京マチ子と言えば
「雨月物語」
「羅生門」
「地獄門」
と言うような戦後、高度経済成長期に入ろうとしてた頃、
正に「日本映画黄金期」で世界の映画賞を獲りまくっていた女優さん。
でも、きっどさんが印象に残っているのは、横溝正史ブームのこれまだ全盛期、
ドラマ版の「犬神家の一族」の犬神松子(つまり犯人)を演じていた事。
映画版は「デコちゃん」こと高峰秀子。
きっどさんはもうひとつピンと来てなかったけど母親が
「映画に対抗してやろうけど、ドラマも凄いキャストやなー」
とびっくりしてたのを思い出す。
つまり、それ程の女優さんなのである。
あんまりよう判ってないけど。
4月頭にWOWOWで若尾文子特集をやっていて
映画版「女系家族」をやっていた。
2005年版ドラマで米倉涼子が演じてた主人公の二号さん(愛人)役が若尾文子、
本家の「出戻り長女」(ドラマでは 高島礼子)役を映画では京マチ子が演じてた。
山崎豊子原作で、大阪船場の木綿問屋が舞台なので、
大阪市出身の京マチ子は言葉も含めてぴったり。
ホントは日本舞踊の先生(演じるのは「モートルの貞」 の田宮二郎だから、これまた船場言葉は完璧)
に本気で恋をしていて、実は入り婿になって欲しいと思っていたんだけど、利用されていただけってのが判る、ちょっと哀れな役。
最後、全部吹っ切って、田宮二郎にも反対に肘鉄喰らわせて、
天王寺七坂のひとつ源聖寺坂を歩いていくのがラストシーン。
似合うね~
和服の京マチ子さん。
この当時まだ39歳てか?
とんでもない貫禄でございました。