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意味がわかると怖い話3014 「ジビエ」

2020年04月09日 10時48分22秒 | 意味がわかると怖いコピペ
お昼休み、学食を食べていたら
「ねぇ、美々。今日、暇?ちょっと付き合ってくんない?」
と、友達の英子から、声を掛けられた。

「うん。大丈夫だけど、どうしたの?」

「『出会いがな~い。生きてても、つまんない~。』なんて、いつも美々、言ってるじゃない。
うちのサークルのメンバーに美々のこと話したら、興味持ったみたいでね。
ま、なんていうかお食事会?みたいな?」

「うわぁ~。英子、私のことなんて話してるの?
ハードル上げてない?」

「大丈夫。大丈夫。
美々はそのままで十分ステキだから(笑)。」

「あ~。う゛~。
1度寮に帰って、シャワー浴びてくる。
その後でも大丈夫?」

「うん。その方が良いと思う。
あ、じゃあ、迎えに行くから、
後でね~。」

あ、行っちゃった。
いつも派手だなぁ~。
一緒にいるグループもなんだかゴージャスっていうか、セレブな感じ・・・。
どうして、英子は、私なんかと
友達でいてくれるんだろう…?


英子と出会ったのは、
大学に入学してまだそんなに日が経ってない頃だった。

「えぇ~っ。あなた、そんだけしか食べないの?
野菜ばっかじゃん。
肉は食べないの?肉は?」

食堂の隅っこで、もそもそと食事していた私に、
いきなり声を掛けて来たのが英子だった。

「私、お肉ダメなんだ。
アレルギーあって。
小さい頃から、野菜中心の食生活なの。」

「へぇ~。そうなんだ。
あ、私、英子。
良かったら、友達になってくれない?」

「あ。はい。美々です。
こちらこそ、よろしく。」



………
「あれ?ここって?
近頃、話題のレストラン?」

「うん。うちのメンバーの一人、一斗の家よ。
私たちサークルメンバーは、ここでバイトしているってわけ。
ま、良いから、入って。
お待たせ~♪連れて来たよ~♪」

「え、英子、でも、確かここって、お肉料理のお店じゃなかった?
私、お肉は…」

「いらっしゃい!
美々ちゃんだよね?
英子から、話は聞いてるよ。
ベジタリアンなんだってね。」

「あ、はい。(…誰だろう?)」

「ごめんごめん。私は、一斗。
この店のオーナー兼料理人です。」

すると、隣に居る茶髪の男の子がいたずらっぽく笑って

「お前んちの親父さん達が亡くなったから、
お前が店継いだだけのくせに、
オーナーとか偉っそうに~(笑)。
あ、僕、D.J。よろしく~♪」

「D.Jって、お前、大作ぢゃん
狙った子前にするとお前、すぐカッコつけるよな。
俺は、椎也。
こいつよりカッコいいだろ?
俺にしときな。」
と長身の彼は読んでいた本をパタンと閉めて言った。

「ほらほら、みんな自己紹介済んだでしょ。
美々から離れた離れた。
で、一斗、今日のメニューは?」

「うん。美々ちゃんに併せて、
筍やわらび、苳に…」

「つまりは、山菜ってわけ♪
いつもは肉料理っても、扱ってるのは、ジビエだから、僕ら…」

「バイト兼食料調達係って訳だ。」

「あっ。椎也。僕が言おうとしたのに。ぷぅ。」

「さっきは、お前が一斗の言葉を遮って話始めたぞ。」

「はいはい。わかったから、
早く食前酒飲んで、
食事の準備しましょ。」

「英子の言う通りだね。
はい。美々ちゃん、ここに座って。」

って、え、英子が遠いし、3人に囲まれてる~。

「みんな、グラス持ってる~?
あ、美々ちゃんのは、これね。
出会いを祝して、特別な1杯。」

「わぁ。キレイな色。
なんて言うお酒なんですか?」

「ん~。sleepingbear。
さしずめ眠れる森の美女かな?」

「ふぅん。美味しそう♪」

『かんぱ~い』


「ねぇねぇ、美々ちゃんって、
ナイスバディだよね~♪
胸おっきいし、うまそ~♪
(ガツン)
…って。何すんだ。椎也!痛いぢゃんか!」

「D、お前、露骨過ぎ。
俺は、美々ちゃんの程よくついた筋肉の小鹿のような脚が好きだな」

「えと。あの。」

「ほらほら、気持ちはわかるけど、
二人共に程々にしないと美々ちゃんが野うさぎみたいに怯えているじゃないか。
ねぇ。」

「あ、あの私、ちょっとお手洗いに…。(よろっ)」

あれ?私、酔ってる?

「英子、美々ちゃんにお手洗い案内して」

「はぁい。美々、酔ってる?こっちよ。」



「ふぅ。たった1杯で、弱いなぁ~。」

「いや、強いと思うケド…。」

「う゛~。なんか、私、モテてる?」

「皆、美々のこと、気に入ったみたいよぉ。
ね。ここだけの話。美々、誰に食べられたい?」

「た、た、食べられるなんて、英子のえっちぃ。
う゛~。
椎也君は、頭良い感じでカッコいいし、
D君は、明るくて楽しいし、
一斗さんは、優しくてステキ…。
3人ともそれぞれステキだもの。選べないよぉ。」

「美々ったら~、それぢゃあ、
身体がいくつあっても足りないわよ~。
…って、美々?美々??
ちょっと~みんな~。」



……
………
ピチャッ。
ピチャーン。
ピチャーン。


がぶりっ。
むしゃむしゃ。はむはむ。ぐちゃぐちゃ。

べちゃっ。じゅるじゅる。……
「ぺろっ。うわ~っ。何これ?
ちょ~美味いぢゃん。
今まで食べた中で最高ぢゃね~?
刺しで食べれるって幸せ~♪
とろける~。」

「確かに…。
こないだのは臭くて食べれたもんじゃありませんでしたもんね。
土の中に埋めてますから、
もうそろそろ食べ頃かとは思いますが…」

「だっから、俺が言った通りだったろ?
近頃は、ハーブ豚とか言うのが流行ってるんだぜ。
イノシンだって、豚に近いけど、あれは雑食だから、臭いんだって。
やっぱ肉は草食のが、臭みが無くて美味いんだって。もぐもぐ。」

「ちょっと全部食べたらダメですよ。
英子の分残しといて下さいね。
寮の門限あるからって帰って行きましたが、かなり恨めしそうでしたからね。
彼女のおかげでもあるんですよ。」

「確かに…食い物の恨みは怖いよな。
それもこれも、ただバラすだけなのに、調理にってか、
仕込みに時間掛け過ぎたからだろ?」

「わかってないですねぇ。
肉は可愛い可愛いと愛情込めて接すれば接する程、
美味しくなるんですよ。」

「ん~♪かたっくるしいことは抜きにして食べよ~ぜ~♪」
「ですね。」
「だな。」


がつがつ。むしゃむしゃ…

……
………

3人
『ご馳走さまでした~。』 






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