目が覚めると、私は監禁されていた。
いや、これは監禁と言うんだろうか?
窓のないコンクリート壁の立方体の部屋、頭上には剥き出しの白色蛍光灯。
そして壁の一辺には、右ノブ外開きの鉄扉がある。
はじめは閉じ込められたのかと思ったけど、ドアノブを回すとあっさり開いた。
だけど、隣の部屋もコンクリート壁の立方体な部屋で正面に同じ扉があるだけ。
その扉も開くと、また同じ部屋、同じ扉。
その次も、そのまた次も、どこまで行っても、延々と同じ部屋、同じ扉。
それでもいつかは出口があるはずだと信じて、扉を開け続ける。
部屋に窓がないから、今が朝なのか昼なのか夜なのか、監禁されて何日経ったかも分からない。
時間が分からないから、疲れては寝て疲れては寝てを繰り返していた。
喉が渇いた……お腹が減った……意識が朦朧とする……
もうどれだけ同じ扉を開け続けただろうか……
100や200は軽く超えているだろう……
こんな長い建物、存在意義はあるのだろうか……?
そんなどうでもいい事でも考えていないと、気が狂いそう……
けどきっと……これだけ歩けば出口は近いはず……
そう信じて、左ノブ内開きの鉄扉を開け続ける……
数時間後、辿り着いたのは行き止まりだった……