現在、第■次世界大戦の真っ只中だ。
そして私は国の軍をまとめる役職に就く者だ。
「軍長!報告です!例のスパイと思しき怪奇現象が発生しました!」
「またか、はぁ……一体何者なんだ。一応聞くが銃火器や武器での攻撃や拘束・捕縛は?」
「はい!実行したのですが、その……」
「……効かなかったのか」
「はい。意思の疎通も出来ないようで、今後も調査を続ける予定ですが……」
「分かった、報告ご苦労。引き続き進めてくれ。」
「了解!」
まったく、なんなのだ。壁はまるで低い柵をまたぐようにすり抜けるし、我々を見ても何も反応を示さない。
ここに来るのは若く見える少年少女達が多い。まるで何かを怖がるかのような態度をする者も居れば、何やら楽しそうに笑う者達も居る。
今の所分かっているのは意思疎通が出来ない事、物理的干渉が出来ない事、若者(あくまで我々人間の目線からしてだが)が多い事。
そしてジロジロと施設内を見学するかのように練り歩くが、何故か機密文書を見ても興味を示さない事だ。そして何よりも許せないのが敵国の言葉を喋る事だ。
我々はこの霊障とも言える現象を研究・解消し、必ずや敵国を制圧し、勝鬨を上げなければならない。