しっとう?岩田亜矢那

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意味がわかると怖い話3094 「幸せ者の兄」

2020年09月18日 09時47分03秒 | 意味がわかると怖いコピペ
小さな明かりが灯った。ろうそくの上で、頼りなく炎が揺らめいている。 

「さあ、話を始めよう。これは、昔々のお話さ。

 あるところに、双子の兄弟がいた。兄は誰よりも美しく、誰よりも神に愛されていた。弟も兄に負けないぐらい美しく、兄の次に神に愛されていた。

 兄は周りの者達にもてはやされ育ったため、傲慢になり、自分なら神に成り代われると考えた。そして、彼は神に戦いを挑んだ。神は多くの使者を兄と戦わせ、兄は一人の使者との戦いの末、ついに敗れた。 

兄を倒した一人の使者と言うのは、彼の弟だった。弟は兄を倒したことによって、誰よりも美しく、誰よりも神に愛されている存在になった。だが、弟は傲慢にはならなかった。なぜなら、本当に一番美しくて、誰よりも神に愛されていたのは、自分の兄だったからだ。 

兄は幸せ者だ。堕ちてもなお、一番であったという事実があるから、永遠に一番でいることができるのだ。今も、ずっと幸せ者だ。」

 炎が顔を照らした。微笑んでいるようだ。

 「今も、幸せだろう?」 

ろうそくが近づけられ、今度は自分の顔が照らされた。表情を窺っているのだろう。残念ながら、彼のように顔を綻ばせることはできなかった。

 「そうかい。おやすみ、兄さん。」 

ろうそくの火が消え、再び暗闇の中に閉じ込められた。 







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