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意味がわかると怖い話3018 「れんぢゃー」

2020年04月17日 18時36分56秒 | 意味がわかると怖いコピペ
はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ。

腹…減った…

いったいいつまで続くんだよ。
この訓練はよ。

金でももらわなきゃ、
やってらんねぇな。
って、頂いておりました。
皆さまの血税。

申し訳ねぇな~。

金もらって、サバゲーだよ。
こんなんで、ホントにお国を守ることが出来るんかねぇ。

「おぃ、食わんのか?
持たんぞ、お前。」

「……っ。」

こいつは、江村士長。
この訓練を終えたら、
陸曹試験を受けてやる~と
上昇志向の強い奴だ。

何故か、俺のことを見込みがあるから、鍛えてやる!
なんて、頼んでもいないのに、
やたら構ってくる。

期待を裏切って悪いが、
俺は、夏のボーナスもらったら、
こんなとこおさらばさ。

それに奴だって、同じ営内だから、営内班長としての責任からだろうしな。

ま、だけど、実際助かってるのは、事実。
俺1人なら、蛇や蛙なんて、
捕まえることも出来ずに、
飢え死に…もとい、訓練脱落していただろう。

そんな頼みの綱の陸士長殿が、あろうことか、
毒蛇に噛まれ、脱落してしまった。
士長が、衛生班に連れて行かれる際、こう言った。

「いいか!訓練最後になると教官が仕掛けてくる!!
その誘惑には、決して負けるなよ!
俺の分も、頑張ってくれ…」

「レンジャー!」

俺は、理解できないまま、返事を返すのが、精一杯だった。


はぁ、はぁ、はぁ。
あれから、何日たっただろうか?
今となっては、
正直、訓練どころか、
何もかも辞めて、実家に帰りたい。
夏ボーナスもらったら、おさらば~
なんて、甘く考えていた俺よ、おさらば~

だけど、俺ってヤツは変なところで頑固だ!

飲み水が無くて、泥水飲んだり、
果ては、自分の…まで。
食べ物に至っては、
蛇や蛙どころじゃなく、
食べられるもんなら、木の根っこまで、かじった。

ここまでやっときながら、脱落なんてしてたまるか!!!


…っ、突然、
ぱ~ぱらぱ、ぱらぱら、
ぱららぱぱ~♪

部隊集合のラッパ音が響いた。

皆が一つところに集まるが、
一様に疲れ果てた顔をしている…
皆、空腹で疲労困憊って、感じだ。

「レンジャー!」

『レンジャー!!』

教官の掛け声に、皆が答える。

「皆、良く頑張っているな!
そこで、良いモノを持って来た!
苺のショートケーキに、
ピザ、ポリにアクリアスだ!
数には、限りがある!
欲しいヤツは挙手しろ!」

俺は、真っ先に手を挙げた。
他のレンジャー共は、
悔しそうな顔をしつつも、堪えているのが、わかった。


それから、訓練が終わるまで、
何度か教官から似たような集合が掛けられ、
その度に、俺は、真っ先に手を挙げた続けた。


そのおかげで、訓練終了時は、
バタバタ倒れ、搬送されていく仲間を他所目に、
涼しい顔をして、部隊復帰することが出来た。


と、同時に…

即除隊や夏のボーナスもらって退職どころか、この先何年も、
辞めることの出来ない負債を抱えていることを知った………。 










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