芭蕉布」「涙そうそう」「童心」「花」等多くの沖縄の歌は私は大好きです。