庭のクリスマスローズがまだ咲いています。
最初から、ずっとうつむいたままの姿で。
初めて野生のキツネと目が合った。
2週間位前の事です。
うちの庭は人が通ると防犯ライトがつくのですが、これは猫が通っても、(時には)背の高い植物が風で揺れても反応します。
2週間前、このライトをつけたのは野生のキツネでした。
庭が明るくなったので、何?と思いカーテンを開けると、キツネが佇んでいる。
鼻先の長い、茶色の体。テレビでも絵本でも繰り返し見たそのまんま。
私はぎょっとして固まってキツネを見つめ、キツネも同じく私を見て固まった。
ケータイで写真を!なんて事考え始めたら、キツネはレンガの道をゆっくり歩いてどこかに行ってしまった。
数日後、うちの周りで朝、昼問わず出没してるらしく、かなり痩せてるらしい。
私と目が合った時は、痩せてる事に気がつかなかったけれど。
動物が痩せているというだけで、なんとも切なくなる。
森に食べ物はないの?
人間の食べ物を覚えた?
あんたはもしかして、母親?
この辺に来たら、エキノコックスが心配と、悪い噂がたつからね。
だから、
早いとこ、森にお帰り。
心の中で、何度も何度も。
こんな事をふとした拍子に考える。
私の場合、例えば洗濯物を干している時のような、わずかな隙間の時間に、小さなあれこれが私を支配するんです。