2月14日―バレンタインデー―
「うわ、愛実うらやましー!!」
「うちらにもちょっとわけてー笑」
「私だけじゃこんな食べられないし、食べて欲しいな…」
「えー、嫌み?」
あははははは!!
私は春坂愛実。
自慢じゃないけど、小さな頃からバレンタインのチョコとか、プレゼントはいっぱいもらってる。
まぁ、くれる男子の中には、ネクラくんとか変な人とかいたりするから、全部が全部嬉しいってわけじゃないんだけどね…
「それにしても色んなプレゼントがあるねぇ。…って、このプレゼントの箱、やけに大きくない?」
プレゼントの中には、赤いリボンのかかった、約20?四方のプレゼント箱があった。
「あぁ、それ、私も気になってたんだ。開けてみよっかな。」
リボンをほどき、プレゼント箱を開けた私は驚いた。
「え、これって…
ワンホールのチョコケーキ!?」
中には、ワンホールのチョコケーキと、カードが入っていた。
「えー!!これすごくない!?ね、これちょっとちょーだいよ愛実!!」
「う、うん。はい、どーぞ」
中にはちゃんとフォークが入っていたので、私はそれでケーキを切り分け、友達に渡した。
「いただきまーす!!」
「…」
「ど、どうだった?」
「「「まっずーーーい!!!!!」」」
「えぇ、嘘でしょ!?」
私はケーキを一口とり、口に運んだ。すると…
「え、すっごくおいしいよ!?甘くて口の中でとろけるー!!」
「えぇ!?それこそ嘘でしょ!?なんかちょっと酸っぱいってゆうか、ドロドロしてるってゆうか…。腐ってるみたいだったんだけど!!」
「えー!!おいしいのにぃ…」
そんな風に議論になったが、下校のチャイムがなったので、私たちはそれぞれの家へ帰った。
家へ帰った私は、一つずつプレゼントを開けていった。
「あ、手作りチョコだ!!神山さんじゃん!!あの仔、お菓子作り得意って聞いたからなぁ。あとでたーべよっと。あ、こっちはクマのぬいぐるみだ!!」
こうして、みんなからの素敵なプレゼントを次々に開けていった私は、最後にあの箱を開けた。
残りのケーキを一口食べたが、やはりおいしく、私は完食してしまった。
「そういえば、カードが入ってたはず…。あ、あった」
入っていたカードには、
『貴女のことを愛しています。
一緒になりましょう。』
というメッセージだけが書いてあった。
「宛名がなかったら、誰かわからないじゃない!!
うーん…まぁいっか。きっと本気なら、もう一度私に言ってくるでしょ。でも、誰d…
え、もしかして…」
そういえば、隣のクラスに西川章(あきら)という、変人がいたな…
何しろ、西川は何かイベントがあるごとに、私に豪華なプレゼントをくれた。前に
「なんでこんなにくれるの?」
って言ったら、
「貴女が好きだからです。」
って言われた。
ごめんと言って断ると、西川は、
「だいじょぶです。それでも私は貴女にプレゼントを送ります。」
と言って、いまだにプレゼントをくれる。あの時から毎回、「好きですよ」のメッセージとか、ハートの形の紙が入っていた。正直、ずっと付きまとわれているようで、あまりいい思いはしなかった。
これもきっと西川からのプレゼントだろう。
そういえば、あの日、西川っていたっけ?
断ろうと思ってたのに…
明日、山崎勇人に聞いてみるか。西川と仲良いし。西川に、
「あれは美味しかった」
って一言言ってから、
「もうプレゼントは要らない」
とはっきり言おう。もう、付きまとわれるのはイヤだ。
翌日、私は廊下であった山崎に、「西川は?」と聞いた。
山崎は少しうつむき、ゆっくり、私にこう言った。
「章?…あいつは、愛実が自分を好きにならないのに気づいて、すごく落ち込んだんだ。
…
学校にはもう来ないと思うよ。」
「え、そんなに!?私、すっごく悪いことしたかな…。」
山崎は、少し考えたあと、笑顔でこう言った。
「きっと今の方があいつにとっては幸せなんじゃないかな?」
そう言って山崎は、私を一人廊下に残し、教室へと戻っていった。
「うわ、愛実うらやましー!!」
「うちらにもちょっとわけてー笑」
「私だけじゃこんな食べられないし、食べて欲しいな…」
「えー、嫌み?」
あははははは!!
私は春坂愛実。
自慢じゃないけど、小さな頃からバレンタインのチョコとか、プレゼントはいっぱいもらってる。
まぁ、くれる男子の中には、ネクラくんとか変な人とかいたりするから、全部が全部嬉しいってわけじゃないんだけどね…
「それにしても色んなプレゼントがあるねぇ。…って、このプレゼントの箱、やけに大きくない?」
プレゼントの中には、赤いリボンのかかった、約20?四方のプレゼント箱があった。
「あぁ、それ、私も気になってたんだ。開けてみよっかな。」
リボンをほどき、プレゼント箱を開けた私は驚いた。
「え、これって…
ワンホールのチョコケーキ!?」
中には、ワンホールのチョコケーキと、カードが入っていた。
「えー!!これすごくない!?ね、これちょっとちょーだいよ愛実!!」
「う、うん。はい、どーぞ」
中にはちゃんとフォークが入っていたので、私はそれでケーキを切り分け、友達に渡した。
「いただきまーす!!」
「…」
「ど、どうだった?」
「「「まっずーーーい!!!!!」」」
「えぇ、嘘でしょ!?」
私はケーキを一口とり、口に運んだ。すると…
「え、すっごくおいしいよ!?甘くて口の中でとろけるー!!」
「えぇ!?それこそ嘘でしょ!?なんかちょっと酸っぱいってゆうか、ドロドロしてるってゆうか…。腐ってるみたいだったんだけど!!」
「えー!!おいしいのにぃ…」
そんな風に議論になったが、下校のチャイムがなったので、私たちはそれぞれの家へ帰った。
家へ帰った私は、一つずつプレゼントを開けていった。
「あ、手作りチョコだ!!神山さんじゃん!!あの仔、お菓子作り得意って聞いたからなぁ。あとでたーべよっと。あ、こっちはクマのぬいぐるみだ!!」
こうして、みんなからの素敵なプレゼントを次々に開けていった私は、最後にあの箱を開けた。
残りのケーキを一口食べたが、やはりおいしく、私は完食してしまった。
「そういえば、カードが入ってたはず…。あ、あった」
入っていたカードには、
『貴女のことを愛しています。
一緒になりましょう。』
というメッセージだけが書いてあった。
「宛名がなかったら、誰かわからないじゃない!!
うーん…まぁいっか。きっと本気なら、もう一度私に言ってくるでしょ。でも、誰d…
え、もしかして…」
そういえば、隣のクラスに西川章(あきら)という、変人がいたな…
何しろ、西川は何かイベントがあるごとに、私に豪華なプレゼントをくれた。前に
「なんでこんなにくれるの?」
って言ったら、
「貴女が好きだからです。」
って言われた。
ごめんと言って断ると、西川は、
「だいじょぶです。それでも私は貴女にプレゼントを送ります。」
と言って、いまだにプレゼントをくれる。あの時から毎回、「好きですよ」のメッセージとか、ハートの形の紙が入っていた。正直、ずっと付きまとわれているようで、あまりいい思いはしなかった。
これもきっと西川からのプレゼントだろう。
そういえば、あの日、西川っていたっけ?
断ろうと思ってたのに…
明日、山崎勇人に聞いてみるか。西川と仲良いし。西川に、
「あれは美味しかった」
って一言言ってから、
「もうプレゼントは要らない」
とはっきり言おう。もう、付きまとわれるのはイヤだ。
翌日、私は廊下であった山崎に、「西川は?」と聞いた。
山崎は少しうつむき、ゆっくり、私にこう言った。
「章?…あいつは、愛実が自分を好きにならないのに気づいて、すごく落ち込んだんだ。
…
学校にはもう来ないと思うよ。」
「え、そんなに!?私、すっごく悪いことしたかな…。」
山崎は、少し考えたあと、笑顔でこう言った。
「きっと今の方があいつにとっては幸せなんじゃないかな?」
そう言って山崎は、私を一人廊下に残し、教室へと戻っていった。