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意味がわかると怖い話3019 「遺伝子の都合」

2020年04月19日 12時44分38秒 | 意味がわかると怖いコピペ
「あれ?指先どうしたの?
手荒れ酷いね。」

3ヶ月前に付き合い始めた彼に
そう言われて、
私は、あんまり見られたくなくて、思わず手を引っ込める。

「…うん。なんか1週間前くらいから、かぶれみたいになってるんだ。
もうちょっと様子みて、酷くなったら、病院行ってみる。」

「早めに病院行って、治した方が良いよ。女の子の手が荒れているなんて、痛々しいよ。」

「うん。わかった。ありがとう。」

彼は、とても優しい。
側にいると私はいつもドキドキしてしまう。


デートの帰り道。
いつも楽しい時間程、早く終わってしまうのは、何故なんだろう…。
あぁ、もう家が見えて来た。
次はいつ逢えるのかなぁ。

「ありがとう。いつも送ってくれて。
今日も楽しかった。」

「僕も楽しかったよ。ありがとう。」

彼はそう言うと、ギュって、
抱き締めて、キスしてくれた。
照れくさそうに、立ち去る彼を見送って、私は家に帰る。
後ろ手で扉を閉めながら、
ほぉっ。と熱っぽいため息をつく。
彼との2度目のキス。
初めてのキスは、1ヶ月前。
我ながら奥手だな…なんて思うけれど、このままゆっくり付き合っていけたら良いな。
と思う反面、
もっと彼に触れたいって気持ちも強くて…。


チカッ。
痛っ。
唇の端が赤くなって、切れていた。
ヤだなぁ。冬はホント乾燥するから、キライ。
リップクリームを塗りながら、私はまた彼のことを想像する…。


―――


「病院、なんだって?」

「うーん。原因とかよくわかんないんだって。
成人性アトピーの可能性があるって、ステロイドの薬もらったよ。
私、アトピーとか持ってないハズなんだけどなぁ。」

「そっかぁ、大変だな。
早く良くなるといいな。
ところで、来週末なんだけれど、旅行でも行かない?」

来週末は、私たちが付き合い始めて、半年になる記念日だ…。

「うん。良いね。楽しみ。」

手の甲や指だけでなく、お腹にもできた痛がゆい湿疹を気にしながら、
今晩から、もっとしっかり薬塗って、治さなくちゃ。なんて、心に誓う。


―――


二人きりの旅行は、とても楽しかった。
彼との初めての夜。

彼はとても優しかった。
避妊はしてくれなかったけれど
嫌われるのが怖かったし、
『もし子どもが出来たら、
結婚しよう。』って、言ってくれた言葉を信じた。
何より、彼のことが大好きだったから、彼の全てを受け入れることが出来て、
とても幸せだった。


―――


それから、私たちは、
ラブラブなお付き合いが続いた。
けれど、付き合い始めて、1年が経った頃だろうか。
少しずつ、二人の間にズレが生じてきた。
私は、治るどころかますます酷くなる皮膚かぶれで、常にイライラしていたし、
彼は、そんな私にうんざりしているのが、よくわかった。


―――


そんなある日、彼がとても肌の白いキレイな女の子と歩いているのを見てしまった。

私は、それを彼に詰め寄り、責め罵倒した。

結果、私は、彼を失った。

―――


彼と別れた哀しみに暮れる日々ではあったけれど、
少しずつ皮膚かぶれが落ち着いていくのが救いだった。

肌が、また前のようにキレイになったら、
ステキな人と出会えると良いなぁ。

また恋がしたい。

私は、遠い未来の恋人を思って、
今日も静かに眠りについた。 









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