羽花山人日記

徒然なるままに

眼鏡

2021-11-10 17:08:31 | 日記

読書用の眼鏡を購入した。普段かけている眼鏡は遠近両用で,矯正視力は1.2くらいあるので,日常生活には差し支えないが,数年前から本やパソコン画面を見るのに不自由を感じるようになった。そこで,美人のお尻に敷かれても壊れないというコマーシャルに惹かれて,ハズキルーペを購入し,読書用に使っていたが,最近目が疲れるようになって,読書専用の眼鏡を処方してもらい,購入した。甚だ調子がいい。

眼鏡をかけだしたのは,42歳の時だった。生来視力はいい方で,1.5くらいはあったのだが,明るさが落ちると手許が見にくくなっているのに気づき,眼科医の診察を受けた。

この先生,わたしの年齢を聞いて,老眼というのは45歳くらいから始まるものだから,あなたの場合はそれに当たらない,と検査をせずに宣告し,疲れ目でしょうと薬を処方してくれた。

家に帰って調べると,ATP(アデノシン三リン酸)がその成分だった。ATPは生体エネルギー代謝のキー物質で,細胞間の移動は困難と習っていたので,消化器系から眼球まで果たして届くものかと疑問に思い,処方してくれた眼科医に不信を抱いて,近所の眼鏡屋さんを訪れた。

眼鏡屋さんはちょっと検査して,老眼ですねと診断を下し,眼鏡を勧めてくれた。仕事柄,手元の資料と遠くを見ることが同時に必要なことがあるので,遠近両用の眼鏡を作ってもらった。

大変便利な眼鏡だったが,馴れるまでに目が充血したりすることがあった。しかし,何よりも驚いたのは,正方形がひし形に見えることであった。眼鏡をはずすと正方形である。眼鏡を通して網膜に結ぶ像がひし形ということだったのだろう。

ところが,いつの間にか正方形は正方形に見えるようになった。方眼紙の升目や折り紙は正方形であるという既成観念があって,脳の中で結ばれる像をそれにそぐえるように修正したのだろう。

認識するというのは,どういうことだろう。時々,見ているものの形が,本当の形かどうかと,考えることがある。

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もぐらたたき

2021-11-09 16:51:15 | 日記

もぐらたたき

政府の新型コロナ感染症対策分科会が,感染状況評価の新しい指標を発表した。

これまでは,感染者数を重視して,ステージを4段階に分けて対策を立てていた。新しい指標では,感染者数に対応する医療の逼迫度が基準になっている。

これまでは,感染状況を追っかけるような形だったが,これからは感染状況を待ち構えて対応しようというのである。新規感染者数が少ない現在の状況だから,ゆとりをもって対策が立てられるのだろう。

いわば,とびだしてくるのを叩いてひっこめさせる,「もぐらたたき」を連想させる。

感染者発見の迅速化と,感染予防の強化によって,もぐらが顔を出すのを見逃さず,素早く小槌を振り下ろすように願いたい。

 

パンダ

今日の朝日新聞15面に,『これも「大谷現象」』と題して,3人の方の視点が紹介されていた。川村卓さんは,専門領域だけにこだわらない能力の伸びしろの大切さを「二刀流」が教えてくれたことを,小西克哉さんは,大谷選手の活躍が,アメリカの差別議論に投じた波紋を,桧山珠美さんは,大谷選手の与える「楽しさ」を,それぞれ指摘していた。

いずれも「なるほど」と感心したが,桧山さんが引用していた和田アキ子さんの発言が面白かった。

「何の文句もなく楽しめ,悪く言う人がいない」のは「上野動物園の2匹のパンダと大谷翔平くんだね」

 

熟    成

10月31日

11月9日

つるし柿がきれいに熟成した。おいしかった。

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ふくれみかん

2021-11-08 17:19:33 | 日記

ふくれみかん

漢字で,福來みかんと書く。

茨城県筑波山周辺の特産品。写真で見るように,温州みかんとくべるとずいぶん小さく,直径は4cm足らずで可愛いが,皮をむくとしっかりと房がついていて,ジューシーな果肉が包まれている。生意気にも,タネが入っていることがある。

わたしは,以前食べた時あまりにもすっぱかったので,以来敬遠していたが,カミさんが友人から庭先になっていたのをいただいてきて,食べてみたら酸味と甘みの組み合わせが絶妙だった。

福來みかんは,温州みかんの仲間とちがって,橘である。

国民学校で,垂神天皇の命を受けたタジマモリ(田道間守,多遅麻毛里)が,常世國から橘をとってきた話を読んでいたので,橘は外来種と思っていたら,数少ないミカン科の在来種だそうである。常陸風土記にも記載があり,この辺ではみかんと言えば,福來みかんのことだったが,温州みかんに押されて,余りかえりみられなくなったという。

最近は,福來みかんの振興会などができ,全国展開しようとしている。通販でも購入可能である。

チビ君を応援したい。

 

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鼾と寝言

2021-11-07 15:26:13 | 日記

鼾と寝言

自分の鼾で昼寝から目が覚めた。あるいは,眼が覚めた時に,鼾の名残を聞いたのかもしれない。とにかく,そういうことが時々ある。

高校時代から,鼾と寝言が大きいことはひとから言われていた。これに歯ぎしりが加わっていたのだが,今は,寝るときに入れ歯を外すので,やりたくてもできない。

高校時代のクラブの合宿の時,見回りの上級生がわたしの寝具の乱れを直してくれた。2,3歩行き過ぎた時,後ろで「バカヤロウ」とわたしが寝言でいうのを聞いて,よほど起こしてひっぱたいてやろうかと思ったそうだ。「すみません」とあやまった。

友人と3人でツアーに行った時,2人部屋と1人部屋を交代で使うことにしていたが,余りにもすさまじいわたしの鼾に,わたしはいつも1人部屋でやすむことになった。

結婚する時,家庭裁判所で調停員をしていた友達に,寝言と鼾は離婚の原因になり得るのかと聞いたところ,「なる」と言われ,いささか気になっていた。

結婚して初めて,カミさんの実家に泊りがけで行った時,わたしの寝言が家中にひびいて,家人がみんな廊下に飛び出したそうだ。ところが同じ部屋に寝ていたカミさんは,白河夜船で全く気がつかなかったという。どうも彼女は,寝言と鼾に対する感受性が低い性質だったらしい。

おかげで,これまで離婚されないでいる。

 

涅    槃

2007年8月,タイの寺院にて撮影。

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立法府

2021-11-06 16:38:55 | 日記

昨日(11月4日)の朝日新聞11面に,ノンフィクション作家 保坂正康さんへの,今回の衆議院選挙の結果についてのインタビュー記事が載っていた。

保坂さんは,3点について分析している。

1点目は,国民が何にも増して現状維持を望んだということ,2点目は,総体的に保守勢力が追認され,護憲・戦後体制の崩壊という結果になったこと,3点目は,立法府の無力化が進むことになったことへの危惧。そして,選挙の結果を,「哲理なき現状維持」と概括している。

わたしは,3点目の「立法府の無力化」の指摘に,特に留意したい。保坂さんは,「安部・菅政権において,政府の意向が先行し,国会があってなきような『行政の独裁』というべき状態が続いて」来たと指摘し,この状況は戦時中の軍事政権の独裁を想起させると述べ,今回の選挙ではそれが問われるべきであったと主張している。

今回の選挙の投票率は53.93%は戦後三番目の低さで,18歳では51.4%,19歳では35.04%と恐るべき低さになっている。これは,国民,特に若者の国会への期待の欠如を反映しているといえよう。世論調査で示された,選挙に行かない理由のトップは,「行っても行かなくても,別に変ることはない」である。わたし自身も,投票をしながらそういう思いに,取りつかれることがある。

「哲理なき現状維持」の中で,司法・行政・立法の三権分立を柱にした,戦後民主主義が崩壊の危機にある。与野党を問わず,政治家はこのことに無自覚であってはならない。

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ドクターX

2021-11-05 16:53:54 | 日記

テレ朝の看板番組,『科捜研の女』,『相棒』,『ドクターX 外科医大門未知子』が,10月から放映されている。いずれも長命で,しかも高視聴率を維持しているのは,大したものである。

『科捜研の女』は,沢口靖子さん扮するマリコが健気に頑張っているようだが,時間帯の関係で見逃している。

『相棒』は,ほぼ毎回見ているが,実は少々食傷気味である。トリックを探すのが大変であろうか,このところネタバレが目立ち,それをカバーするために無理などんでん返しをつけ足しているような気がする。水谷豊さんの杉下右京が最後の方で,血相を変えて正義を説くシーンがあって,いささか白けた気分で見ていたが,このところそのシーンはなくっている。

三つの中で,一番面白いのが『ドクターX』である。他の二つにも,現実離れしたでたらめが入っているが,警察ものではでたらめさに限界がある。その点,ドタバタ喜劇の『ドクターX』は,でたらめさが貫徹されていて,痛快である。何で,医師紹介所が銭湯なのか,なぜ大門未知子は失敗しないのか,どうやって1千万,2千万円の手術料が払えるのか,etc.

米倉涼子さん演じる大門未知子の脇役に,主役級の役者を配し,番組に重みをつけている。こわもての遠藤憲一さんが三枚目を演じて,西田敏行さんと絶妙な掛け合いをするのが楽しい。もっとも,海老名外科部長は秋田県に左遷されてしまったので,この掛け合いは見られなくなるのだろうか。

ドタバタ喜劇ではあるが,各回にヒューマンな挿話があって,大門未知子のキャラクターにうるおいを付与している。

とにかく,米倉涼子さんは素晴らしい役者である。これからも,「致しません」「私失敗しないので」の,歯切れのいい演技を期待したい。

なお,この番組のコマーシャルに,古色蒼然たる「ピアノ売って頂戴」が登場するのが,お愛嬌である。

写真はいずれもテレビ画面を撮影

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責任

2021-11-03 15:44:35 | 日記

責     任

立憲民主党の枝野党首が,衆議院選挙敗北の責任をとって辞任する。もちろん,首のすげ替えで済む話でないことは,党として十分分かっていなければ困る。

「希望の党」から左を割って作られたという党の歴史を考えれば,左派の大同団結を目指した今回の統一候補戦略は,必然だったかもしれない。しかし,頼りにしていた無党派層からの支持が減少する結果となった。

今回とった戦略を前提にして責任をとるのか,戦略そのものを総括し直して責任をとるのか。そこに路線の分かれ目がある。

一方の日本共産党は,ぶれずに今回の戦略を続行するという。革命党にとって,「ぶれない」ことは必要だろうが,大衆路線をとる上で,「ぶれない」ことは利点だろうか,欠点だろうか。

 

散歩の途中で(11月4日撮影)

久しぶりに行った親水公園にカモが戻っていた。

この季節にツツジが咲いていた。不時開花か,秋咲きの品種なのか,不明である。

ガザニア。ギリシャの学者,「ガザ」に由来する名前とか。

ヒメツルソバ。直径1センチくらいで可愛らしい。

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ステッキ

2021-11-03 15:44:35 | 日記

この頃,バランスを崩してたたらを踏むことが時々あり,歩道が整備されていない道を歩くときに,車がそばを通ると,ちょっと怖い思いをする。

昨日,1キロほど歩いて医者に行った時,ステッキを使ってみた。

私より3歳くらい若い友人は,「転ばぬ先の杖」と称してずいぶん前からステッキを使っていて,わたしにも盛んに勧めてくれた。だが,ステッキに頼ると,筋肉が衰えるという話を聞いていたので,頑張っていたが,背に腹は代えられずということで,思い切ってステッキを使ってみることにした。

その結果わかったことで,利点としては,歩行中の安定感が増し,膝への負担が減ることである。特に階段の昇降を楽に感じる。

いやなこととしては,杖をついて歩いていると,ジジイであることの自意識が強くなることである。医院の待合室で膝の前にステッキを立てて座っていると,ジジイがいると見られているような気がする。ジジイはジジイだから仕方ないが。

これからは,ステッキを敬遠はしないが,車の往来が少ない道路では,ステッキなしで,腰を伸ばし,胸を張って,颯爽と歩くことにする。

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最首悟さん

2021-11-02 20:01:09 | 日記

最首悟さん

カミさんが取っている,シニア女性向けの月刊誌『ハルメク』に,最首悟さん(生物学者,和光大学名誉教授)のエッセイが3回に分けて載っていた。新聞に載るコメントは時々見ていたが,まとまった文章は久しぶりに読んだ。

最首さんとは,1960年代末の大学の争議で,反乱する学生のいうことを理解し,支援しようという助手の集まりができて,わたしもそれに参加し,そこで知り合った。

最首さんには,ダウン症で盲目の重度知的障碍者,44歳の星子さんという娘さんがいる。星子さんが生まれた時,最首さんは人生の目標について迷っていて,星子さんを贈り物と思い,迷いから吹っ切れ,障害者や公害の問題にかかわってきた。その経緯については,『生あるものは皆この海に染まり』(新曜社 1984年)に,詳しく書かれている。

また,最首さんは,2016年「津久井ヤマユリ園」で起きた障碍者に対する殺傷事件の犯人,植松聖青年(最首さんはこう呼んでいる)と,青年に求められて面接し,手紙の交換をしている。

一昨日,京王線で起きた,20歳代の青年による放火・殺人未遂事件のニュースで,事件を起こした車内でタバコをふかす犯人の姿を見て,怒りと同時に心の痛みを覚え,最首さんのエッセイを読み直してみた。

最首さんの文章は,考えたことを何度もひっくり返して練り上げた結果なので,論理的ではあるが,とても要約は出来ない。エッセイの中から,いくつか文を拾い出してそのまま記すことにする。

 

*「人間」という言葉は元来「じんかん」と読み,-中略-2人の人の間,関係のことなのです。つまり人間は,少なくとも2人以上いて,相手がいてこそ自分がいる。

*近代社会は,知力と体力のあるものを人間と認めて,その上で個人の尊厳を認めてきました。そこで問題になるのは,その知力, 体力がない者です。-中略-私は星子という「無用の用」の存在により,人間は自立していなければならないという呪縛から解放されました。

*植松青年は(私に)こう言います。大学教授という高度な人材を育てる立場のわたしが,社会の役に立たない障害者である星子を育てるのは矛盾ではないかと。

*(植松青年を)寂しい人だと思います。私は彼が「自立」が「孤立」になった人だと思います。過剰なほどに自立に執着して役に立たないと思った人間関係を切り捨て,その結果周囲との関係を築けず孤立したのです。

*星子は私にとってその(頼り頼られる関係)の象徴的な存在です。星子を育て,お世話するうちに,自分の存在意義を感じられるようになりました。星子も私を頼り,わたしも星子に頼っています。

*みんなその人の世界を持ち,「あなた」として立てられる存在なのです。誰もがそのままでよく,頼り頼られながらそこに居る。ともに生きている。私はそれこそが二者性における「愛」であり,生きる支えになるものだと思います。

 

京王線放火の青年は,友人や仕事の対人関係がうまく行かず,孤立を深め,それが煮詰まってあの犯行に及んだのだろう。同様な事件が続いて起きているように思われる。

最首さんの言う二者性の愛が,みんなに行き渡るにはどうしたらよいのか。自助努力を要求する新自由主義はそれを逆行させているように思う。ではどうしたらいいか。答えはそう簡単には見つからないだろう。一つ確実に言えることは,それを探し続けていかなければならないということではないだろうか。

 

早春のの上高地

梓川から涸沢を望む。

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結婚記念日

2021-11-01 17:20:51 | 日記

結婚記念日

今日は57回目の結婚記念日である。

朝目をさまして,隣に寝ているカミさんを見て,時たま,なんでこの人はここにいるのかと,ふっと思うことがある。しかしすぐに,いてもらって良かった,これからもいてもらわなきゃ困る,と思い直す。

パラグアイの民芸品。黒の雄鶏は富,白の牝鶏は愛をあらわすという。

 

選     挙

衆議院議員選挙が終わった。数合わせをして,政権交代を叫んでいた政党は惨敗し,数合わせに加わらず,主張を訴えていた政党が伸びた。

積極改憲派が,議員数の三分の二をはるかに超えたことに留意する。

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