事故に遭った後の文章、
語り手は『相棒の亡霊』に入れ替わっている。
『顎に手を当てながら、俺は考え始めた。』
という癖がそれを示している。
では、なぜ亡霊が病院に生身で居ているのか?
その理由は事故直前の出来事。
二人が談笑していた時、殺人犯の方から亡霊に触れようとしましたが、触れられなかった、
霊体なので当然である。
しかし、殺人犯が轢かれる直前、確かに亡霊に突き飛ばされた。
あの時亡霊が突き飛ばしたのは殺人犯の身体ではなく、魂だったのである。
そして空になった身体に亡霊が横入りして、身体を奪ったのである。
フレンドリーに話していた亡霊だったが、
実はしたたかに身体を奪うチャンスを窺っていたのである。