(昨日の続き)
40年かけて原子力発電のエネルギー効率が2.5%しか向上しない理由は、おそらく原発の技術そのものが、40年間ほとんど変化が無かったためでしょう。原発では、ウラン235の核燃料が起こす連鎖反応によって発生した熱でお湯を沸かし、発生した蒸気で発電機のタービンを回すということが行なわれています。連鎖反応の制御の仕方や、熱の取り出し方などの違いで、軽水炉、重水炉、黒鉛炉といった原子炉の種類がありますが、基本形はこの1行だけです。お湯を沸かした蒸気でタービンを回すという意味では石炭、石油、天然ガスなどの化石燃料による火力発電と同じです。
先ず連鎖反応の熱で水を沸騰させる時点でエネルギーは一定量ロスします。沸騰した蒸気で発電機のタービンを回す時点でも一定量ロスします。発電した電気を遠隔の大都市に送電する時点で大量にロスが生じます。消費者が送電された電気を電化製品で使用する際にも一定量のロスが生じます。
こういう構造になっているので、ロスを減少させることは原理的に難しいのです。技術そのものが40年余り変化がないのですから尚更です。これが40年間で2.5%しか向上しなかった主な理由でしょう。
改善する方策も無いことは無いのですが、一度確立した体系を転換するのは、こと原子力の分野では難しいようです。しかし、なぜITは簡単に体系の転換(これをイノベーションと呼びます)ができるのに、原子力ではそれが難しいことになるのでしょうか。
40年かけて原子力発電のエネルギー効率が2.5%しか向上しない理由は、おそらく原発の技術そのものが、40年間ほとんど変化が無かったためでしょう。原発では、ウラン235の核燃料が起こす連鎖反応によって発生した熱でお湯を沸かし、発生した蒸気で発電機のタービンを回すということが行なわれています。連鎖反応の制御の仕方や、熱の取り出し方などの違いで、軽水炉、重水炉、黒鉛炉といった原子炉の種類がありますが、基本形はこの1行だけです。お湯を沸かした蒸気でタービンを回すという意味では石炭、石油、天然ガスなどの化石燃料による火力発電と同じです。
先ず連鎖反応の熱で水を沸騰させる時点でエネルギーは一定量ロスします。沸騰した蒸気で発電機のタービンを回す時点でも一定量ロスします。発電した電気を遠隔の大都市に送電する時点で大量にロスが生じます。消費者が送電された電気を電化製品で使用する際にも一定量のロスが生じます。
こういう構造になっているので、ロスを減少させることは原理的に難しいのです。技術そのものが40年余り変化がないのですから尚更です。これが40年間で2.5%しか向上しなかった主な理由でしょう。
改善する方策も無いことは無いのですが、一度確立した体系を転換するのは、こと原子力の分野では難しいようです。しかし、なぜITは簡単に体系の転換(これをイノベーションと呼びます)ができるのに、原子力ではそれが難しいことになるのでしょうか。