昨日のブログをお読みいただいた方の中には「あれっ」と思われた方もいらしゃるかもしれません。
江戸時代の日本で、全身麻酔の外科手術を成功させた華岡青洲という人物がいます。小説『華岡青洲の妻』(有吉佐和子 著)で有名になり、ドラマや映画にもなったので、多くの日本人に知られています。
華岡青洲が全身麻酔薬「通仙散」(別名、麻沸散)を用いた乳がんの摘出手術に成功したのは1804年11月14日、つまりアメリカのエーテル・デイよりも44年も早かったことになります。しかし残念なことに、この偉業は当時日本が鎖国していたため、欧米諸国には全く知られなかったのでした。また華岡青洲が開発した麻酔薬通仙散も現在は使用されていないそうです。彼の偉業が国際的に認知され国際外科学会から顕彰されたのは、何と第二次大戦後の1952年だったそうです。華岡青洲は、これ以外にもアルコール消毒法やオランダ医学から学んだ縫合術等を活用し結石や腫瘍の除去手術を行うなど当時としてはおそろしく先進的な医師だったそうです。