
先週、自宅近所の小柳通にある珍しいお店のご紹介をしましたが、上のお店は馬刺しの24時間営業の無人店舗です。馬刺しと言えば隣県の熊本県が国内で生産量が最も多い県として知られていますが、無人店舗まであるとは驚きでした。
全然関係ない話なのですが、地球サミットが南米ブラジルのリオデジャネイロで開催された30年前の1992年に中東のイエメンから来日した方を東京の居酒屋で接待したことがありました。その方はイスラム教徒なので、食事には様々な禁忌があります。特に肉類には注意が必要だということは知っていました。そこで馬刺しを注文して、これは馬の肉ですと説明しました。その方は馬の肉ならまあ大丈夫かもということでおそるおそる口にしていました。
ところが後で知ったのですが、イスラム教ではヒズメが割れていて反芻する動物の肉は食べていいのですが(羊肉とかですね)、馬はヒズメが割れていないので食べてはいけなかったようです。私の注意が足りず、その方には悪いことをしたと思いました。おまけに羊肉であっても「宗教的に正しい方法で食肉処理」されていない食肉も食べてはいけないそうです。こうなると専門知識がないと判断できないことになります。イスラム教の専門知識に基づいて処理された食品を「ハラール」(許されたもの)というそうですが、専門知識に基づく認証を受けないとハラールにはならないそうですから素人が判断してはいけませんね。
なお熊本市役所が発行した『ムスリムガイドブック』によりますと馬肉は「正しい処理」を施せばハラールになると書かれていました(注)。とはいえ日本国内の精肉工場で「正しい処理」がなされているかは分からないのでハラール認証がない馬肉はイスラム教徒にはお薦めしない方がよいですね。
(注)https://www.city.kumamoto.jp/common/UploadFileDsp.aspx?c_id=5&id=16192&sub_id=1&flid=110100