大量虐殺事件を起こした犯人が捕まった。犯人の供述では、悪魔に憑りつかれていたとのことらしい。そこで、神父であるこの私が呼び出された。
当然、この男に悪魔など憑いているわけがないので、私は「彼に悪魔など憑いておりません。殺人を犯した上に嘘を吐くなどと言う罪を重ねるなんて、とんでもない愚か者でございます。」と言った。
そう言えば、彼は神に愛される方法を知りたがり、教会でミサを行った後の私に尋ねてきたことがある。その時私は神のお告げを聞き、そのお告げの通りに答えてやった。
つくづく、この男は愚かだ。神のお言葉の通りに動くことを悪魔の仕業にするなんて、とても罪深い。彼は死刑になるだろうが、死んだ後は地獄に堕ちて、神を侮辱するような発言をしたことを、悔い改めるべきだろう。それだけが、この男に与えられる唯一の救いだ。