朝 アトリエに入ると、まずお香をたきます。
香炉に小さな炭を立てて
火をつけてから、ぱらぱらと香木をのせます。
白檀とか沈香とかいう香木です。
お香の不思議といいますか
もともと 炭は 「木」であって
香木になる 白檀とか沈香とかいうのも「木」であって
グーグル先生に教えてもらう
それらは「木」である名残はあるんだけど
今の姿は ちょっと違うものになっている
炭に火をつけて、小さな香炉で赤々と燃え
小さな赤い火は香木をモクモクと燻し香りを放つ
白檀はなんとなく正しき香りだし
沈香は誘う込むような香りがする
私はそれらを初めから終わりまで一部始終見つめ
灰になるのを見届ける
初めからあった灰の上に
もと「木」であった
炭 を置いて
もと「木」であった
香木 乗せて
もくもくと煙りと香りを楽しんだ後は
全て同じ 灰 になる
小さな香炉の中は、こんな風に静かに
生きているみたいに灰のかさを増す
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生きて
死んで
姿を変えて甦り
役目を果たすため、また生きて
燃やされ燻され、再び死んだあと
それでようやく
みなと同じ灰になって
灰の見分けなんてつきません
香炉の中で また生きる
その繰り返し
、
全てが微塵となるような
小さな宇宙の出来事を
わたしに感じさせてくれる時間なのです。
、