しっとう?岩田亜矢那

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意味がわかると怖い話2994 「鉄橋」

2020年02月27日 14時58分05秒 | 意味がわかると怖いコピペ
出張からの帰り道、私は車で夜の山道を走らせていた。

その道中、山と山を渡す鉄橋に差し掛かった時のことだ。

鉄橋の下は深い峡谷になっており、この暗さだと覗き込んでも何も見えない。

仕事の疲れもあったため、やや惚けて運転していると、橋の中央で突然停車した。

エンストか?と思い何度もキーを回すが、エンジンは掛からない。

ガソリンの残量を示すメーターは満タンを指している。

ヘッドライトは消え、対向車や後続の車もないため、月明かりだけが周囲を照らしている。

と、不意に橋の下から白い靄(もや)が立ち昇ってきた。

なぜだか感覚的に霧では無いと判断できる。

それはみるみるうちに視界を覆い、向こう岸が完全に見えなくなった。

えもいわれぬ恐怖感に襲われ、私は再びキーを回そうとした。

その時、突如車が揺れだした。

まるで車体の右側から大勢の人間に押されているかのように、車は徐々に左へと動いていた。

このままじゃ車ごと突き落とされる。

私は必死にキーを回し続けた。

落とされるギリギリでやっとエンジンが掛かり、思い切りアクセルを踏み込んだ。

直後、『バンッ』という破裂音がして急にハンドルを左に取られた。

異常に重いハンドルを死に物狂いで抑えつけ、どうにか鉄橋を抜け切った。

橋を渡り終えて数分後、靄も消えたので私は車を路肩に止め、タイヤを確認した。

車の右前輪がパンクしていた。

私は恐ろしくなり、車を捨てて全速力で山道を駆け降りた。 






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