川の水が全て干上がってしまいそうなほど、暑い夏の日の事だった。
私は、大人達から絶対に入ってはいけないと言われていた場所で、友人と追いかけっこをして遊んでいた。なぜその場所に入ってはいけないのか分からなかった私達は、無我夢中で地面を駆け回った。
友人の背中をタッチした瞬間、私は何かに躓いた。「ドンっ」という鈍い音がして、そのまま地面に倒れ込み、私達は自力で起き上がることができなくなってしまった。
物音を聞きつけた大人達が、急いで駆けつけてくれたものの、友人はもう手遅れだった。私は怖くて泣き叫ぶことしかできず、話している今でも恐怖と涙が蘇ってくる。
友人を殺したのは、人間のエゴの塊らしい。それは随分と前に姿を消したはずなのに、今でも地面に身を潜めて、人の命を奪うという。手足を奪われただけすんだ私は、幸運なのかもしれない。