クビにされたCNET Japanのブログだが、この記事は採用されて最初のころ、なんだか気合を入れてしまい渾身の力をこめて書いたもの。
システム基盤はこのままではダメだと思う
というのが内側から状況を見ている人間としての正直な思いだ。
なぜなら。。
1人材不足
2カネ不足
3やりがい不足
4スキル不足
おまけ:物理層が死んでる
ってとこかな。
1について
IT業界、と呼ばれる総体の中で、システム基盤(インフラ)と呼ばれる分野に流入してくる人材は、「落ちこぼれ」に等しい。(自分を筆頭に。。)
一部エリートや優秀な人材が、「現場を学んでこい」とOJTで一時期いたりするけど、しばらくしたらいなくなり、上位レイヤのほうにいってしまう。
ここは「吹き溜まり」なんだ。
落ちこぼれが落ちこぼれを育てる。大して教育体系も整備されていない状況で。
徹底した、悪い意味での「現場主義」。
これは、相当自戒の意味も込められてるけどな。。
2
人材が集まらないのはカネがないからだ。
なぜカネがないか、というと、お客が値切りすぎ。そしてそれに対してSIerも従属しすぎ。
システム基盤の、機器費用以外の工数部分、つまり、純粋に技術を必要とするエンジニアリング部分に対する客の理解が、全くない。
システム基盤にエンジニアリングは不要だと思っている。
マルチベンダ化の功罪の「罪」の部分に対してほっかむりしている。
ネットワーク-サーバ等の各機器がマルチベンダ化してゆくということは、そのインタフェースのところでのエンジニアリングがゼッタイに必要になってくるんだよ。
それぞれ、単体では安くて高性能、という機器群(基盤における「パーツ」)をガチャコンガチャコンつなぎあわせればシステムが完成すると思ってる。
でも、これはSIerにも責任はあるんだ。だって、正確な見積もりができねーんだもん。
内情を知ってる身としては、できないのもイタいほどわかるのだが。。
だが、システム基盤設計構築の見積もり技術を高めなければ、いつまでたっても客側の値切りの言いなりになっちまう。
だから、そこに叡智を結集して、一時的であれアタマいいヤツ引っ張ってきて、システム基盤のパッケージ化が必要なんだよ。
そんなことはオイラに言われなくとも、敏感な上層部であればとっくに知ってる。でも、整備はゼッタイ的に進んでない。
3
(自分の日記では何度も何度も書いているけれど)今現在、システム基盤のフィールドでは「やりがい」なぞ皆無だ。
プロパで、たとえば開発を希望している人間がインフラのほうにやってくると、どいつもこいつも目が死んでる。
運用保守では、何も発生しないのが当たり前(0点)で、障害が発生するたびに減点法で評価され、ユーザからもエンドユーザからも、はたまた同じナカマであるはずの設計構築部隊からもイジメられ、やっぱ同じように目が死んでる。
設計構築部隊は短納期でムチャな工数でわけのわからんマルチベンダ仕様を要求され、(機器調達は常に安さ優先)常に新技術(というよりは、「つなぎあわせる」ノウハウ)の吸収を余儀なくされ、
結局目が死んでる。
みんなが目が死んでいて、みんながこの分野からリタイアしたがる。だから、オープン化が進んでから、黎明期を知っていて現場に残っているベテランがいない。残っていたとしてもマネージャ職とかやっていて最前線にいない。
4
インフラで一応「花形」であるはずのDBエンジニアは、ヒトも足りないしスキルの底上げもないし、Postgresとかの新しいDBに対応できないヤツもいたりして、ほぼ壊滅状態といえる。
DBはムズカしい。はっきりいって。だから、現場の経験を積めば引く手あまただしカネもいいんだけど。。
DBは、物理層でいえばストレージと直結する。そんでまた、このストレージを構築デキるヤツもメチャ少ない。。
現場では、DBがデキるヤツにはストレージのスキルも要求するから、それらを兼ね備えているとなると。。
まあ、企業が研修とかを最大限利用して、そういう人材を育てるしかないね。
ロジック的に異なるから、サーバ/ネットワークエンジニアからスキルアップを狙っても、相当努力しないと太刀打ちできない。
今、どのシステムでもゼッタイにDBは必要であるにも関わらず、世の中にこれだけDBに精通したエンジニアが少ないということを。。
上層部は知っているのだろうか?
外注かき集めようにも、いないんだよ、そもそも人材が。いたとしても高額で他案件で埋まってるに決まってるんだから。
そして、バックアップツール、運用管理ツールについても、今まではサーバエンジニアが片手間でおぼえていたりしたけど、これらも個別に、ひとつの独立したスキルとして認知されつつある。
そしてもちろん、精通している人間はゼッタイ的に足りない。。
バックアップも、運用管理(監視)も、システム基盤にゼッタイに組み込まれてゆくものなのに。。
カネがめぐってこないから、それを狙ってくるキレるエンジニアがやってこない。
分野の中で自前で育てようと思っても、目が死んでるから育たない。育ててやっても、すぐどっかにいっちゃう。
とにかく、システム基盤の重要性を理解し、この最底辺層へのカネのめぐりを良くしないと、いずれダメになりますよ、間違いなく。
システム基盤ってのはホント、クリティカルになってきてるんだよ。
おまけ:物理層が死んでる。
今、データセンターとか行ってラックの後ろとかに立ってみなよ。すげーところはすげーよ、配線がスパゲティ状態だったりさ。
ラックマウントのサーバが、ギチギチに入っていて、熱くなってて、常時扇風機まわしてるとか。
みててアブナくてしょーがない。
それに、マシンルームが資材置き場と化してるとこが多くて、キタナいのなんのって。物理層でも「吹き溜まり」と化してる。
トヨタのカイゼンの基本は整理整頓ではなかったか? あのラック周りの惨状をみたらカイゼン担当者は卒倒するんじゃねーか?
ここからテコいれしたほうがいいんじゃないのかね。「クサいモノにフタ」じゃなくってさ。
システム基盤はこのままではダメだと思う
というのが内側から状況を見ている人間としての正直な思いだ。
なぜなら。。
1人材不足
2カネ不足
3やりがい不足
4スキル不足
おまけ:物理層が死んでる
ってとこかな。
1について
IT業界、と呼ばれる総体の中で、システム基盤(インフラ)と呼ばれる分野に流入してくる人材は、「落ちこぼれ」に等しい。(自分を筆頭に。。)
一部エリートや優秀な人材が、「現場を学んでこい」とOJTで一時期いたりするけど、しばらくしたらいなくなり、上位レイヤのほうにいってしまう。
ここは「吹き溜まり」なんだ。
落ちこぼれが落ちこぼれを育てる。大して教育体系も整備されていない状況で。
徹底した、悪い意味での「現場主義」。
これは、相当自戒の意味も込められてるけどな。。
2
人材が集まらないのはカネがないからだ。
なぜカネがないか、というと、お客が値切りすぎ。そしてそれに対してSIerも従属しすぎ。
システム基盤の、機器費用以外の工数部分、つまり、純粋に技術を必要とするエンジニアリング部分に対する客の理解が、全くない。
システム基盤にエンジニアリングは不要だと思っている。
マルチベンダ化の功罪の「罪」の部分に対してほっかむりしている。
ネットワーク-サーバ等の各機器がマルチベンダ化してゆくということは、そのインタフェースのところでのエンジニアリングがゼッタイに必要になってくるんだよ。
それぞれ、単体では安くて高性能、という機器群(基盤における「パーツ」)をガチャコンガチャコンつなぎあわせればシステムが完成すると思ってる。
でも、これはSIerにも責任はあるんだ。だって、正確な見積もりができねーんだもん。
内情を知ってる身としては、できないのもイタいほどわかるのだが。。
だが、システム基盤設計構築の見積もり技術を高めなければ、いつまでたっても客側の値切りの言いなりになっちまう。
だから、そこに叡智を結集して、一時的であれアタマいいヤツ引っ張ってきて、システム基盤のパッケージ化が必要なんだよ。
そんなことはオイラに言われなくとも、敏感な上層部であればとっくに知ってる。でも、整備はゼッタイ的に進んでない。
3
(自分の日記では何度も何度も書いているけれど)今現在、システム基盤のフィールドでは「やりがい」なぞ皆無だ。
プロパで、たとえば開発を希望している人間がインフラのほうにやってくると、どいつもこいつも目が死んでる。
運用保守では、何も発生しないのが当たり前(0点)で、障害が発生するたびに減点法で評価され、ユーザからもエンドユーザからも、はたまた同じナカマであるはずの設計構築部隊からもイジメられ、やっぱ同じように目が死んでる。
設計構築部隊は短納期でムチャな工数でわけのわからんマルチベンダ仕様を要求され、(機器調達は常に安さ優先)常に新技術(というよりは、「つなぎあわせる」ノウハウ)の吸収を余儀なくされ、
結局目が死んでる。
みんなが目が死んでいて、みんながこの分野からリタイアしたがる。だから、オープン化が進んでから、黎明期を知っていて現場に残っているベテランがいない。残っていたとしてもマネージャ職とかやっていて最前線にいない。
4
インフラで一応「花形」であるはずのDBエンジニアは、ヒトも足りないしスキルの底上げもないし、Postgresとかの新しいDBに対応できないヤツもいたりして、ほぼ壊滅状態といえる。
DBはムズカしい。はっきりいって。だから、現場の経験を積めば引く手あまただしカネもいいんだけど。。
DBは、物理層でいえばストレージと直結する。そんでまた、このストレージを構築デキるヤツもメチャ少ない。。
現場では、DBがデキるヤツにはストレージのスキルも要求するから、それらを兼ね備えているとなると。。
まあ、企業が研修とかを最大限利用して、そういう人材を育てるしかないね。
ロジック的に異なるから、サーバ/ネットワークエンジニアからスキルアップを狙っても、相当努力しないと太刀打ちできない。
今、どのシステムでもゼッタイにDBは必要であるにも関わらず、世の中にこれだけDBに精通したエンジニアが少ないということを。。
上層部は知っているのだろうか?
外注かき集めようにも、いないんだよ、そもそも人材が。いたとしても高額で他案件で埋まってるに決まってるんだから。
そして、バックアップツール、運用管理ツールについても、今まではサーバエンジニアが片手間でおぼえていたりしたけど、これらも個別に、ひとつの独立したスキルとして認知されつつある。
そしてもちろん、精通している人間はゼッタイ的に足りない。。
バックアップも、運用管理(監視)も、システム基盤にゼッタイに組み込まれてゆくものなのに。。
カネがめぐってこないから、それを狙ってくるキレるエンジニアがやってこない。
分野の中で自前で育てようと思っても、目が死んでるから育たない。育ててやっても、すぐどっかにいっちゃう。
とにかく、システム基盤の重要性を理解し、この最底辺層へのカネのめぐりを良くしないと、いずれダメになりますよ、間違いなく。
システム基盤ってのはホント、クリティカルになってきてるんだよ。
おまけ:物理層が死んでる。
今、データセンターとか行ってラックの後ろとかに立ってみなよ。すげーところはすげーよ、配線がスパゲティ状態だったりさ。
ラックマウントのサーバが、ギチギチに入っていて、熱くなってて、常時扇風機まわしてるとか。
みててアブナくてしょーがない。
それに、マシンルームが資材置き場と化してるとこが多くて、キタナいのなんのって。物理層でも「吹き溜まり」と化してる。
トヨタのカイゼンの基本は整理整頓ではなかったか? あのラック周りの惨状をみたらカイゼン担当者は卒倒するんじゃねーか?
ここからテコいれしたほうがいいんじゃないのかね。「クサいモノにフタ」じゃなくってさ。